• 開催場所:ブガッティ サーキット
  • 開催日:2024年04月20日(土) 〜 2024年04月21日(日)
【2024 FIM 世界耐久ロードレース選手権 EWC】Rd.1 ルマン24時間 転倒とトラブルを乗り越えYOSHIMURA SERT Motulが優勝!
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2024年シーズンの世界耐久ロードレース選手権 EWCは例年通り、4月のルマン24時間耐久から開幕。
今シーズンは第2戦が行われるベルギー スパフランコルシャンが24時間から8時間のレースの変更。日本で開催される第3戦 鈴鹿8耐はパリオリンピック開催との日程を外し、例年より1週間早い開催。最後は南フランス ポールリカールで行われる、ボルドール24時間が最終戦となり、年間4戦で争われる。
今年もブリヂストンは3チームへタイヤを供給、サポートチームは昨年と変わらず、チャンピオンチームの#1 YART YAMAHA 、2017-18シーズンと一昨年のチャンピオンである#5 F.C.C. TSR HONDA France、2021にブリヂストンと共にチャンピオンを獲得した#12 YOSHIMURA SERT MOTUL と3年連続でEWCタイトルを獲得したサポートチームたちと共に、4年連続チャンピオン獲得を目指す。

チーム.jpg今年のルマンは天候の崩れはなさそうな予報だが、気温の変化が大きく、無風で晴れている昼間であれば20℃近くまで気温が上昇し温かい。しかし曇りで風がある状況下では一気に気温が下がり、特に深夜は気温が5℃以下まで下がる予報となっている。
レースウィークの始まりとなる4/16(火)にはルマン24時間に参戦するチーム向けに特別走行枠が設けられ、#1 YART YAMAHAが全体のトップタイムをマーク。#5 F.C.C. TSR HONDA Franceと#12 YOSHIMURA SERT MOTULも上位のタイムを記録しており、長くて過酷な24時間レースに向けての準備は整ったと言える。

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【予選】
公式スケジュールが開始となる4/18(木)は午前中に2時間のフリープラクティス、午後16時から各ライダー毎に20分間の予選1回目が開始。青腕章を付けた最初に走行するライダーは#1 YART YAMAHAがN.CANEPA、#5 F.C.C. TSR HONDA FranceはJ.HOOK、#12 YOSHIMURA SERT MOTULはG.BLACKの3名。1人目の予選からYART YAMAHAのN.CANEPAが予選のレコードとなる1'34.708をマーク。2人目となる黄腕章ライダーは、YART YAMAHAがM.FRITZ、F.C.C. TSR HONDA FranceがM.DI MEGLIO、YOSHIMURA SERT MOTULはE.MASSONが走行。このセッションでもYART YAMAHAのM.FRITZは1分34秒台に入れるが、コースリミットオーバーの為にタイムはキャンセル。それでも最後には1'35.139を出してトップ。3人目の赤腕章ライダーはYART YAMAHAがK.HANIKA、F.C.C. TSR HONDA FranceはA.TECHER、YOSHIMURA SERT MOTULはD.LINFOOTの3名が走行し、この組でもYART YAMAHAのK.HANIKAが1'35.028でトップ。F.C.C. TSR HONDA FranceのA.TECHERは2番手で予選が終了。緑腕章のリザーブライダーの組ではYOSHIMURA SERT MOTULから参戦する日本人ライダーの渥美心がトップタイムをマークし、存在感を示した。
予選1回目が終了した時点で、3人のライダーが各セッション首位となった#1 YART YAMAHAが暫定トップ。2番手に#333 HONDA VILTAÏS RACING (Ho,PI)、3番手は#5 F.C.C. TSR HONDA France。 YOSHIMURA SERT MOTULは5番手で1回目の予選を終了した。

