著者:山田 弘樹 撮影:安田 剛

マツダグラスルーツカテゴリー POTENZAサーキットインプレッション動画公開!

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ブリヂストンのハイパフォーマンス・スポーツタイヤブランドであるPOTENZA(ポテンザ)は、これまで長らく自動車メーカーであるマツダの参加型モータースポーツ支援活動を足元から支えてきました。その最初の歴史はまず、マツダ・ロードスターが登場した1989年にまで遡ります(※1)。国内の様々な雑誌やWebメディアが参加する「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」では、開催初期はタイヤの指定はされていなかったものの、数々のチームがPOTENZAタイヤを使用。その後ワンメイク化された同耐久レースでPOTENZAは、2000年~2004年までの5年間をサポートしました。そして1年の期間を置いた後、2006年から現在まで、再びロードスターと共に走り続けています。
2B3A4591-thumb-500xauto-13704.jpg歴代ロードスター(写真提供:㈱ビースポーツ)
HIRO8644-thumb-500xauto-13706.jpgメディア対抗4時間耐久レース(写真提供:㈱ビースポーツ)


また、参加型レースとしては2002年から実に19年もの歴史を誇る「ロードスター・パーティレース」においても、POTENZAは指定タイヤとして活躍。「RE-01」から始まったその歩みは、「RE-71R」「Adrenalin RE003」と受け継がれ、現在は「Adrenalin RE004」が引き継いでいます。002-thumb-500xauto-13708.jpg
ブリヂストンがこうしたマツダの活動を長年にわたって応援しているのは、市販スポーツタイヤを使って開催される「グラスルーツカテゴリー」こそが、クルマの楽しさを広く伝える手段だと信じているからです。そしてここで使われるPOTENZAには、我々がこれまでモータースポーツで培った技術が、たくさん活かされているのです。001-thumb-500xauto-13710.jpg


そこで今回は、「ロードスター」「MAZDA2」という、マツダを代表するスポーティカー2台を、筑波サーキットで走らせました。そしてその足下には、「RE-71RS」「Adrenalin RE004」という、POTENZAを代表する2種類のタイヤを装着しています。ドライバーに迎えるのは、POTENZA開発ドライバーである佐々木雅弘選手。そしてロードスター パーティレースからそのキャリアをスタートさせ、2020年はスーパーGT GT300クラスでも活躍した堤 優威選手の2人です。このエキスパートたちによるドライビングとインタビューを、映像を交えながら紹介し、マツダとPOTENZAの魅力を、余すところなくお伝えします。
※1:初代ロードスターはユーノスブランドで展開。
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佐々木 雅弘選手               堤 優威選手

