堤優威が久しぶりのポールポジションを獲得! 決勝では激しいバトルの末2位表彰台!

  • 開催場所:オートポリス
  • 開催日:2025年04月06日(日) 〜 2025年04月06日(日)
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2025 第1戦 プロフェッショナルシリーズ

トヨタGR86とスバルBRZによって競われるGR86/BRZ Cupは2025年で4シーズン目に突入した。国内トップレベルのそうそうたるドライバーたちによる戦いは、今季も全7戦が予定されており、開幕戦は九州オートポリスを舞台に、例年よりも1ヶ月早く開催された。
阿蘇の山中に位置するオートポリスは、牧歌的な雰囲気を持つアップダウンに富んだレイアウトが特徴だ。特にセクター3と呼ばれる最終区間は、登りながらステアリングを左右に切り続けるコーナーが続くことから、国内ではタイヤに厳しいサーキットの代表格だ。
GR86/BRZ Cupは、予選、決勝でタイヤ1セットしか使えないため、タイヤマネージメントが大いに重視される。
2025年シーズンに向けてPOTENZA RE-10Dはバージョンアップを受けて、ウォームアップ性能とピーク時のグリップがともに向上している。
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開発ドライバーである#34佐々木雅弘(ブリヂストン)によれば「今回のタイヤは一発の速さでもロングでも手応えがあり、特にコールド時のリアグリップが改善されて乗りやすくなっています。立ち上がりのトラクションも良くて強みとして活かせるポイントなので、コース特性にしっかり合わせられれば十分に戦えるタイヤだと思っています」という。
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佐々木選手のことばを証明するかのように、土曜日の専有走行では、#7堤優威(ブリヂストン)が2分6秒589で2番手に、3番手には#18中山雄一(ブリヂストン)が2分6秒672という僅差で続いた。4番手以下も#88井口卓人(ブリヂストン)、#293岡本大地(ブリヂストン)、#121蒲生尚弥(ブリヂストン)、#160吉田広樹(ブリヂストン)とブリヂストン勢がずらりと並んだ。
「トップ(#1菅波冬悟(DL)選手)だけは、規格外の速さを持つドライバーですが(苦笑)、そこから下はブリヂストン勢が揃っていたことで、一発の速さを目指したタイヤだということは証明できたと思いますし、今季は昨年とは違う勢力図になりそうです」とは堤のコメント。これがまさに予選において現実のものとなろうとは……。

今回のエントリーは29台で、そのうち11台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着する。

●予選
今回はシリーズ唯一のワンデイレースとあって、午前に予選を、午後に決勝を行う慌ただしいスケジュールとなっていた。午前9時30分から15分間の計測で争われた予選は、夜半に降った雨が早朝まで路面を濡らし、しかもオートポリス名物の霧にも見舞われかけた。
幸いプロシリーズの予選の直前に行われたクラブマンシリーズの予選ではレコードタイムが更新されるほどに路面状態は回復。プロフェッショナルシリーズの予選は絶好のコンディションの中で行われた。
セッション前半、まずトップに立ったのは2分6秒001を記した菅波だった。中山が2分6秒106で肉薄して2番手につける。
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その後、岡本が2分6秒002をマークして菅波に続く。
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そして、ラスト5分から走行を開始し、後半勝負に賭けた堤は、ただひとり2分6秒を切る、2分5秒919をマーク。専有走行後の予想を自ら的中させるとともに、新たなレコードタイムを刻んでいた。
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岡本が3番手で、中山が4番手。井口が6番手、蒲生が8番手、そして#87久保凜太郎(ブリヂストン)が9番手となり、POTENZA RE-10Dユーザーはトップ10のうち6台を占める結果となった。

