【2024年全日本ロードレース選手権 第3戦 SUGO JSB1000】中須賀克行と岡本裕生が1勝ずつ分け合う

　全日本RR第３戦の舞台はスポーツランドSUGO。事前テストから岡本裕生（ブリヂストン）の好調さが目立っていた。
　レースウイーク金曜日の特別走行でも岡本が絶好調。中須賀克行（ブリヂストン）を0.464秒引き離し、非公式ながらコースレコードを上回る。

　青空にぽっかりと白い雲が浮かぶ気持ちのいい予選日は、少し強めの風が吹いていた。朝一番に組まれたJSB1000クラス予選はセッション開始10分で最初のタイムアタック合戦が展開される。次々にタイムを更新したのは中須賀、岡本、水野涼（ブリヂストン）、野左根航汰（ブリヂストン）。真っ先に1分25秒台にタイムを入れたのは中須賀。直後に野左根が逆転、翌週に岡本が二人を上回る。
　残り5分で再びアタック合戦が開始。まずは岡本が1分25秒360と自身のタイムを詰めてコースレコード更新。中須賀もタイム更新するも1分25秒858と岡本に届かない。そして最後に水野が1分25秒857と、1回目のアタックでは届かなかった1分25秒台をマークして2番手浮上。しかし岡本がマークした1分25秒前半のタイムに近づける者はおらず、岡本の圧勝で予選セッションが終了した。

　決勝レース1。好スタートを切ったのは野左根。岡本が順位を入れ替えながらのトップ争いを挑む。この2台に水野、中須賀と続く。2周目突入のストレートでは野左根、岡本、水野が横一線に並ぶ激戦。野左根が首位を守りきる。
　3周目に水野が岡本を捕らえて2番手浮上。野左根、水野、岡本、中須賀の順に入れ替わる。中須賀がペースの上がらない岡本を捕らえて3番手に浮上。前の2台を追う。水野はシケイン立ち上がりからのメインストレートで野左根を抜き去りトップに浮上。野左根、中須賀、岡本がぴったりと背後につける。
　6周目。息を吹き返した岡本が中須賀の前に出て野左根とサイドbyサイドの2位争いを展開。7周目には水野、岡本、野左根、中須賀の順に入れ替わる。水野と岡本はトップ争いを開始。中須賀はペースが上がらなくなった野左根をかわして単身、前の2台を追う。

　9周目に岡本が首位浮上。11周目には水野が首位奪回。その間に中須賀が2台に追いつき3台が団子状態に。水野と岡本は何度も順位を入れ替える激しいトップ争いを展開。そこに中須賀も加わり、そこここで順位が入れ替わる。
　残り7周。中須賀がトップ浮上。あっという間に水野、岡本を引き離し始める。岡本、水野は2位争いに移行。この争いにけりをつけた岡本は、水野を引き離しながら中須賀との差を詰める。
　残り4周。岡本が中須賀の背後にぴたりとつけた。岡本は全力で中須賀のすきをつく。しかしラスト2周。岡本のブレーキングミスで中須賀との差が開く。岡本はこのミスを挽回できないまま、中須賀が連勝を飾った。

●中須賀克行（予選3位／決勝1位）

「事前テストから岡本選手が非常に速くて、アベレージも高くて手がつけられない状況でした。自分のペースに持ち込んでブロックラインを通りながら優勝できましたが、自分のアベレージを上げないと勝負になりません。明日は自分のできることを最大限発揮できるように備えたいです」

　レース1に引き続き22周のレース。ホールショットを奪ったのは岡本。オープニングラップでトップに浮上したのは水野。2周目突入のストレートで岡本が首位奪回。その間に野左根に次いで4番手につけていた中須賀が3番手浮上。前2台を射程圏内にとどめる。

　岡本、水野、中須賀の3台でのバトルが始まった。その後方で4位争いを開始したのは野左根と高橋巧（ブリヂストン）、長島哲太（DL）。7周を終了しようとするころ、中須賀が集団から少し離され始めた。後方の4位争い集団からは長島が遅れ出して7位争い集団に飲み込まれる。
　レースを折り返した12周終了時点で中須賀が完全にトップ争いから引き離されて単独3番手走行を開始。続いて水野もじりじりと離される。ラスト5周は岡本の一人旅。岡本はそのまま今季初優勝を飾った。
　また、4位争いは野左根が制した。

●岡本裕生（予選1位／決勝1位）

「事前テストからずっと決勝に向けてロングランしてきました。今日は非常に暑くて、路面には他社のラバーが乗って厳しいコンディションになりました。でも今日はしっかりタイヤチョイスができたので、路面に合ったタイヤで最後までしっかりとレースアベレージをキープしてレース運びができました」