- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2021年10月23日(土) 〜 2021年10月24日(日)
第5戦近畿大会が中止されたことから、今季の全日本モトクロス選手権は全6戦のシリーズに。その5戦目となる第7戦が、第59回MFJ-GPモトクロス大会として宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
かつて実際に世界選手権が開催されたこともあるインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるように設けられ、アップ&ダウンが豊富なレイアウトを特徴とする。コースは、以前と比べてタイトターンが多めとなった今季第4戦使用時から基本構成を踏襲しつつ、細部のセッティングが変更された。
各クラスの予選などが実施された土曜日は朝から強めの雨が降り、その後は晴れと曇りと雨が目まぐるしくチェンジ。IA2やIA1の予選時には再び雨が強まったが、それでも路面コンディションが大きく崩れるほどではなかった。日曜日の天候は晴れ時々曇りで、最高気温は18℃。粘土質の路面は前日よりも柔らかく整備され、適切な散水作業などでベストな状態が保たれたが、その結果として深いワダチが多く発生し、この攻略も上位進出のカギとなった。
IA2クラスは、シーズン前半に5ヒート連続優勝を果たす圧倒的な強さを誇ってきた#4内田篤基(Kawasaki,BS)が、3ヒート制だった前戦の決勝ヒート1で転倒して負傷。内田は今大会に出場できず、シリーズタイトル獲得は絶望的な状況となった。なお今大会は再び2ヒート制に戻され、30分+1周で競われた。
■決勝ヒート1
#35鳥谷部晃太(Yamaha,BS)がホールショット。これにランキング2番手の#2大城魁之輔(Honda,BS)が続いたが、大城は2~3コーナーでのバトルで5番手まで順位を下げた。1周目、鳥谷部はスポット参戦したジェイ・ウィルソン(Yamaha,DL)に先行され2番手。すぐに4秒ほど離された。鳥谷部の後ろには大倉由揮(Yamaha,DL)や大城らが縦に長く続いた状態。序盤の6周を終え、トップのウィリアムズから4番手の大城までが、それぞれ3~4秒の間隔となった。
レース中盤、鳥谷部はウィリアムズに6秒ほど引き離されたものの、後続との距離は保って2番手をキープ。一方、4番手の大城は大倉との距離を詰めることができず、しかも10周目にはミスにより3秒ほどラップタイムを落とし、前に離されてしまった。レース終盤、鳥谷部に大倉が接近して2番手争い。しかしここは鳥谷部が僅差で抑え、今季2度目の2位となった。レース後、大倉のマシンが音量規定違反で失格に。これで順位がひとつ繰り上がり、大城が3位となった。
■決勝ヒート2
#35鳥谷部晃太(Yamaha,BS)は1周目を4番手、#2大城魁之輔(Honda,BS)は6番手でクリア。さらに、前戦に続いてスポット参戦した#51平田優(Yamaha,BS)が7番手で続いた。序盤の3周は上位勢も様子見状態。しかし4周目からペースが上がりはじめると、4番手の鳥谷部はトップ3から遅れ始めた。大城と平田は、3周目に鈴村英喜(Honda,DL)をパス。4周目には、平田が大城を抜いた。5周目、平田が鳥谷部の攻略に成功して4番手。この段階で3番手の西條悠人(Kawasaki,DL)は約5秒先行していた。
その後、鳥谷部と大城は単独走行に。平田は西條を追ったが、レース終盤まで約5秒のギャップはほとんど変わらなかった。しかし11周目あたりから平田のペースが上がり、14周目には完全に追いついた。そしてそこからラスト2周は、平田と西條がドッグファイト。何度も順位を入れ替えた。しかし最後は西條に逃げられ、平田は惜しくも4位となった。鳥谷部は平田から大きく遅れて5位、大城は6位。ポイントランキングでは、大城が#4内田篤基(Kawasaki,BS)と31点差のトップに立った。
●鳥谷部晃太(決勝ヒート1/2位、ヒート2/5位)
「昨年、オーストラリアで10ヵ月ほどトレーニングさせてもらったのですが、そのときに拠点だったのが、今回スポット参戦したジェイ・ウィルソン選手が所属するチームでした。そのため、ジェイさんは完全な練習パートナー。週4日くらいは一緒でした。ヒート1は、ジェイさんがトップで自分が2番手でしたが、まだまだ余力を残した状態に思えました。ただ、そのおかげでライン取りなどを近くで確認でき、それをうまく吸収することで2位になれました。ヒート2は、スタートこそ悪くなかったのですが、そこから自分のペースを掴めず、平田優選手に離されてからは荒れた路面に対応できませんでした。完全に自分の力不足です。土曜日はカタい路面に雨が降り、日曜日は柔らかめに整備された路面でしたが、タイヤは前後ともX20を履き続けました。さまざまな路面への対応力が非常に高く、レース後半でのライフもいいので、とにかく信頼しています。今回、スタート直後のストレートがかなりボコボコに掘られた状態でしたが、ここで両ヒートとも前のほうに出られたのは、このような路面でトラクション性に優れるX20のおかげも大きいと思います」
