史上に残る名勝負。吉田恭将と南澤拓実の両雄に拍手喝采!
- 開催場所:オートポリス
- 開催日:2024年12月08日(日) 〜 2024年12月08日(日)
大分県のオートポリスでは12月8日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの今季最終となる第8戦が開催。総合優勝を争ったのは最前列からスタートした南澤拓実と吉田恭将で、これぞ“抜きつ抜かれつ”というバトルを最後まで熱演。最後に笑ったのは吉田だが、どちらにも「アッパレ」を贈りたいと思う。なおチャンピオンには抜群の安定感を発揮した加藤達彦が輝いた。
2024年のパーティレースもいよいよ最後の戦いの日を九州の地で迎えた。
本大会は「MAZDA FAN CIRCUIT CHALLENGE DAY 2024」というイベントの中で行われた。
エントリーはNDシリーズに12台、NDクラブマンに4台の計16台。
7時55分から始まったブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの藤井雅裕さんが登壇。
「厳しい寒さの中ですが、サーキットで走ることを楽しんでください」と激励された。
●予選
ここオートポリスは阿蘇山エリアの一角に位置し、12月ともなれば降雪も珍しくない。
この日の朝も太陽が顔を出したものの、コース上には前夜の雪によるウエットパッチがかなり残っていた。
9時の段階での気象条件は気温0℃・湿度86%・路面温度7℃。
9時10分から20分間の公式予選が始まったが、ドライとウエットが点在する難しい状況の中、約半数のドライバーがオープンと同時にコースインする一方、回復を期待してピットにとどまるマシンも少なからずいた。
コンディションの回復とともに各車が続々とタイムアップするため、セッション中盤までラップモニターの最上段に立つ選手が目まぐるしく変わった。
まずは105号車の南澤拓実が2分24秒871で目安を示したが、その後にコースインした選手たちが続々と塗り替えていく。
ランキング首位の35号車・加藤達彦が2分24秒171を記録すると、63号車の吉田恭将が2分23秒872で24秒の壁を最初に破って暫定トップに。
唯一、逆転チャンピオンの可能性を残すランキング2位の117号車・石谷豪志が2分24秒127で加藤を上回るが、吉田のタイムには届かない。
それどころか、加藤は2分23秒986までタイムを削ってきた。
さらに最終アタックで上位陣の明暗が別れた。チェッカーフラッグと同時に南澤が2分22秒001でコースレコードを更新。
そして吉田も2分22秒305まで削って2番手の座は確保した。そして33号車の惠木勇哉が2分23秒532、108号車の米川直宏が2分23秒607で2列目のグリッドにジャンプアップ。
以下、186号車の勝木崇文が2分23秒611で5番手。
そして加藤が上位陣では唯一、最終アタックの前に記録したタイムで6番グリッドに甘んじたが、タイトルを争う石谷が予選7位となったため、かなり余裕を持って臨めることになった。
●決勝
決勝レースは、ほぼスケジュール通りの12時30分にスタートが切られた。
予選の時は濡れていた路面も完全に乾いて、スタート時のコンディションは気温4℃・湿度43%・路面温度9.4℃。
全車が綺麗なローリングスタートを決めると、まずは1コーナーで5番手スタートの勝木が直前の米川に仕掛けた。
一方の米川も4コーナーまでのサイドbyサイドは耐え切ったが、第2ヘアピンで勝木にインに飛び込まれて4番手への浮上を許す展開になった。
2周目に入ると、2番手を走行していた吉田がトップを走る南澤を1コーナーでオーバーテイク。
その後もテールtoノーズのバトルが続き、3周目の1コーナーでは再び南澤が先頭に立った。
また首位争いの後方では3位から9位までの7台が超接近。各コーナーでバトルが発生して、目まぐるしく順位が変わる。
3番手以下で激しいバトルがあったために、4周目にはトップ2台が後続に約5秒の差を付けて一騎打ちの様相に。
また3番グリッドからスタートした惠木は一時順位を落とすが、ポジションを取り返すとペースを上げて集団から抜け出すことに成功。
そこから少し離れての4位争いでは、チャンピオンを争う加藤と石谷の約0.3秒差の緊迫したバトルが延々と続いた。
ただし石谷の逆転には“優勝が最低条件”のため、奇跡が起こる可能性は限りなく低くなった。
10周の決勝レースが残り3ラップとなったあたりで、トップ争いが再び動き始めた。
ファイナルラップ直前の最終コーナーを鋭く立ち上がった吉田が、南澤のスリップも味方につけて1コーナーでアウト側から横並びに。
サイドbyサイドのままここを脱出したが、3コーナーまでに前に出たのは吉田だった。
南澤も諦めずにロックオン状態のままで追走するが、吉田もミスなく走り切り、そのまま先頭でチェッカーを受けた。
以下、2位は南澤、3位は惠木という表彰台になった。
そして4位に加藤、5位に石谷、6位の勝木までが入賞だ。
ちなみに4位から6位の3選手が前戦の岡山では表彰台に立っていたことを考えると、最終戦のシリーズクラスのレベルの高さを痛感する。
