2023年全日本ジムカーナ選手権 第6戦久万高原

全日本ジムカーナ選手権第6戦が愛媛県南部の久万高原町にあるハイランドパークみかわで開催された。全8戦の6戦目ということで、シリーズランキングを左右する大事な一戦に90台が熱戦を繰り広げた。コースは元スキー場の駐車場を利用したフルパイロンコース。扇形のコースを目一杯使用した攻め甲斐のある設定。パイロンの配置が絶妙で、パイロンタッチペナルティを取られる選手が続出。1本目は実に26人もの選手がパイロンタッチの判定を受け、いかにパイロンを躱しながら最速ラインを通るかが勝負の分かれ目となる。
今大会は電動パーキング車クラスのPE1クラスとそれ以外でコースの設定が変わり、PE1クラスのコースは360°ターンなどが無くなっている。
■PE1コース

■PN1～BC3コース


決勝日の天候は朝から雨。気温・路温とも22℃。天気予報では一日中雨との予報になっており、誰もがフルウェット路面での戦いになると予想していた。ところが競技が始まる頃には雨は止み、時折霧雨がパラつくものの路面は徐々に乾いていき、2本目が始まると太陽が顔を出して気温26℃、路温41℃まで上がる状況で、2本目にタイムアップ合戦となる。そんな中、RE-71RSを履くPEクラス及びPNクラスのPOTENZA装着勢は、PE1クラスで山野哲也（アルピーヌA110S／ブリヂストン）が優勝し5連勝。シリーズチャンピオンに王手をかける。また、PN3クラスではユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が3位に入賞し、シリーズチャンピオンを決める。PN2クラスでは小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が2位に入賞し、シリーズチャンピオン争いに残る。RE-11SやRE-12D TYPE Aも履けるBCクラスのPOTENZA装着勢は、今回は残念ながら3位以上の入賞者はおらず、次戦以降の活躍に期待したい。

＜PE1クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（電動パーキングブレーキ装着車。改造範囲が最も狭い）

開幕戦を欠場したが、第2戦から連続優勝している山野哲也（アルピーヌA110S／ブリヂストン）。1本目はウェット路面に手こずり4番手タイムに終わるも、ドライ路面となった2本目は怒濤の走りで2位に2秒以上の差をつけての圧勝。5連勝とし、次戦6位以上でシリーズチャンピオンが確定する。

●優勝した山野哲也選手コメント
「1本目が終わった時点で今週末はヤバいなと思いました。今のボクのクルマのパッケージングだと、ウェット路面だとタイムを残しにくい、特にここみかわの路面を捕らえるのは非常に難しいとうコンディションでした。前後のタイヤがそれぞれバラバラに動いている感じで、攻めきれませんでした。しかし、2本目ドライとなり、しかも砂が掃けたみかわの路面に対して、RE-71RSがもの凄く高い次元の性能を発揮してくれて、精度の高いクルマの動きを見せてくれました。フロントタイヤとリアタイヤがうまく連携してくれてクルマのバランスをニュートラルステアに持って行くことができ、高いパフォーマンスを提供してくれたことが勝因ですね。路面コンディションやコースレイアウトなど、ジムカーナという競技の難しさを改めて経験させられた一日となりましたが、最高の成果で終わることができてとても嬉しいです。次戦、シリーズチャンピオンを決めます！」

＜PN3クラスシリーズチャンピオン、POTENZA RE-71RS装着＞（2007年以降にJAF登録された1500cc以上の2輪駆動（FF・FR）車。改造範囲が最も狭い）

第2戦から4連勝しているユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）。今回2位以上で自力チャンピオン、ライバルの順位次第では5位以上でチャンピオンが決まるという中、1本目のハーフウェット路面でトップタイムをマーク。完全ドライとなった2本目、出走前に2人の選手に抜かれて3番手に落ちるも逆転を賭けて攻める。ところが前半のターンで痛恨のシフトミスを犯してしまい失速。1本目のタイムで3位となる。しかしライバルが更に下の順位だったため、ユウのシリーズチャンピオンが決まった。

●シリーズチャンピオンを決めたユウ選手コメント
「みかわの路面はザラザラした質感で、温度さえあればRE-71RSが有利かなという状況で、2本目はいいタイムを出して上がりたいなと思っていたのですが、欲をかいたというか・・・。1本目のタイムでチャンピオン自体は確信していたので、2本目にカッコよく終わりたかったのですが、そこはまだまだ未熟者ということで（笑）。シーズンを通して振り返ると、路気温が低い状態だとちょっと厳しいという感じがありつつも、路気温が上がればアドバンテージがあるということを証明するかの様に第2戦から4連勝することができ、今こうしてシリーズチャンピオンの座に着くことができたということで、いいシーズンだったなと思っています。今回は3位でしたが、まだ2戦あり、満点チャンピオンの可能性が残っているので、それを狙っていきます。」