決勝
- 開催日:2021/10/24
- 決勝出走:30
- 完走:27
- (1.6km x 16laps = 25.6km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 106 | J. ウイルソン | YAMALUBE YAMAHA RACING AUSTRALIA | YZ250F | ヤマハ | 16 | 7 | 2:05.50 | 33:55.44 | |||
2 | 35 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エム FACTORY | YZ250F | ヤマハ | 16 | 5 | 2:06.07 | 34:01.99 | ||
3 | 2 | 大城 魁之輔 | BS | Honda Dream Racing Bells | CRF250R | ホンダ | 16 | 5 | 2:06.28 | 34:12.05 | ||
4 | 9 | 池田 凌 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 16 | 15 | 2:05.91 | 34:16.64 | ||
5 | 5 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 16 | 9 | 2:06.45 | 34:22.85 | ||
6 | 48 | 田中 雅己 | DL | Team Kawasaki R&D | KX250F | カワサキ | 16 | 7 | 2:07.95 | 34:44.92 | ||
7 | 22 | 森 優介 | BS | Team ITOMO | CRF250R | ホンダ | 16 | 10 | 2:08.86 | 34:49.06 | ||
8 | 17 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 16 | 5 | 2:08.09 | 34:50.54 | ||
9 | 14 | 佐々木 麗 | MI | bLU cRU Y's racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 16 | 11 | 2:08.23 | 34:59.21 | ||
10 | 3 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ250F | ヤマハ | 16 | 6 | 2:08.82 | 35:09.49 | ||
11 | 7 | 川上 龍司 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ250F | ヤマハ | 16 | 4 | 2:08.72 | 35:10.55 | ||
12 | 01 | 福村 鎌 | BS | 98%レーシング | RM-Z250 | スズキ | 16 | 12 | 2:08.24 | 35:12.15 | ||
13 | 15 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER ホンダ学園 | CRF250R | ホンダ | 16 | 3 | 2:08.95 | 35:13.61 | ||
14 | 02 | 米田 海斗 | DL | bLU cRU YSP浜松/BOSS RACING | YZ250F | ヤマハ | 16 | 3 | 2:09.57 | 35:40.54 | ||
15 | 32 | 佐野 雄太 | DL | ジュニアライダース | KX250 | カワサキ | 16 | 6 | 2:10.25 | 35:42.10 | ||
16 | 38 | 近藤 雄紀 | BS | Team SBE | RM-Z250 | スズキ | 16 | 13 | 2:11.79 | 35:46.95 | ||
17 | 21 | 神田橋 瞭 | DL | Team 輪生館 | KX250 | カワサキ | 16 | 5 | 2:10.97 | 35:49.62 | ||
18 | 42 | 高師 永潤 | KX250 | カワサキ | 16 | 11 | 2:11.52 | 35:52.51 | ||||
19 | 20 | 土屋 元希 | BS | 京都ボブキャット | KX250 | カワサキ | 16 | 5 | 2:10.51 | 35:54.93 | ||
