2023年全日本ジムカーナ選手権 第7戦SUGO

　2023年の全日本ジムカーナ選手権は全8戦。そのラス前となる第7戦が、宮城県南部に位置するスポーツランドSUGO 西コースで開催された。8クラスのうち前戦で2クラスでのシリーズチャンピオンが確定しており、残り6クラスで熾烈なチャンピオン争いが繰り広げられた。
コースは主にカートで使用されるSUGO西コースをショートカットシケインを3箇所使用する設定。前半は270度ターンが1回、後半は180度ターンが1回と、ターンセクションは2箇所のみ。カートコースなりの走り方を要求されるのに加えて狭いショートカットシケインを斜めに横切るため、ここでスピードを落とさず、かつ脱輪せずにいかに速く抜けられるかが勝負の鍵となる。

金曜日・土曜日の練習日は晴れて路温も50℃を超える暑さであった。だが決勝日は予報では曇り一時雨とのことで、朝は雲が広がる天気。しかし競技が進むにつれて天気は回復し、午後には真夏の陽射しが照りつけて路温も50℃に迫るまで上昇。そんな中、RE-71RSを履くPE・PNクラスのPOTENZA装着勢は、PE1クラスで山野哲也（アルピーヌA110S／ブリヂストン）が6連勝で見事シリーズチャンピオンを獲得。PN3クラスでは前戦でシリーズチャンピオンを決めているユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が今季5勝目を挙げてチャンピオンの貫禄を示した。PN1クラスでは福田大輔（マツダ2／ブリヂストン）が3位、PN2クラスでは小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が2位に入る活躍を見せた。
RE-11SやRE-12D TYPE Aも履けるBCクラスのPOTENZA装着勢では、BC3クラスの菱井将文（GRヤリス／ブリヂストン）がRE-12D TYPE A を履いて今季3勝目を挙げ、最終戦のチャンピオン争いに向けて勢いをつける。また、BC1クラスでは山越義昌（シビック／ブリヂストン）がフロントにRE-12D TYPE A 、リアにRE-11S WS3を履いて3位に入り、こちらも最終戦でのチャンピオン争いに残った。

＜PE1クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（電動パーキングブレーキ装着車。改造範囲が最も狭い）
前戦まで5連勝でチャンピオンに王手をかけていた山野哲也（アルピーヌA110S／ブリヂストン）が、1本目からトップタイムをマーク。2本目には更にタイムアップを果たし、6連勝。これで全日本ジムカーナ選手権に於いて23度目となるシリーズチャンピオンに輝く。
●優勝し今シーズンシリーズチャンピオンを決めた山野哲也選手コメント
「チャンピオンを獲ることができてホッとしています。4年振りのSUGOでの全日本ジムカーナの開催で、アルピーヌA110Sで走るのもRE-71RSで走るのも初めてということで、ワクワクしながらSUGO入りしました。金曜日・土曜日と色々試しながら走りましたが、ライバル達も進化していてタイム差も少なく、厳しい戦いになるとは覚悟していました。でもRE-71RSは1本目からトップタイムを出してくれて、2本目は路面状況が悪くなるのでタイムダウンする傾向にある中でタイムアップを果たしてくれたという、改めて凄いタイヤだということを感じました。これで全日本ジムカーナ135勝目、シリーズチャンピオン23回目となりました。全てブリヂストンのタイヤを履いて獲得した成績です。RE-71RSという新たなタイヤでのシリーズチャンピオンを嬉しく思います。」

＜PN3クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（2007年以降にJAF登録された1500cc以上の2輪駆動（FF・FR）車。改造範囲が最も狭い）
前戦で5度目のシリーズチャンピオンを決めているユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）。1本目にトップタイムを出し、そのタイムを守りきって優勝。満点チャンピオンを目指すと宣言した通り5勝目を挙げ、最終戦での満点チャンピオンの可能性を残す。
●優勝したユウ選手コメント
「1本目、前半区間でミスが2回ほどありましたが後半区間ではうまくまとまった走りができ、何とかギリギリトップタイムを出せたという感じです。奥井優介選手（GR86／DL）がパイロンタッチをしたものの生タイムでは100分の1秒差まで迫ってきていたので、2本目にタイムアップしないとマズいかなという感じでしたが、2本目は路面状況が悪く、タイムアップできずでした。しかしそれは他の選手も同じで上位陣は皆タイムダウンだったので、逃げ切り優勝できました。ここのコースはパワーが必要なのでGR86が怖い存在でしたが、勝ててよかったです。次戦鈴鹿も同じ様なコースなので、気を引き締めて臨みたいです。」

＜BC3クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（4輪駆動車。改造範囲が広い）
チャンピオン争いが3名に絞られたこのクラス。前戦までで津川信次（GRヤリス／DL）がポイントで1歩リード、大橋渡（インプレッサ／DL）が2番手、菱井将文（GRヤリス／ブリヂストン）が3番手で迎えた第7戦。1本目、菱井が渾身の走りでトップタイムをマーク。2位に大橋、3位に津川がつける。2本目は3名ともタイムダウンで1本目の順位のまま菱井の今季3勝目が決まる。これでシリーズポイントも菱井が大橋をかわして2番手に浮上し、トップ津川に1ポイント差にまで迫る。
●優勝した菱井将文選手コメント
「今回はRE-12D TYPE Aに助けられましたね。結構ミスもあったのですがそれでもトップタイムを出してくれました。昨日までの練習走行では津川選手が速かったのですが、“頑張れば追いつける”と信じて全力で走った結果です。この勢いのまま最終戦で暴れたいです。」

全日本ジムカーナ選手権最終戦となる第8戦は三重県にある鈴鹿サーキット南コースで9/30-10/1に開催される。
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