吉田は第3戦もてぎに続く今季2勝目だが、23年に及ぶパーティレース史上でも屈指の名勝負を制して歴史に名を刻んだ。
惜しくも今季4勝目を逃した南澤も2021年の年間王者の底力を存分に発揮。もうひとりの主役として、健闘を讃えたいと思う。
激しいバトルの末に優勝を勝ち取った吉田選手コメント
「マジで前日まで絶不調でしたが、濡れていた予選でスイッチが入った感じです。決勝も序盤の首位争いで逃げ切りは厳しいと感じたため、無駄なバトルは避けて、南澤さんと後続を引き離せていけるように切り替えました。ただ、いざ勝負と思っても抜きどころがなく難しかったですが、ファイナルラップの1コーナーで先頭に立てたので、そのあとは後ろを抑えることに集中しました」
なお最終戦の結果、2024年のロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズのチャンピオンは、35号車「CABANA RTロードスター」で参戦した加藤達彦の頭上に輝いた。
昨年はeスポーツ出身者による「バーチャルからリアルへの道」プロジェクトの一員としてマツ耐で腕を磨きつつ、パーティレースへも参戦を開始し、2年目での快挙達成だ。
実は今シーズンは未勝利なのだが、全8戦に出場して2位が3回、3位が2回、4位が3回という安定した戦いぶりは賞賛に値する。
有効ポイント100点の加藤に続くシリーズ2位は石谷で92点、3位の吉田と4位の南澤が82点で、今季優勝を果たしたのはこの2位から4位までの3選手のみ。
以下、シリーズ5位は77点の勝木、同じく6位は74点を獲得した54号車の三宅陽大となっている。
シリーズチャンピオンに輝いた加藤選手コメント
「バーチャルからリアルへ挑戦していく中で、とても恵まれた体制で参戦できたことはチャンスでもあり、プレッシャーでもありました。思い通りにいかないこともありましたが、毎戦着実にポイントを重ねていけたのと、最終戦も最後までライバルを抑えきってレースを終えられたことで成長を示せたと思います。サポートしてくださった皆さんに感謝しています」
タイヤについて
「昨年から使用していますが、タイヤの基本的な使い方を学ぶのに最適ですね。毎戦毎戦どのように使っていけばいいのかを考えさせられて、自分の成長に繋がりました。普段の街乗りでも問題なく、サーキット初心者には本当にオススメのタイヤだと思います」
MAZDA MOTOR SPORTS
https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/
MAZDA ROADSTER NR-A
https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/grade/nr-a/
MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
https://www.party-race.com/
BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re004/
決勝
- 開催日:2024/12/08
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:12
- 完走:12
- (4.674km x 51laps = 238.374km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 63 | 吉田 恭将 | BS | YOSHIZOMmロードスター | 10 | 23'42.488 | ||||||
2 | 105 | 南澤 拓実 | BS | SPK・TCRロードスター | 10 | 23'42.687 | ||||||
3 | 33 | 惠木 勇哉 | BS | プロフィエラビスタロードスター | 10 | 23'44.529 | ||||||
4 | 35 | 加藤 達彦 | BS | CABANA RTロードスター | 10 | 23'46.378 | ||||||
5 | 117 | 石谷 豪志 | BS | ダイバパワーラブカロードスター | 10 | 23'46.526 | ||||||
6 | 186 | 勝木 崇文 | BS | RSイシイFEEDロードスター | 10 | 23'47.148 | ||||||
7 | 54 | 三宅 陽大 | BS | TC CORSE ロードスター | 10 | 23'47.393 | ||||||
8 | 88 | 本多 永一 | BS | LEG Eds ロードスター | 10 | 23'48.975 | ||||||
9 | 108 | 米川 直宏 | BS | 村上モータース絆ロードスター | 10 | 23'49.648 | ||||||
10 | 16 | 上田 純司 | BS | 上伸物流 ロードスター | 10 | 23'52.783 | ||||||
11 | 239 | 今村 俊之 | BS | グローバルSECCロードスター | 10 | 23'59.235 | ||||||
12 | 112 | 本山 賢一郎 | BS | 九州美包ロードスター メッカ | 10 | 24'03.000 |