- 開催場所:HSR九州
- 開催日:2022年04月09日(土) 〜 2022年04月10日(日)
今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、4ヵ所のコースで全7戦が予定されている。レディースクラスは1大会1レースを基本とするが、第4戦近畿大会のみ2ヒートとなるため、年間8戦でランキングを決定。レース時間は、2ヒートでも15+1周のままとなる。
開幕戦の舞台は、今年も熊本県のHSR九州。ホンダの熊本製作所に隣接した複合モータースポーツ&研修施設の一角にあるこのモトクロスコースは、阿蘇の外輪山を望むフラットな土地に設けられていて、広いコース幅と超ハイスピードレイアウトを特徴とする。
本来の土質は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、今大会の前に大量の山砂を搬入しながら入念な整備が加えられ、セクションによっては粗目の砂がかなり敷き詰められた状態。一方で、固く締まった黒土の路面が露出したり、黒土に深めのワダチが刻まれるセクションが出現したり、黒土と山砂がミックスされた区間があるなど、攻略が難しい路面状況となった。
天候は土日とも晴天に恵まれ、日曜日の最高気温は25℃まで上昇。日差しも強く、初夏を思わせるような陽気となった。ホコリの発生を抑えるため頻繁に散水を実施。ライダーは、スタート直前まで続けられた散水による路面変化もケアしつつレースに臨んだ。
このクラスでは、#1 川井麻央(Honda,BS)が2020~2021年に2年連続でシリーズタイトルを獲得。同じT.E.SPORTの#4 小野彩葉(Honda,BS)も表彰台の常連となっていて、ブリヂストン勢では今季もこの2名の活躍が期待される。
■決勝レース
#4 小野彩葉(Honda,BS)がホールショット。#1 川井麻央(Honda,BS)はスタート直後こそ7番手あたりと出遅れていたが、混戦の中ですぐに追い上げると、1周目が終わるところで小野を抜いて先頭に立った。
しかしすぐに小野が川井を抜き返して、先頭を死守。両者の攻防は2周目になっても続き、再び川井が先行したが、すぐに小野が再逆転した。そしてコース中盤に設けられたタイトターンに、小野と川井が連なって進入。この立ち上がりで、川井が転倒を喫した。
これにより川井は8番手まで後退。小野は2番手の久保まな(Honda,DL)に対して4秒ほどのアドバンテージを得ることになった。再スタートした川井は、翌周に穂苅愛香(Yamaha,BS)と接触し、再び転倒。今度は11番手まで順位を落とした。
トップを走る小野は、徐々にリードを拡大。レース中盤からは完全に独走態勢となった。一方で川井は、猛烈な追い上げ。レースは8周でチェッカーとなり、小野が全日本初優勝を獲得し、川井は4位でフィニッシュした。
●小野彩葉(決勝レース/優勝)
「やっと勝てて、本当にうれしいです。スタートがうまく決まってホールショットでしたが、川井選手がすぐに追い上げてくることはわかっていたので、抜かれても慌てず冷静に対処しようと考えていました。最終的には川井選手のミスで勝敗が決まったとはいえ、抜かれる度に抜き返すことができていたので、自分としては競り勝ったという印象が強いです。昨年までは、川井選手に抜かれたらそこで終わりという感じだったので、しっかりバトルして何度も抜き返すことができたのは大きいです。メンタルが昨年と比べて強くなったという自覚があるし、スピードも上がっていると思います。タイヤは、すべての走行でソフト用のBATTLECROSS X20を使用。どのコースでも、ほぼX20しか履いていないくらい信頼しています。今回のようにセクションごとに路面状況が切り替わるコースでも、安定して路面をグリップしてくれて、マシンが前に進みます。フロントタイヤの安定感もお気に入り。攻めのブレーキングができるのはタイヤのおかげだと思っています。まずは今回の初優勝にホッとしていますが、この勢いを保ちながら地元大会となる次戦の関東大会も勝ち、最終的にはチャンピオンも狙いたいです」
決勝
- 開催日:2022/04/10
- 決勝出走:28
- (1.9km x 8laps = 15.2km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 4 | 小野 彩葉 | BS | T.E.SPORT | CRF150R | ホンダ | 8 | 2:28.637 | 20:02.162 | |||
2 | 3 | 久保 まな | DL | TEAM HAMMER | CRF150R | ホンダ | 8 | 2:29.460 | 20:13.139 | |||
3 | 5 | 楠本 菜月 | DL | actionracing with alphathree | TC85 | ハスクバーナ | 8 | 2:30.750 | 20:17.794 | |||
4 | 1 | 川井 麻央 | BS | T.E.SPORT | CRF150 | ホンダ | 8 | 2:28.683 | 20:38.384 | |||
5 | 2 | 本田 七海 | DL | bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:33.396 | 20:47.412 | |||
6 | 7 | 穗苅 愛香 | BS | TOMOレーシング | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:35.609 | 20:55.880 | |||
7 | 6 | 木村 綾希 | DL | Team Power Band | KX85 | カワサキ | 8 | 2:33.240 | 21:03.104 | |||
8 | 8 | 赤松 樹愛 | BS | FACTORY BEAR RACING TEAM | YZ85 | ヤマハ | 8 | 2:34.814 | 21:03.729 | |||
9 | 9 | 濵村 いぶき | BS | T.E.SPORT | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:32.803 | 21:13.636 | |||
10 | 27 | 畑尾 樹璃 | DL | TEAM HAMMER | CRF150 | ホンダ | 8 | 2:34.416 | 21:23.774 | |||
11 | 17 | 井川 実乃里 | BS | 98%RACING | CRF150R | ホンダ | 8 | 2:38.151 | 21:26.512 | |||
12 | 12 | 川上 真花 | PI | bLU cRU YSP大阪箕面 | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:37.162 | 21:30.430 | |||
13 | 19 | 瀬尾 柚姫 | BS | Team SBE | RM85L | スズキ | 8 | 2:38.584 | 21:33.872 | |||
14 | 13 | 松木 紗子 | BS | マウンテンライダーズ | KX85 | カワサキ | 8 | 2:42.817 | 21:50.564 | |||
15 | 16 | ペレーラ 瞳美 | MI | MX build | MC85 | GASGAS | 8 | 2:40.802 | 21:53.456 | |||
16 | 10 | 箕浦 未夢 | DL | CRF150RⅡ | ホンダ | 8 | 2:37.122 | 22:06.693 | ||||
17 | 20 | 阿部 華帆 | BS | Y'S Racing | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:44.108 | 22:14.170 | |||
18 | 23 | 羽賀 伊吹 | IRC | TEAM iTOMO with ウマゴヤレーシング | YZ85LW | ヤマハ | 8 | 2:44.480 | 22:31.936 | |||
19 | 33 | 河合 華翔菜 | DL | STORY RACiNG | KX85 | カワサキ | 7 | 1 | 3:12.930 | 20:10.863 | ||
20 | 30 | 高原 央 | DL | with T-factor | KX85Ⅱ | カワサキ | 7 | 1 | 2:54.581 | 20:41.609 |