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ポールポジションを獲得した#7堤優威のコメント
「路面はすでにドライでした。最後にアタックしようと決めていて、本当は残り4分くらいでコースインしようと思っていたのですが、5分前に出ることにしました。路面コンディション的にも「後半のほうが良さそう」という感触はあったのですが、前半に出た中山選手もいいタイムを出していたので、正直どちらが正解だったかはわかりません。
ただ、しっかりクリアラップを取れて、タイヤのウォームアップもうまくできたことが結果につながったのだと思います。今週はずっと調子が良かったので、ミスなくまとめられて本当に良かったです。
専有走行からブリヂストン勢が上位に来ていて、RE-10Dのポテンシャルは皆さんにも伝わっていたと思います。開発ドライバー、そして契約ドライバーとして長くタイヤに携わってきたなかで、今回その役目をしっかり果たせたのは素直にうれしいですし、個人的にも、1年以上ぶりにポールポジションを獲れたのでとてもうれしいです」

●決勝
予選後、天候は急速に回復し上空には青空が広がり、路面温度も高まっていた。
久々のポールポジションからスタートした堤は、好スタートを決めた菅波を抑え1コーナーをトップで通過。
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しかし、背後に迫った菅波にプレッシャーをかけられる展開に。早めの勝負をかけてきた菅波に第1ヘアピンで先行を許す。
3番手には岡本が続いたが、1周目終了時点でトップ2台との差はすでに1秒。
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さらにその後方では、中山と井口、冨林勇祐(DL)、小河諒(DL)の4台が激しく4位争いを展開していた。
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トップ争いは終始テール・トゥ・ノーズの接戦。菅波と堤が一進一退の攻防を続けるが、どちらもミスなく周回を重ねる。内圧を低めに設定し、後半勝負を狙っていた堤は、レース終盤には菅波を上回るペースを見せたものの、その固いガードを崩すまでには至らず。堤の開幕戦は2位でチェッカーを受けた。
3位は岡本が終始単独走行でポジションをキープ。
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その後方では中山と井口が最後まで激しいバトルを展開したが、こちらも順位に変動はなく、中山が4位、井口が5位でフィニッシュ。それに続いたのは久保で、小河と冨林を相次いでかわしてポジションを上げ6位入賞を果たした。
ブリヂストン装着勢が2~6位までを独占するかたちになった。

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●第1戦ブロフェッショナルシリーズ決勝レースで、2位となった#7堤優威のコメント
「スタートは菅波選手がすごくうまくいっていたようですね。僕は内圧の低さというか、後半に寄せちゃったので、そのあたりで差が出たのかと思います。
タイヤ的にはいい感じでした。昨年より戦えるなという感触で、暖かくなってきても良さそうなので、次戦が楽しみです。シリーズを考えたら、だいぶトップに近づいているので、ブリヂストン勢全体で頑張っていきたいと思います」

レース結果

コース:オートポリス

[Professional Series]

決勝

  • 開催日:2025/04/06
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:29
  • 完走:28
  • (4.674km x 10laps = 46.74km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 菅波 冬悟 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 10 21'34.011
2 7 堤 優威 BS Bridgestone CABANA BS GR86 10 21'34.313
3 293 岡本 大地 BS Bridgestone ネッツトヨタ南国 BS GR86 10 21'40.228
4 18 中山 雄一 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 10 21'41.948
5 88 井口 卓人 BS Bridgestone 東京スバル BS BRZ 10 21'42.391
6 87 久保 凜太郎 BS Bridgestone 千葉スバル BS BRZ 10 21'43.304
7 504 冨林 勇佑 DL Eハイドロゲン EXEDY・DL GR86 10 21'45.021
8 60 小河 諒 DL OTG DL GR86 10 21'45.269
9 98 元嶋 佑弥 DL 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 10 21'48.183
10 906 近藤 翼 DL RECARO DL BRZ 10 21'48.766
11 17 谷口 信輝 DL K-one 愛知トヨタ GR86 10 21'51.204
12 2 清水 英志郎 DL K-one 愛知トヨタ GR86 10 21'51.694
13 34 佐々木 雅弘 BS Bridgestone 小倉クラッチ BS OTG GR86 10 21'51.862
14 31 青木 孝行 DL ケーエムエス フェニックスGR86 10 21'52.308
15 123 松井 孝允 DL NETZ富山Racing GR86 10 21'52.916
16 199 小林 利徠斗 DL COROLLA MIE GR86 10 21'53.666
17 70 服部 尚貴 DL OTG DL GR86 10 21'54.298
18 160 吉田 宏樹 BS Bridgestone GR G 浦和美園 IDI BS GR86 10 21'54.737
19 550 宗藤 昌太朗 DL 名神タイヤGR86 10 21'55.413
20 97 高橋 知己 DL 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 10 21'56.105
21 186 佐藤 凌音 BS Bridgestone Star5 AVANTECH GR86 10 21'56.352
22 121 蒲生 尚弥 BS Bridgestone tomicaネッツ兵庫 BS GR86 10 21'57.222
23 909 小暮 卓史 DL RECARO DL BRZ 10 22'00.279
24 5 井上 尚志 BS Bridgestone レストアパーツBSまんさくGR86 10 22'03.308
25 90 翁長 実希 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 10 22'03.421
26 330 平良 響 BS Bridgestone OKINAWA GR86 10 22'09.069
27 76 森川 基雄 BS Bridgestone GR86 10 22'09.670
28 910 坂 裕之 DL MプランニングDLエンドレスGR86 10 22'10.116
- 11 CHUNG Adrian Kwok DL AlphaRex Racing GR86 4 DNF
[Professional Series]

