2024年 全日本ジムカーナ選手権 第6戦 スナガワ

2024年の全日本ジムカーナ選手権の第6戦が、昨日の第5戦に引き続きオートスポーツランドスナガワで開催された。大会特別規則により昨日履いたタイヤを今日も履く必要がある。ただ、装着位置の指定はないので、前後や左右のローテーションを行う選手も見受けられた。
コースはスタートして外周・内周をこなすコースセクションの前半から手前の広場でパイロンセクションの後半を経てゴールといういつもの設定ながら、昨日とはレイアウトが逆になり、スタート・ゴールの位置は同じながらもコース区間は逆走となる。

日曜日の朝は曇り空。昨日より雲が厚い。しかし1本目が始まる8時過ぎには青空も見えてきて、気温18℃と昨日より低いながらも路温は31℃と高い。雨を心配する声もあったがドライ路面での勝負となり、陽射しが出たので競技が進むにつれて路温は昨日より高く、1本目のBC1クラスの頃には40℃を超える暑さとなる。

そんな中、RE-71RSを履くPEクラス及びPNクラスのPOTENZA装着勢は、PE1クラスで山野哲也（アルピーヌA110R／ブリヂストン）が昨日に続いて優勝し、今季5勝目。PE2クラスでも高屋隆一（BRZ（ZD8）／ブリヂストン）が昨日に続いて優勝し、今季3勝目。PN3クラスでは昨日3位だった大多和健人（ロードスターRF／ブリヂストン）が今季4勝目と、6クラス中3クラスを制覇。また、PE2クラスで河本晃一（BRZ（ZD8）／ブリヂストン）が2位、PN1クラスで阪本芳司（ヤリス／ブリヂストン）が3位、PN2クラスで昨日優勝の小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が2位、開幕2連勝のSHUN（ロードスター／ブリヂストン）が3位、PN3クラスで昨日優勝のユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が2位と、多くのPOTENZA装着勢が表彰台の一角を占めた。
RE-11SやRE-12D TYPE Aも履けるBCクラスのPOTENZA装着勢では、BC1クラスの橋本克紀（シビック／ブリヂストン）が昨日に続いて優勝し、今季2勝目。BC2クラスでも広瀬献（S2000／ブリヂストン）が昨日に続いて優勝し、今季2勝目と、3クラス中2クラスを制覇。また、BC2クラスでは開幕4連勝の若林拳人（エキシージ／ブリヂストン）が2位、BC3クラスでは昨日優勝の菱井将文（GRヤリス／ブリヂストン）が2位となり、それぞれ表彰台に登った。

＜PE1クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（電動パーキングブレーキ装着車。改造範囲が最も狭い）

昨日今季4勝目を挙げた山野哲也（アルピーヌA110R／ブリヂストン）。しかし1本目にゴール直前のパイロンに触ってしまい、6番手で2本目を迎える。だがここで山野は強さを見せつけ、1本目トップの牧野タイソン（アルピーヌA110S／DL）のタイムを1秒上回る驚異的なタイムを出し、見事今季5勝目。
●優勝した山野哲也選手コメント
「タイヤのコンディション的にはとても良く、凄いグリップ力を発揮してくれました。1本目は昨日のイメージでスタートしたら思った以上のグリップで、パイロンに近づき過ぎてペナルティをもらってしまいましたが、タイム的には余裕があったので、2本目は守りつつ攻めるというモードで走ることができました。今回の2連戦では昨日の1本目に新品を投入してから4本走ったことになりますが、RE-71RSは4本目でもグリップ感が落ちることなくベストタイムを刻めるので、ドライバーとしては心強い味方です。ここでの2連勝でいい景色を見ることができ、シリーズも先を見通せてきました。このまま気を抜くことなく頑張っていきたいと思います。」


＜PE2クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（オートマチックトランスミッション搭載の2輪駆動車。改造範囲が最も狭い）

昨日今季2勝目を挙げた高屋隆一（BRZ（ZD8）／ブリヂストン）だが、1本目にトップタイムを出しながらパイロンタッチの判定で3番手となる。しかし2本目にキッチリ走って再びトップタイムを出し、ノーペナルティで今季3勝目。
●優勝した高屋隆一選手コメント
「今回の2連戦もCP2（Challenge PE2 Program）活動の一環として河本選手とダブルで出場したわけですが、その中でドライビングを2人で話し合いながら走った結果、1本目にいいタイムを出すことができました。パイロンタッチは余計でしたけど（笑）。2本目はパイロンタッチしない様に少し守りの走りになったので、1本目の生タイムには届かなかったですが優勝できて嬉しいです。また帰って今回のデータを比較して、次戦に向けてのイメトレに活かしたいですし、ルーキーズ達に“おっさん達も進化しているんだよ、こうやって話し合いながらやっているんだよ”ということを見せてあげることができる有意義な2連戦になったと思います。RE-71RSに関してですが、スナガワの路面との相性が良く、アイススケートのエッジが引っかかるみたいなグリップで、変なダンピングもなく、クルマもRE-71RSに合わせて仕上げてあるので、すごく乗りやすいんです。自分のコントロール域の中で操作がし易いので、タイムに繋がったんだと思います。今後もこのいい部分を活かしていきたいです。」