2046809_Fim_Ewc_24h_Motos_2024_FCC TSR Honda France.JPG翌日4/19(金)の10:20から2回目の予選が開始。前日より気温が低めで少し強い風が吹く中、各ライダー達は前日のタイム更新し、スタートグリッドを少しでも前にするために走行。1人目、青腕章ライダーセッションではF.C.C. TSR HONDA FranceのJ.HOOKが前日のタイムを更新。2番手タイムを記録したYOSHIMURA SERT MOTULのG.BLACKも1秒以上のタイムを更新した。
続く2人目、黄腕章ライダーの予選2回目ではYOSHIMURA SERT MOTULのE.MASSONがトップタイムを記録。3人目となる赤腕章ライダーの2回目でもYOSHIMURA SERT MOTULのD.LINFOOTが1'35.259のトップタイム。2番手にF.C.C. TSR HONDA FranceのA.TECHERがつけた。
2日間で行われた2回の予選で各チーム速いタイムを記録した上位2名の平均タイムで予選順位が確定する。YART YAMAHAの3名が記録したタイムは誰も抜く事は出来なかった事で2024 ルマン24時間のポールポジション獲得が確定。2番手には予選2回目で大幅にタイムを更新したYOSHIMURA SERT MOTUL。3番手にF.C.C. TSR HONDA Franceとなり、ブリヂストンサポートチームのグリッド上位独占を獲得した。


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【決勝レース】
決勝スタートとなる4/20(土)は少し雲が多いものの、天候の崩れは無い予報。気温15度、路面温度32℃のコンディションの中、15:00にフランス国旗が振られて長い24時間のレースがスタート。
ホールショットを獲ったのは2番手スタートの#12 YOSHIMURA SERT MOTUL。2位に#5 F.C.C. TSR HONDA France (Ho,BS)の順で序盤のレースを引っ張る。ポールスタートの#1 YART YAMAHAはスタート直後は3~4番手となったが、序盤に2位まで浮上。BS勢3台がトップ3を占めレースを引っ張ると思われたが、スタートから約10分経過の6周目最終コーナーでF.C.C. TSRのJ.HOOKが転倒!マシンを起こしてすぐにレースに復帰。順位は少し落としてしまったが、ピットには戻らず、そのまま走行を継続する。
スタートから50分を過ぎた頃からピットインを行うライダーが増えてきた。BS勢で最初にピットインしたのはトップを争う#1 YART YAMAHA。その2周後には#12 YOSHIMURA SERT MOTULがピットインを行う。この2台は抜きつ抜かれつの接戦を展開。序盤の転倒で順位を落としていた#5 F.C.C. TSR HONDA Franceだが、今度はバックストレートから続くT9進入で転倒。マシンは大きなダメージを受け、ピットでの修復作業に時間が掛かり、大きく順位を落としてしまう。

JG9_8067.jpg2時間が過ぎてトップ争いはYART YAMAHAがジリジリとYOSHIMURA SERTを引き離し始める。まもなく3時間が経過しようとする頃、今度はYOSHIMURA SERT MOTULが最終コーナー手前で転倒を喫する。すぐにピットロードに入り、マシンをピットボックスに入れ修復を開始。約6分後にコースに復帰するも、9番手まで順位を落としてしまった。
これでトップ争いはYART YAMAHA、2位は#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM (BMW,DL)、3位に#99 KM99 (Ya,DL)となっているが、5時間経過前にKM99が最終コーナーで転倒。これにより今度は#11 KAWASAKI WEBIKE TRICKSTAR (Ka,PI)が3位に浮上する。
21時を過ぎる頃から辺りは暗くなり、夜間での走行時間帯に突入する。トップ争いの間隔は徐々に開き始め、#1 YART YAMAHAの独走態勢が固まりつつある。

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夜間の走行に入ると気温と路面温度は一気に下がり、深夜の時間帯ではどちらも5℃以下になるほど冷えてきており、夜中2時頃からはこの寒さの影響で転倒者が出始めた。
また転倒により順位を落としたものの、徐々に挽回してきた#12 YOSHIMURA SERT MOTULは何かトラブルが発生したのか、一度マシンをピットに入れて修復を行うシーンも見られたが、順位に変動はない。
朝6時を回り徐々に辺りが明るくなり始めた頃、トップを走行していた#1 YART YAMAHAがまさかの転倒を喫する。ピットロード入り口に近い場所であったため、すぐにピットボックスに戻り修復を開始するが、約15分程の時間が掛かってしまい、トップの座から脱落。変わって#37 BMWがトップに立つが、ピットイン時にパーツ交換作業が入り、少し長いロスタイムが発生。これにより、3位まで順位を上げていた#12 YOSHIMURA SERTがトップに返り咲く事に成功。約1周の差を保ったままのトップ争いとなる。