予選

  • 開催日:2025/04/06
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:29
  • (4.674km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 7 堤 優威 BS Bridgestone CABANA BS GR86 2 2'05.919
2 1 菅波 冬悟 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 2 2'06.001
3 293 岡本 大地 BS Bridgestone ネッツトヨタ南国 BS GR86 2 2'06.002
4 18 中山 雄一 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 2 2'06.106
5 504 冨林 勇佑 DL Eハイドロゲン EXEDY・DL GR86 2 2'06.140
6 60 小河 諒 DL OTG DL GR86 2 2'06.199
7 88 井口 卓人 BS Bridgestone 東京スバル BS BRZ 2 2'06.246
8 121 蒲生 尚弥 BS Bridgestone tomicaネッツ兵庫 BS GR86 2 2'06.294
9 87 久保 凜太郎 BS Bridgestone 千葉スバル BS BRZ 2 2'06.420
10 123 松井 孝允 DL NETZ富山Racing GR86 2 2'06.462
11 906 近藤 翼 DL RECARO DL BRZ 2 2'06.465
12 31 青木 孝行 DL ケーエムエス フェニックスGR86 2 2'06.496
13 97 高橋 知己 DL 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 2 2'06.572
14 160 吉田 宏樹 BS Bridgestone GR G 浦和美園 IDI BS GR86 2 2'06.588
15 2 清水 英志郎 DL K-one 愛知トヨタ GR86 2 2'06.640
16 98 元嶋 佑弥 DL 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 2 2'06.652
17 17 谷口 信輝 DL K-one 愛知トヨタ GR86 2 2'06.663
18 34 佐々木 雅弘 BS Bridgestone 小倉クラッチ BS OTG GR86 2 2'06.669
19 550 宗藤 昌太朗 DL 名神タイヤGR86 2 2'06.847
20 90 翁長 実希 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 2 2'06.861
21 199 小林 利徠斗 DL COROLLA MIE GR86 2 2'06.888
22 70 服部 尚貴 DL OTG DL GR86 2 2'06.930
23 909 小暮 卓史 DL RECARO DL BRZ 2 2'06.954
24 330 平良 響 BS Bridgestone OKINAWA GR86 2 2'07.177
25 186 佐藤 凌音 BS Bridgestone Star5 AVANTECH GR86 2 2'07.313
26 5 井上 尚志 BS Bridgestone レストアパーツBSまんさくGR86 2 2'07.456
27 11 CHUNG Adrian Kwok DL AlphaRex Racing GR86 2 2'07.929
28 76 森川 基雄 BS Bridgestone GR86 2 2'08.056
29 910 坂 裕之 DL MプランニングDLエンドレスGR86 2 2'08.106