2023年ロードスター・パーティレースⅢ 東日本シリーズRd.2 NDシリーズ

5月28日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第2戦が開催。パーティレース発祥の聖地だけに、今シーズンも予選・決勝とも毎戦3グループ以上に分けて行うという、スケールの大きさを誇っている。その第3レースのNDシリーズ決勝では最後にドラマが発生。クラブマンから今季ステップアップしたばかりの松原泰世が、2戦目にして大逆転の金星を挙げた。

◆予選
第3レースのNDシリーズはエントリー22台。公式予選は9時20分からの15分間で争われた。9時30分の段階で気温24.8℃／湿度59％／路面温度36.0℃と、コンディションも刻々と変わっていた。ほとんどのマシンがすぐにアタックに入るが、そこでトップに立ったのはデビュー2戦目の281号車・宮園拓真で、タイムは1分10秒920。ご存知の方も多いだろうが、彼はグランツーリスモの元世界チャンピオンだ。これに先日の開幕戦で、「Great Party Racer賞」を授与されたベテラン、91号車の沢崎祐一が1分11秒061、2021年に同じく受賞済みの78号車・出来利弘が1分11秒087を記録して続いた。そして5分が過ぎた頃、133号車の辻田佳典が叩き出したタイムが1分10秒835。さらに9分が過ぎてから105号車の菅原達也がアタックに入るが、最初に記録した1分11秒077は走路外走行で採用されず、セカンドベストの1分11秒189で6番グリッドに決定。5番グリッドには昨年、クラブマンで連戦連勝を誇った155号車の松原泰世が1分11秒130で滑り込んだ。結局、10秒台は辻田と宮園の2名。グリッド2列目にベテランの沢崎と出来が並び、さらに若手の松原と菅原が入賞圏内で決勝をスタートする。ちなみに松原は前日の富士ロードスターカップからの2連戦。4号車の渡邊敏康も同様のタフガイだ。

◆決勝
本日を締めくくる第3レースのNDシリーズ決勝は、最後に大きなドラマが待っていた。ちなみに第2戦はジャパンツアーシリーズとダブルタイトルだった開幕戦とは異なり、グリッドに一度静止してからのスタンディングスタートに変更。ただし筑波サーキットの場合、ポールシッターのグリッドはイン側で変わらない。スタート時刻は13時43分で、直前となる13時30分のコンディションは気温26.4℃／湿度39％／路面温度47.3℃。こちらも初ポールだった辻田だったが、無難にこなして先頭でオープニングラップを帰ってきた。

一方で、e SPORTなら誰にも負けない宮園は明らかに出遅れてしまい、3番グリッドから出た沢崎が入れ替わって逆転に成功した。さらに4番グリッドだった出来は接触のアクシデントの後に目眩のような症状が起こり、コースサイドにマシンを止めて無念のリタイア。そこで松原と菅原がひとつずつポジションをアップした。
序盤の焦点は宮園のパフォーマンスだった。まずは抜かれた沢崎をすぐにロックオン。3周目には抜き返して戻ってきた。さらに勢いは止まらず、トップの辻田にも徐々に接近。7周目には0.620秒差となり、そこから4周にわたってテールtoノーズで攻めまくった。

ただ、そのバトルを後方で見つつ、チャンスを待っているファイターがいた。それは松原で、まずは9周目の最終コーナーで少しアウトに膨らんだ沢崎をキャッチアップ。10周目の1コーナーでインに飛び込むことに成功した。さらに12周目の奥の第2ヘアピンで、宮園が辻田に仕掛けた反動で立ち上がりの加速が鈍ったところを見逃さなかった。

バックストレートでスリップから抜け出して、最終コーナーでインを奪取。ここで2位に浮上して、先頭との差は0.632秒に…。
残りは3ラップ。13周終了時点では0.277秒差まで詰めたが、次の1周は少し差が開いて0.451秒差でファイナルラップに突入した。こんな限界状態でも、松原の作戦は明白だった。「辻田がインを開けないように頑張ることで、どこかで立ち上がりが鈍るところがあるはずだ」と…。そして宮園を抜いた時と同様に、第2ヘアピンからの加速で勝っていることを確信すると、バックストレートで背後についてロックオン。最終コーナーでインに飛び込むと、辻田も1台分のスペースを残しておくフェアプレーを見せた。実は松原、前日の富士ロードスターカップではパーティレースでもライバルの野村 充と一騎打ちの末、2位に敗れていた。今日こそはと意気込んできた筑波で、奇跡とも思える逆転劇を達成したのだ。

改めて整理すると、優勝は松原。今年からステップアップしたシリーズでは5月5日の開幕戦でも2位と健闘したが、早くも第2戦で初めての頂点を極めた。2位の辻田と3位の宮園も初めての表彰台だ。なお辻田のマシンは奥様の慈さんが昨シーズンは主にドライバーを務め、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー（ジャパンツアー）」を獲得しているが、今年はご主人がメインで参戦することになったとのこと。以下、菅原に沢崎と続き、6位の2号車・鷲尾拓未はデビュー2戦目での初入賞となった

優勝した松原選手コメント
「シリーズの壁の高さは開幕戦でも痛感させられました。なので今日の予選順位では優勝は厳しいだろうから、とにかく最善を尽くそうと切り替えました。それが逆に良かったみたいです。最後まで冷静に戦えました」
タイヤについて
「やはり新品よりは少し使い込んだ状態がベストかなと。今日は今までで一番いい感じで、内圧も上手く調整できました」

ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第3戦は7月29日の土曜日に、ここ筑波サーキットで開催を予定。またパーティレースの次の戦いは西日本シリーズの第2戦で、6月11日の日曜日に岡山国際サーキットで行われる。


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MAZDA ROADSTER NR-A
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MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
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