TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2020 クラブマンシリーズオープン 第8戦

日本中に拡がった自粛ムード。もちろんモータースポーツにも大きな影響はあったが、参加するアマチュアドライバーの中にも自粛ムードが存在していたようだ。ディーラーチームでも9月末までを自粛期間と定めた会社もあり、10月になりイベントやモータースポーツ活動が解禁となったという。そうした影響もあってか、今回のエントリー台数は46台にも達し、パドックの賑わいも含めて、感覚的にはやっと開幕戦が来た、という印象だった。

●予選
今回もまた予選は雨だった。今シーズンはすべて雨がらみの天候で、当然レースは大きく影響を受けることになる。雨が降り続く中、より雨量が増えることを警戒し、ほぼ全車が予選開始早々にコースイン。それだけに、まるでレースのような混雑した予選になった。
そういう状況下でトップタイムをマークしたのは＃277川副健太(DL)。初参戦のルーキーだが、FIA-F4に参加している若手ドライバーなのだから当然といえば当然。しかし、そのタイムを＃757大槻征久(ブリヂストン)が更新。そのタイミングでコースアウトしたマシン回収のために赤旗中断となる。
再開後、再び川副がタイムを更新しポールポジションを獲得した。2位に大槻、3位には＃708久保直也(DL)が入った。
ブリヂストン装着勢は、大槻の他、4位に#21高月瑠偉、5位に＃6下村智、7位に＃14鈴木祐子など、トップ10に4台が入った。

●決勝・ヒート1

午後の第１ヒートでは雨はあがったものの、路面はウエット。しかし上位陣は意外なほど上手くスタートを決め、順位に変動はなかった。
ポールポジションからスタートした川副は、オープニングラップで一気に1秒8のリードを作り、引き離していく。4周目に2台のマシンがクラッシュし、そのマシン回収のためにセーフティカーとなる。解除された8周目、再び後続を引き離そうとするが、予選6位から2位へと上がって来た＃559岡田整(YH)は逆に差を詰めて、ファイナルラップに逆転、初優勝を勝ち取った。
ブリヂストン装着勢は、3位の大槻を始め、トップ10に4台が入った。

●決勝・ヒート2
翌日の第2ヒート、ポールポジションからスタートした岡田は、好スタートを決めた。しかし川副はきっちりとテール・トゥ・ノーズでトップを狙う。この2台は3位以下の後続のマシンを引き離し、マッチレースとなっていった。そして4周目にオーバーテイクを決め、岡田を少しずつ引き離していく。セカンドグループは、スタートで久保が7位から3位へと大きく順位を上げ、逆に3位の大槻が7位となるなど、順位の入れ換えがあった。レース後半では5位争いが激しくなり、4〜5台のグループが形成され、その中で攻防が展開されていった。
優勝は、レース後半にもペースを落とすことなく、最大で4秒以上のタイム差を作ってみせた川副。初参戦で初優勝をなし遂げた。2位には岡田、3位に久保が入った。4位には、第1ヒート5位からポジションを上げてきた下村となったが、彼は初参戦どころか、初レースであり、その落ち着いた走りが入賞へとつながった。ブリヂストン装着勢はトップ10に4台が入った。

クラブマンシリーズ・オープンクラスで第1ヒート5位、第2ヒート4位となった＃6下村智選手のコメント
「初めてのレースだったので不安もありましたが、無事完走できて嬉しいです。井上尚志選手(プロフェッショナルシリーズ参戦)のアドバイスをもらって、それをしっかりと守って走ったことが、今回の結果につながったと思います。とくに雨の予選、第1ヒートを走りきれたことは自信になりました。ただ第2ヒートは、上位のペースが凄く速くて、ついていくことができなかったのがとても悔しいです。来シーズンの本格参戦に向けて、しっかりと準備していこうと思っています」