■佐々木選手インタビュー「タイヤを変えることが、一番のチューニング」
POTENZAの開発ドライバーとして、「RE-71RS」の開発に深く携わった佐々木選手。ここではまず佐々木選手に、「RE-71RS」のキャラクターについて伺ってみました。
「RE-71RSは、モータースポーツ用の特別なタイヤではなくて、『ストリート最強』を目指したタイヤです。そしてその最強の定義は、“扱いやすさ”だと思っています。コンディションを選ばず、常に最高のパフォーマンスを発揮すること。そのために自分が一番考えて作ったのは、タイヤの地面に対する接地形状です。左右非対称のトレッドパターンと、アウト側に行くにしたがって傾斜していくラウンド形状。こうした工夫によってタイヤが確実に地面と接地し続けるから、路面からの情報がドライバーにリニアに伝わってきて、細かく対話ができる。対話ができるから、運転が楽しくなるんです。タイムだけを追ってタイヤを作って行くと、また違うものになってしまう。RE-71RSはドライバーと対話できるタイヤだから、マツダファン・サーキットトライアルをはじめとした数々のイベントや走行会で、欠かせない存在となっているのだと思います」。
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「RE-71RS」を履いたMAZDA2で、早速コースインする佐々木選手。全開アタックの後インプレッションのために周回を重ねて、ピットに戻ってきます。
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――MAZDA2と「RE-71RS」の組み合わせはどうでしたか?
「MAZDA2は車重も軽いですし、それに対して今回は205幅の16インチタイヤを履かせていたので、もうほぼオンザレールの操縦性でした。もちろんタイムは、バッチリ出ます。このクルマで1分13秒フラットといったら、結構速いと思いますよ。『タイムを出したい!』というユーザーにとっては、すごく楽しい組み合わせだと思います。ただノーマルのクルマに対しては、ちょっとオーバーキャパシティな印象もありますね。そういう意味で言うと、ここからサスペンションを作り込んでいったり、機械式デフを入れたり、マフラーを換えたりしていっても、タイヤ側に十分対応できるキャパシティがあります。でも何よりタイヤを変えることが、一番のチューニングですけれどね!(笑)」
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「RE-71RS」を試したあと、今度は「Adrenalin RE004」を装着してコースンインした佐々木選手。ここでも佐々木選手は、的確なコメントで「Adrenalin RE004」のキャラクターを表現してくれました。
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「コースインしてまず感じたのは、乗り心地がいいこと! 操舵感がとてもいいんです。レスポンスが遅いのではなくて、マイルド。小さい舵角から大きな舵角まで、一連の動きが想像できるタイヤだと感じました。筑波で言うとダンロップコーナーや最終コーナーは、『RE-71RS』と違って全開ではいけないんですね。そこでクルマをコントロールしてあげる必要がある。“人間がやるべき部分”が、『RE-71RS』と比べてすごく多い。そして、それをしないと速く走れない。 でも、運転ってそこが楽しいんですよ。『RE-71RS』だともっともっと奥まで飛び込まないと感じ取れない部分を、『Adrenalin RE004』ならその手前から味わえます。そして、こうした領域での応答性がマイルドだから、安全に試せます。コーナリング中もアンダーステアを消したり、軽くリアをスライドさせながら走らせたりすることができて、それを使って速く走れるようになったときの喜びはとても大きいと思います。空気圧に対しても色々試したりすると、もっと深いところが見えてくると思います。可能性を感じ取れるタイヤです。降りてからタイヤの表面を見たんですけど、摩耗状態もすごくきれいでしたね。乗り味が優しいだけでなく、コストパフォーマンスの部分でも優しいから、このタイヤでたくさん走ってほしいですね」。
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■堤選手インタビュー「一貫して縦グリップの強さを特徴としているPOTENZA」
2014年に出場したパーティレースでは、参戦初年度にしてシリーズチャンピオンを獲得。その後はST-4クラスを走るTC CORSE iRacing ROADSTERのドライバーとしてスーパー耐久にデビューを果たし、日本代表となった「GLOBAL MX-5 CUP世界一決定戦」では、レース2で見事に3位入賞。まさにマツダ「ロードスター」によって、自身のキャリアを切り開いた堤 優威選手。そんな堤選手が今回最初に試したのは、今年からパーティレースにも採用される「Adrenalin RE004」とロードスターの組み合わせでした。
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――現行パーティレースの指定タイヤである「Adrenalin RE004」はどんなキャラクターのタイヤですか?
「『Adrenalin RE004』は、とてもバランスのよいタイヤだと思います! 僕がパーティレースに出ていたときは、『RE-71R』で走っていました。とてもグリップ力が高いタイヤで、安心してレースができたのを今でも覚えています。ただ、クルマの動かし方を学ぶのであれば、『Adrenalin RE004』は本当にベストですね! このタイヤはロードスターのパワーやロールスピードといった、車両特性とグリップのバランスがとてもよくマッチしています。グリップが高過ぎないので、ブレーキングで奥に行きすぎたり、横Gをかけ過ぎたりすると、当然限界を超えてしまいますが、この限界を超えないギリギリの所が使えるようになると、ロードスターを速く走らせることができるようになります。そして『Adrenalin RE004』は限界を超えた領域でのコントロール性が穏やかだから、そこが勉強しやすい。また、POTENZAの一番の特徴は、縦グリップの強さです。これを活かして走らせる勉強が、『Adrenalin RE004』だとできるんです。そしてこのタイヤで速く走れるようになれば、『RE-71RS』を履いても、その性能を使いきることができると思いますよ。POTENZAはグレードに関わらず、こうした特性が一貫しているんです」。
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堤選手は続けて、「RE-71RS」をロードスターに装着してコースイン。走行した堤選手はピットに戻ってくるやいなや、驚きと喜びが混ざり合ったような表情で、そのインプレッションを熱く伝えてくれました。
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「じつは僕、『RE-71RS』を履くのは初めてだったんですが……すごいタイヤですね! もうピットアウトした瞬間から、手応えが違っていました。一番の特徴は、やっぱり縦方向のグリップの高さです。アクセルを踏んで、クルマが前に、前に進んで行くのが分かるんですよ。もちろんブレーキングも、『Adrenalin RE004』とは比較にならないほど奥まで行ける。コーナーはまさにオンザレールで、切れば切っただけきちんと曲がって、リアも破綻する様子がまるでない。そうなると運転がつまらないのでは? と思うかもしれませんが、全然そんなことないんです! 速く走るためのハイレベルな走りというのでしょうか。『RE-71RS』でタイムを出しに行く走りは、最高に刺激的で面白いんです。そういう意味では、グリップが大きく上がってもその特性は同じなので、やっぱり最初は『Adrenalin RE004』でPOTENZAタイヤの基礎をしっかり学んで、『RE-71RS』でタイムを出しにいくのが理想だと思います。本当に、すごいタイヤでした!」。
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■まとめ「きちんと性能を発揮できる『Adrenalin RE004』と、オールマイティな性能を高次元でバランスした『RE-71RS』」
POTENZA開発ドライバーと、ロードスターマイスターの共演。最後はお2人が共に、「Adrenalin RE004」と「RE-71RS」に対する印象を確認し合いました。
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堤選手はまず「Adrenalin RE004」を「市街地で普段から使えるタイヤにも関わらず、サーキットでもきちんと性能を発揮できる」とコメント。「RE-71RS」に関しては「Adrenalin RE004の楽しさをさらに高い次元で実現していて、POTENZAのポジショニングも明確になっていることが分かった」と評価しました。
さらに佐々木選手はこうした性能を踏まえた上で、「Adrenalin RE004は操る楽しさ、コントロール性が一番特徴的なタイヤ」とまとめ、「RE-71RS」に対しては「ドライ路面だけでなくウェット性能も抜群で、オールマイティに使えるタイヤ」と総括。またロードスターとMAZDA2に対しても「どちらもすごく反応がよいので、タイヤのキャラクターをきちんと見極めることができました」と締め括ってくれました。

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