【2021年全日本ロードレース選手権 第1戦 もてぎ JSB1000 レース-1 】

全日本ロードレース選手権の2021シーズンは、4月第一週の週末にツインリンクもてぎで開催された。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズン開幕が8月に伸ばされた。今年もまだまだ感染拡大の影響が残っていたものの、予定どおりに開幕。感染防止に気を配りながらのウイークになった。
今大会で注目されたのはスポット参戦の渡辺一樹（ブリヂストン）。今季は世界耐久選手権への参戦を表明したヨシムラと共に、開発目的での参戦だ。
予選は40分間のタイムアタック形式。中須賀克行（ブリヂストン）と清成竜一（ブリヂストン）のベテラン二人が１分48秒後半のタイムでのアタック合戦で開始する。
残り10分を切ったところで渡辺が1分48秒587でトップに浮上。さらにタイムアタックを続けた渡辺は1分48秒410、1分48秒335、1分48秒330と周回ごとにタイムを更新。清成、中須賀もタイムアタックを続けたものの渡辺のタイムには届かず、渡辺はヨシムラ移籍後初のポールポジションを獲得。ヨシムラに久しぶりの全日本ポールポジションをプレゼントした。

レース１は予選日の午後に行なわれた。空には少し雲が広がっていた。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは清成。亀井雄大（ブリヂストン）、濱原颯道（ブリヂストン）、中須賀の順でオープニングラップを終える。一方、後方では名越哲平（ブリヂストン）が他車との接触で転倒。戦列を離れる。
清成は快調にトップを走行。追いかけたのは2周目に2番手に浮上した中須賀。中須賀は清成の背後にぴたりとつけて周回を開始。後方では渡辺と亀井の3位争いが勃発。渡辺は早々に決着をつけたもののトップ2台には逃げられてしまい、単独3位走行を開始する。何度も中須賀が前に出るシーンがあったが、そのたびに清成が差し返す。16周目。ついに中須賀がトップ浮上。清成を従える。中須賀が逃げを打つ。清成はじりじりと離されていく。そして中須賀がそのままトップでチェッカー。清成は2位に甘んじ、渡辺が3位表彰台を獲得した。

●中須賀克行（予選3位／決勝1位）
「今日は天気が曇りで路面温度が低くなりました。それでも天候に左右されることなく、安定したタイムを刻むことができました。自分の走りのリズムも崩れなかったですし、最後までいいアベレージを刻めたので、それが勝因につながったと思います」