クラッシュを乗り越え、鷲尾拓未が最年少勝利を更新
- 開催場所:筑波サーキット
- 開催日:2023年10月29日(日) 〜 2023年10月29日(日)
2023年のロードスター・パーティレースⅢも、フィナーレの時が近づいてきた。10月29日には東日本シリーズの最終となる第4戦が、茨城県の筑波サーキットで開催された。参加23台のNDシリーズクラスを制したのは2号車の鷲尾拓未。予選アタックの最後にスピンを犯してウォールにヒットしてしまったが、チームメンバーの修復作業で決勝に臨むと見事な独走劇を披露。20歳5カ月という最年少での勝利記録を更新した。
◆予選
第3レースのNDシリーズ公式予選は、9時45分からの15分間で争われた。エントリーは25台だったが、2台が欠場して23台がアタック。ちなみに予選が終了する10時の段階でも気温12.4℃/湿度91%/路面温度15.8℃と、コンディションはウエットのまま変わらない。まずは先日の富士ジャパンツアーのクラブマンクラスを制した2号車の鷲尾拓未が1分19秒397でトップに立ち、デビュー戦の105号車・深谷諄が1分19秒431で続く。
どうやら上位グリッドには19秒台がマストのようだが、開始6分の段階ではランキング2位で臨んでいる16号車・上田純司と、238号車の宮應政宗までの4名だけが20秒を切っていた。
これに動きが出たのが、予選も半ばを過ぎた8分頃。まずは第3戦を鮮やかに制した54号車の加藤達彦が1分19秒291で一気に上位に浮上。
また11分を過ぎてから、49号車の石川祥吾も1分19秒906で20秒を切ると、その3周後には19秒557まで削り込むことに成功した。
もっと凄かったのは鷲尾。4周目に唯一、1分18秒840を記録するとさらに加速。9周目には1分17秒956という素晴らしいタイムでポールを確定させた。ただし、さらに次の最終アタックのホームストレートで痛恨のスピン。内側のコンクリートウォールにヒットしてダメージを負ったたが、応急の修理を終えて決勝のグリッドには並ぶ気配だ。2番グリッドを獲得したのは、最後まで走り続けた上田。少しずつタイムを削り込んで、10周目に1分19秒134を記録した。
以下、2列目は1分19秒169まで縮めたデビュー戦の深谷と、同じく1分19秒218まで更新した加藤。5番グリッドは最後に1分19秒302まで削ってきたランキング3位の281号車・宮園拓真で、
6番グリッドは石川が前述のタイムで獲得した。なお、ポイントリーダーの155号車・松原泰世は予選9番手という不本意な結果だったが、もちろん決勝では挽回を狙っている。
◆決勝
第3レースのNDシリーズ決勝は13時53分にスタート。空が明るくなり、レース途中では太陽も顔を見せてくれた。14時のコンディションは気温18.6℃/湿度69%/路面温度25.1℃で、リザルトには「セミウエット」と記載された。予選の最後にクラッシュした鷲尾だが、幸いにしてサスペンション周りにはダメージはなかったとのこと。エンジンマウントのブラケット交換などを素早い作業で完了して、まさにピットクルーのお陰でポールポジションのグリッドにつくことができた。2番グリッドの上田をはじめ、2列目の深谷と加藤までの上位4台は綺麗にスタートを決め、1周目から少し5位以下を引き離す展開になった。
一方で49号車・石川祥吾の背後には早くも281号車の宮園拓真が迫ってロックオン。2周目には宮園が先行して、その後は単独の5位走行に入った。そして3周目からは石川を先頭にした238号車・宮應政宗/155号車・松原泰世/71号車・登坂紀という4台の集団が形成。さらに周を重ねると91号車の沢崎祐一など5台がこれに合流。まさにシリーズ最終戦という場に相応しい役者たちの大行列だと言っておこう。
鷲尾のリードは4周目までは1秒以内だったが、5周目からは1秒台、7周目から2秒台、さらに11周目には3秒台と少しずつだが拡大。逆に2位を争う上田→深谷→加藤の3台のギャップは最後までほぼ1秒以内という、超接近戦のまま。
ひとつのミスも許されないハイレベルな戦いを演じ切った。そして最後の入賞となる6位争いの大集団では、ポイントリーダーの松原が見せてくれた。9周目には宮應を捉え、14周目の1コーナーでは石川のサイドに並びかけることに成功。王座獲得への強い思いを感じた。
整理すると、20歳5カ月の鷲尾がNDシリーズ最年少勝利記録を更新(従来は箕輪卓也の20歳9カ月)。今年デビューの逸材が先日の富士ジャパンツアーでのクラブマン優勝に続く快挙を達成した。
また2位の上田は48ポイントとなり、松原と同点ながら最終戦での上位ということで、2年連続の東日本NDシリーズ王座獲得となった。以下、デビュー戦の深谷もポディウムを獲得。加藤と宮園も入賞となった。また昨年はクラブマンクラスで無敵を誇った6位の松原だが、第2戦での優勝をはじめ、シリーズでも見事なパフォーマンスを証明したと言える。
◆優勝した鷲尾選手コメント
「自分が筑波に練習に来ると雨が多くて、今日はチャンスかなと思っていたのですが、まさか優勝とは。しかも決勝は無理だと思っていたのに、本当に皆さんに感謝しかありません」
タイヤについて
「今日のレースはドライだと思って、残り溝が4mmギリギリのタイヤで臨みましたが、なんとかグリップしてくれました。それも収穫ですね」
◆激戦の東日本NDシリーズでV2を果たした上田選手コメント
「今年は1回も勝てなかったのですが、頑張ったご褒美なので嬉しいです。来年も今日みたいに、若い人たちの“壁”になりたいです」
2023年のロードスター・パーティレースⅢも、残すところは2戦のみ。早くも次の週末となる11月4日の土曜日に、ジャパンツアーシリーズの最終戦とダブルタイトルの西日本シリーズ第4戦が、岡山国際サーキットにて行われる。
MAZDA MOTOR SPORTS
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MAZDA ROADSTER NR-A
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MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
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BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
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