20 | 33 | 那須 伊雪 | BS | ★MOTION RACING★ | YZ250F | ヤマハ | 15 | 1 | 4 | 2:12.98 | 34:00.01 |
決勝
- 開催日:2021/10/24
- 決勝出走:30
- 完走:30
- (1.6km x 16laps = 25.6km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 106 | J. ウイルソン | YAMALUBE YAMAHA RACING AUSTRALIA | YZ250F | ヤマハ | 16 | 5 | 2:05.47 | 34:06.15 | |||
2 | 6 | 大倉 由揮 | DL | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ250F | ヤマハ | 16 | 6 | 2:06.55 | 34:09.20 | ||
3 | 5 | 西條 悠人 | DL | ピュアテックレーシング | KX250 | カワサキ | 16 | 7 | 2:06.89 | 34:10.24 | ||
4 | 51 | 平田 優 | BS | 善光会&NCXXレーシング with Pitin | YZ250F | ヤマハ | 16 | 8 | 2:06.56 | 34:14.92 | ||
5 | 35 | 鳥谷部 晃太 | BS | bLU cRU TEAM エム FACTORY | YZ250F | ヤマハ | 16 | 7 | 2:08.18 | 34:40.98 | ||
6 | 2 | 大城 魁之輔 | BS | Honda Dream Racing Bells | CRF250R | ホンダ | 16 | 3 | 2:07.65 | 34:46.02 | ||
7 | 9 | 池田 凌 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 16 | 9 | 2:08.81 | 34:49.58 | ||
8 | 10 | 中島 漱也 | DL | YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹 | YZ250F | ヤマハ | 16 | 8 | 2:08.58 | 34:50.64 | ||
9 | 48 | 田中 雅己 | DL | Team Kawasaki R&D | KX250F | カワサキ | 16 | 9 | 2:08.70 | 34:54.85 | ||
10 | 15 | 鈴村 英喜 | DL | TEAM HAMMER ホンダ学園 | CRF250R | ホンダ | 16 | 9 | 2:09.51 | 35:06.97 | ||
11 | 17 | 鴨田 翔 | DL | BLITZ | KX250 | カワサキ | 16 | 7 | 2:08.60 | 35:14.47 | ||
12 | 7 | 川上 龍司 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ250F | ヤマハ | 16 | 11 | 2:10.38 | 35:20.16 | ||
13 | 14 | 佐々木 麗 | MI | bLU cRU Y's racing with 東北トラス | YZ250F | ヤマハ | 16 | 5 | 2:10.51 | 35:26.91 | ||
14 | 21 | 神田橋 瞭 | DL | Team 輪生館 | KX250 | カワサキ | 16 | 6 | 2:10.88 | 35:29.32 | ||
15 | 3 | 浅井 亮太 | DL | bLU cRU フライングドルフィン サイセイ | YZ250F | ヤマハ | 16 | 10 | 2:09.97 | 35:31.47 | ||
16 | 22 | 森 優介 | BS | Team ITOMO | CRF250R | ホンダ | 16 | 8 | 2:11.16 | 35:47.27 | ||
17 | 20 | 土屋 元希 | BS | 京都ボブキャット | KX250 | カワサキ | 16 | 3 | 2:10.75 | 36:11.18 | ||
18 | 42 | 高師 永潤 | KX250 | カワサキ | 16 | 5 | 2:10.31 | 36:12.20 | ||||
19 | 32 | 佐野 雄太 | DL | ジュニアライダース | KX250 | カワサキ | 16 | 5 | 2:11.87 | 36:22.02 | ||
20 | 03 | 阿久根 芳仁 | BS | マウンテンライダース | KX250 | カワサキ | 15 | 1 | 6 | 2:14.71 | 34:27.00 |