箕輪卓也が少し早い“父の日に捧げる”初優勝

  • 開催場所:スポーツランド菅生
  • 開催日:2022年05月15日(日) 〜 2022年05月15日(日)
ロードスター・パーティレースⅢ 北日本 NDシリーズ Rd.2

5月15日、宮城県のスポーツランドSUGOではロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第2戦が行われた。11台のエントリーを集めたNDシリーズクラスは文字通り弱冠20歳の大学生、35号車・箕輪卓也が待望の初優勝を土壇場の大逆転で成し遂げた。

●予選
4月の開幕戦はジャパンツアーシリーズとのダブルタイトルマッチということもあり、NDシリーズのみで25台がエントリーする大混戦となったが、今回はNDクラブマンと合わせて15台での混走レースとなった。27号車の大越海斗は、この日がJAF公認レースのデビュー戦となる福島県在住の25歳。ただしSUGOとエビスで開催されている軽自動車の競技会には参戦し、一昨年はシリーズチャンピオンという実績も残している。
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公式予選は8時35分からの15分間。本日のSUGOは曇り空で、気温15℃・湿度56%・路面温度19℃というコンディションで始まった。先頭でコースインした箕輪が1周目の1分47秒173から、2周目に1分46秒419まで一気にタイムアップ。結局これが最後までラップモニターの最上段に残った。

2番手争いはライバル2名が鎬を削った。まずは16号車の上田純司がアタック2周目に1分46秒871と、箕輪に続いて46秒台に突入。ところが、少し遅れて入った34号車の菊池 仁がアタック2周目に1分46秒721で上回り、さらに4周目に46秒705、6周目に46秒473と1周のクーリングを挟みつつも着実にタイムを刻んで逆転。上田もアタック5周目に46秒832まで削るが、及ばなかった。

4番手には91号車の沢崎祐一が1分47秒166を5周目に記録して滑り込んだ。さらにグリッド3列目は31号車・和光博紀が1分47秒192、ルーキーの大越が1分47秒193という1000分の1秒差の際どい争いに。
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なお、北日本開幕戦で2位となった32号車の横田 剛のベストは1分47秒274。7 番グリッドからの巻き返しを狙うことになった。

●決勝
今年の北日本シリーズの決勝は昨年までより1周多い9ラップでの戦いだ。また開幕戦のローリング方式とは異なり、アウト側がポールポジションのグリッドスタートに戻った。
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予選後のSUGOは一瞬、太陽が顔をのぞかせることもあったが、再びの曇り空の下で決勝が行われた。コンディションは気温17℃・湿度41%・路面温度34.3℃。予定よりわずかに遅れて、12時24分に10灯のレッドシグナルがブラックアウトした。
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最前列の2台、箕輪と菊池は順当に1コーナーに進入していくが、後続の上田がわずかに出遅れたために4番グリッドの沢崎のスペースが狭くなり、逆にアウト側5番グリッドの和光の前が大きく開けたために和光が4位にポジションアップ。その影響もあって上位陣では「箕輪→菊池→上田→和光」のトップ4が抜け出し、5番手以下との間には早くも大きなギャップが生まれた。

その5番手にいた沢崎が徐々に後退し、2周目には大越がグループの先頭に出るが、3周目にはSUGOを知り尽くしたベテランの横田が浮上。この2台に8番グリッドだった47号車の岩崎 魁が追い付いてきて、ここから「横田→大越→岩崎」の3台がピタリと一列になったようなバトルが始まった。

序盤の上位グループで一番勢いがよかったのが上田。前を走る菊池を2周にわたって0.4秒差で追い詰めるものの、ここで少し息切れ気味に。逆にそこまでタイヤをいたわっていた印象の菊池が、4周目の後半から先頭の箕輪をロックオン。そのままの勢いで5周目の1コーナーでインを差してのパッシングに成功した。
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もちろん箕輪もあきらめない。8周目とファイナルラップの9周目は1コーナーでイン側にノーズをこじ入れてサイドbyサイドまで持ち込むが、菊池も耐えしのぎ、3コーナーまでに先頭の座を取り戻す。また、なんとか仕掛けたい上田だったが、7周目の2コーナーで膨らんでしまい、和光に3位の座も明け渡すピンチがあったので自重に回った。

そして、「勝負あった」と思われたファイナルラップの最終コーナーでは、なんと箕輪が菊池のインに飛び込んだ。じつはその前、バックストレートから馬の背コーナーへのブレーキングで、菊池が突っ込みすぎでわずかに失速気味になった隙をキャッチアップ。続くSPのイン&アウトでさらに差を詰めて、最後のチャンスに賭けたのだ。

さすがに想定外だった菊池だが、この後のフェアプレーは賞賛したい。箕輪のマシンが走る1台分のスペースを残して立ち上がったが、アウト側を遠回りした分、順位はここで入れ替わった。
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さらにこの最終コーナーでは4番手で追走していた和光が激しいテールスライドでスピンアウト。後続の4台に抜かれてしまうが、チェッカーフラッグはなんとか受けて完走は果たした。

昨年のデビュー戦でいきなりポールポジションを獲得したり、先日の筑波のレースでは先頭でチェッカーフラッグを受けたもののペナルティで降格。そんな箕輪だったが、ついに念願の初優勝をもぎ取った。
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戦いには敗れたものの、自己最高成績を更新した菊池が2位でポイントリーダーに浮上、さらに上田までが表彰台を獲得した。以下、4位の横田と5位の大越までが規定により入賞となった。
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●優勝した箕輪選手コメント
「やっと勝てました。自分は通学の関係で実家を離れているので、いつもロードスターの面倒を見てくれている父に、少しだけですが恩返しできました。菊池さんとのバトルも最高でした。来週の筑波も頑張ります」
タイヤについては
「インフォメーションがわかりやすく伝わって来ます。間違いなく自分もこれで上達させてもらっていますね」



北日本シリーズの第3戦はしばらく間が空いて、ここスポーツランドSUGOで10月8日(土曜日)に開催予定だ。またロードスター・パーティレースⅢの次の戦いは早くも次週、5月22日(日曜日)に茨城県の筑波サーキットで行われる東日本シリーズの第2戦となっている。


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レース結果

コース:スポーツランド菅生

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2022/05/15
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:11
  • (3.586km x 9laps = 32.274km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 35 箕輪 卓也 BS Bridgestone ミノワファクトリーロードスター 9 16'19.467
2 34 菊池 仁 BS Bridgestone ガレージ123煉獄ロードスター 9 16'20.130
3 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 16'20.262
4 32 横田 剛 BS Bridgestone KYCロードスター 9 16'26.238
5 27 大越 海斗 BS Bridgestone VOSR ロードスター 9 16'26.493
6 47 岩崎 魁 BS Bridgestone ケイズDRロードスター 9 16'26.649
7 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 9 16'29.720
8 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 9 16'35.116
9 171 野村 充 BS Bridgestone LAILE RSMロードスター 9 16'39.819
10 6 SATOSHI BS Bridgestone ユニバーサルツインロードスター 9 16'47.106
11 33 冨田 成俊 BS Bridgestone EMSC冨田商事ロードスター 9 16'54.591