1006807.jpgトップから5周遅れの4位まで順位を落としたYART YAMAHAは、周りより明らかに速いペースで周回を重ね、残り5時間辺りで3位までポジションを回復するが、その前は5周の差があり、自力でのポジション回復は困難な状況。
レースも終盤に入り、ゴールまで1時間30分となった頃、転倒で順位を大きく落としながらも10位まで挽回していた#5 F.C.C. TSR HONDA Franceがコースサイドで止まっている映像が映し出された。走行中にパーツの破損により致命的なダメージを受けてしまい、修復不可能と判断され、775周を周回したこの時点で残念ながらリタイヤとなってしまう。
トップの#12 YOSHIMURA SERT Motulは徐々に少なくなる残り時間、慎重に走行を重ね、2位を走行する#37 BMWを最後まで寄せ付けず857Lapsを周回し、長く過酷なルマン24時間耐久をトップでゴール。YOSHIMURA SERT Motulとしてブリヂストンと共に参戦が始まった2021年から3度目、2年ぶりの優勝を獲得した。
独走状態からまさかの転倒、最後まで激しく追い上げた#1 YART YAMAHAは3位でチェッカーを受け、ブリヂストンサポートチームが1-3位と表彰台の2席獲得した。

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◆加藤陽平 - Yoshimura SERT Motul チームディレクター
レースを終えてみると参加48台の内20台がリタイヤになるという、いつも以上に厳しいルマン24時間でした。特に夜間から朝方の冷えた路面はどのチームにとっても難しいコンディションになり転倒するチームも多かったのですが、序盤にトラブルで遅れを取った我々はここでもしっかりと攻めて、タイムを出し続けてたことで勝利に繋がりました。
ブリヂストンタイヤの性能を信じてライダーたちが100%力を発揮してくれた事で、チームがタイヤのパフォーマンスの高さをしっかり証明できたと思います。
まずは開幕戦の勝利の喜びをサポートしてくださった皆さんと分かち合い、次戦以降もしっかり戦い、チャンピオンタイトルを勝ち取るために全力を尽くしていきます。