＜PN3クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（2007年以降にJAF登録された1500cc以上の2輪駆動（FF・FR）車。改造範囲が最も狭い）

開幕戦・第2戦・第4戦とDLを履いて優勝している大多和健人（ロードスターRF）。しかし今大会では路面との相性がいいPOTENZA RE-71RSを選択。昨日はセッティングに苦しみ3位止まりだったが、今日は昨日優勝のユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）を0.04秒抑えて優勝。今季4勝目とする。
●優勝した大多和健人選手コメント
「スナガワの路面はやはりRE-71RSの方が相性がいいと思っているので、今回はRE-71RSを選択しました。実は昨年のここの2連戦でもRE-71RSを履いていまして、2連勝したユウ選手には届かなかったものの3位・2位を獲っています。あと、シリーズを追うなかで、ここでユウ選手より少しでも多くのポイントを稼いでおけばこのあとの戦いを優位に進めることができるかなという思いと同時に、転ぶ時も一緒だよという話でして（笑）。このあとイオックス、SUGOと暑い中での戦いが続くので、そうなればやはりRE-71RSの戦闘力に頼ることになります。タイヤは4本走っても偏摩耗もなく、キッチリ使えたのでありがたかったです。昨日は3位でしたが、クルマのセッティングも大きく変えて今日に挑みました。実は4本走りましたが4本ともセットは違います。本命は今日だったので、今日勝てて良かったです。ポイントリーダーの座を守ることができました。」

＜BC1クラス優勝、POTENZA RE-11S WH2装着＞（前輪駆動車。改造範囲が広い）

昨日優勝している橋本克紀（シビック／ブリヂストン）。1本目は1分13秒742とリザルト上ではトップタイムだが、昨年のチャンピオン西井将宏（インテグラ／DL）がパイロンタッチしているものの生タイムでは橋本を0.1秒上回るタイムを出しており、またケイヤ（インテグラ／YH）も橋本と0.1秒差で2番手にいるという、2本目にどうなるか分からない均衡状態。その2本目、ケイヤはタイムダウン、橋本は1本目の西井の生タイムをも上回る1分13秒366を叩き出し、トップを守る。クラス最終走者の西井も1本目の生タイムよりダウンに終わり、橋本の今季2勝目となる。
●優勝した橋本克紀選手コメント
「1本目はトップとは言え僅差で他の選手がいたので、2本目も頑張らないといけないなという思いでした。タイヤがキツいのは他の選手も同じなので、少しでもタイムアップできる様に頑張って走りました。結果的に思った以上のタイムアップで2 連勝することができました。WH2のお陰ですね。これでシリーズポイントも2番手となりました。まだトップの西井選手とは差がありますが、食らいついて行こうと思います。」

＜BC2クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（後輪駆動車。改造範囲が広い）

昨日優勝の広瀬献（S2000／ブリヂストン）。開幕4連勝の若林拳人（エキシージ／ブリヂストン）の連勝は止めたがまだまだポイントは若林に引き離されている。ここで勝ってポイント差を少なくしたいところ。1本目に広瀬は1分11秒561でトップ。若林は0.7秒差の2番手。2本目、広瀬は怒濤に攻めて1分10秒776という大会オーバーオールタイムを叩き出し、最終走者の若林のゴールを待つ。その若林は僅かなタイムアップに留まり、広瀬の今季2勝目となる。
●優勝した広瀬献選手コメント
「265/35R18サイズのPOTENZA RE-12D TYPE Aは、4本ちゃんと保ちました。4本目だともちろんヤマが十分あるときのピークのグリップ感よりは少し落ちる感じはしますが、それでも4本目でオーバーオールタイムが出せるポテンシャルは残っていたということになります。また、路温が高くなってくれたことも18インチの12DAを活かせる要因になったんだと思います。ここ数戦で色んな運みたいなものとか、僕のBSタイヤへの慣熟度が足りない部分があって試行錯誤していましたが、ここへ来てようやくBSタイヤの声が分かる様になってきたし、うまく使えるセットが見えたかなという感じです。この後のイオックスとかみかわとか、僕の苦手なところに照準を合わせてセット出しをしてきたので、そのセットでスナガワも勝つことができたというのはラッキーでした。この勢いで次戦以降も頑張ります。」