レース結果

コース:ブガッティ サーキット

決勝

  • 開催日:2024/04/21
  • 決勝出走:48
  • 完走:27
  • (4.851km x 857laps = 4157.307km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 12 G.ブラック /E.マッソン/D. リンフッド BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000 スズキ 857 23 1:36.213 24:00:21.946
2 37 I. ミハルヒク /S.ギュントーリ/M.レイターバーガー DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM M1000RR BMW 856 1 138 1:35.904 24:01:35.942
3 1 N.カネパ /M.フリッツ/K.ハニカ BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 852 5 628 1:35.791 24:01:16.511
4 11 G.ルブラン /C. ガマリノ/R. ラモス アルバロ PI Kawasaki Webike Trickstar ZX-10R カワサキ 844 13 723 1:36.882 24:01:36.474
5 55 S.スチェット /V. スチェット/G. レイモンド DL NATIONAL MOTOS HONDA CBR1000R ホンダ 840 17 156 1:38.220 24:01:06.436
6 4 H.クレア /R. クルメナッハ/C.ペロラリ PI TATI TEAM BERINGER RACING CBR1000RR-R ホンダ 839 18 4 1:37.350 24:00:31.440
7 8 N. トーニ /P. N. ロメロ バルボサ/A. トレド ロメロ PI Team Bolliger Switzerland #8 ZX-10R カワサキ 837 20 165 1:38.094 24:02:02.226
8 24 J. ピロ /J. ハルド/L. クレソン PI BMRT 3D MAXXESS NEVERS ZX-10R カワサキ 836 21 10 1:38.458 24:00:48.219
9 41 C.リーシュ /W. テッセル/J. ラフィン/M. レノーディン DL CHROMEBURNER RAC41 HONDA CBR1000RR-RSP ホンダ 835 22 191 1:38.303 24:01:29.889
10 65 D.ヴィンコン /D. ルービン/M. フェッツ PI Motobox Kremer Racing YZF-R1 ヤマハ 825 32 184 1:39.120 24:01:36.837
11 36 D. ヴィエッティ ラムス /C.ケマー/綿貫 舞空 DL 3ART BEST OF BIKE YZF-R1 ヤマハ 812 45 21 1:39.757 24:01:06.154
12 72 G. カーボネル /D. ダーレ/V. フェレ/D.ミッレ DL Junior Team LMS Suzuki GSX-R1000R スズキ 811 46 128 1:39.491 24:00:43.240
13 99 J. グアノニ /F. マリノ/R. ド プニエ DL KM99 YZF-R1 ヤマハ 796 61 134 1:36.184 24:00:42.044
14 83 F. ペロン /M. チャシュア/A, アゴーグ/M. デレストレ DL TCP RACING YZF-R1 ヤマハ 796 61 138 1:39.964 24:04:10.767
15 135 S. コルメライス /J. ゴース/C. ヴァレ/L. フォンテーヌ DL CAM RACING TEAM CBR1000RR-RSP ホンダ 794 63 94 1:40.798 24:01:29.390
16 27 T. ワード /T. オリバー/M. ダンロップ/B. ラクストン DL TRT27 AZ MOTO CBR1000RR-RSP ホンダ 790 67 16 1:38.372 24:00:59.120
17 45 G. ポンス /M. シュミット/L. リッツア PI METISS JBB JBB MS22-JBB Metiss 789 68 676 1:38.858 24:01:36.964
18 34 C. コルトー /B. ランブレヒト/M. メルケルバーグ/J. レノーチ DL JMA RACING ACTION BIKE GSX-R1000 スズキ 788 69 601 1:39.351 24:02:04.695
19 77 B. コバックス /K. クルゼミエン/J. クシミェチェク PI Wójcik Racing Team EWC 77 CBR1000RR-RSP ホンダ 787 70 146 1:38.514 24:01:27.405
20 18 E. デ ラ ベガ /B. ギテット/M. ペリゾッティ/L. カウチ DL TEAM 18 SAPEURS POMPIERS CMS MOTOSTORE YZF-R1 ヤマハ 784 73 94 1:38.195 24:00:48.220

予選

  • 開催日:2024/04/19
  • 決勝出走:48
  • (4.185km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 N.カネパ /M.フリッツ/K.ハニカ/R.ムルハウサー BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 01:34.868
2 12 G.ブラック /E.マッソン/D. リンフッド/渥美 心 BS Bridgestone YOSHIMURA SERT MOTUL GSX-R1000 スズキ 01:35.178
3 5 J. フック /M.D.メリオ/A.ティシェ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR-R ホンダ 01:35.223
4 333 F.アルト /S. オデンダー/L. メルカド/J.ウェストモーランド PI HONDA VILTAÏS RACING CBR1000RR-R ホンダ 01:35.354
5 37 I. ミハルヒク /S.ギュントーリ/M.レイターバーガー/H. スーマー DL BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM M1000RR BMW 01:35.398
6 11 G.ルブラン /C. ガマリノ/R. ラモス アルバロ/A. ルイショー PI Kawasaki Webike Trickstar ZX-10R カワサキ 01:35.887
7 4 H.クレア /R. クルメナッハ/C.ペロラリ PI TATI TEAM BERINGER RACING CBR1000RR-R ホンダ 01:36.025
8 99 J. グアノニ /F. マリノ/R. ド プニエ DL KM99 YZF-R1 ヤマハ 01:36.087
9 55 S.スチェット /V. スチェット DL NATIONAL MOTOS HONDA CBR1000R ホンダ 01:37.178
10 8 N. トーニ /P. N. ロメロ バルボサ/A. トレド ロメロ PI Team Bolliger Switzerland #8 ZX-10R カワサキ 01:37.216