【2021年全日本ロードレース選手権 第4戦 筑波 ST600 レース1】雨に見舞われた筑波ラウンドの初日　大荒れのレースを制したのは長尾健吾

全日本ロードレース第４戦筑波ラウンドは2年ぶりの開催となった。ST600クラスのエントリーは32台。予選は二組に分かれてのタイムアタックとなった。特別走行が行なわれた金曜日は好天に恵まれ、気温も上昇した。しかし、予選とレース1が組まれた土曜日は朝から雨。しかも弱まったり強まったりの繰り返しで、なかなか路面コンディションが安定しない難しい状況となった。予選A組のセッション序盤にリーダーボードのトップに立ったのは阿部恵斗。セッション残り5分を切ると埜口遥希がトップに浮上するなどタイムアタック合戦が激化。最後には、スポット参戦の家根谷大晟がトップに浮上。そのままセッション終了となった。

雨はやむことなく、B組も同じようなコンディション。ここでは長尾健吾が快走し、淡々とタイムを詰めて終始リーダーボードのトップに名を刻む。2番手タイムは中村竜也、伊藤元治、小林隼士と次々に入れ替わる。この2番手争いは小林に軍配。二組総合でのトップは長尾。また、二組の予選コンディションが異なっていたことから、各組の順位が交互に並ぶことになった。この結果、ポールポジションの長尾に次いで家根谷が2番手グリッド、小林が3番手グリッドとなった。

午後になると雨脚は強まり、土曜日最後のレースとしてスケジュールされたST600レース１は大雨の中で行なわれた。好スタートを切ったのは長尾。家根谷、小山知良と続く。オープニングラップで長尾を捕らえてトップ浮上したのは家根谷。長尾、小山、阿部恵斗、菅原陸の順で等間隔で周回を重ねる。5周を過ぎるころにはトップ争いは家根谷、長尾、小山の３台に絞られる。12周目に長尾が首位奪回。同じ周に阿部がストレートで転倒。これで赤旗中断となる。レース成立周回数には達していなかったため、5周という超スプリントレースが行なわれることになった。

グリッドは11周終了時点の順位で２度目のスタート。長尾が好スタートを決めてレースをリード。家根谷は2番手。3番手にはオープニングラップで小山を攻略した埜口遥希。長尾と家根谷が首位争い、小山と埜口が表彰台争いを展開。首位争いは「筑波で2レース制が導入されてからレース1で負けたことがない」という長尾に軍配。表彰台争いは小山に軍配が挙がった。

●長尾健吾（予選１位／決勝１位）
「タイヤに熱を入れるのに苦労しました。でも焦っても仕方ないと思って、予選でのフィーリングが戻るまで我慢しようというところからレースが始まりました。赤旗が出た周はペースがよくなってきたので前に出て、その後の展開を考えようとしていたところでした。できればあのままレースを続けたかったです。ヒート2は5周という短い周回数でしたが、あえてユーズドタイヤで勝負したことでタイヤにも熱が入っていました。いつもレース2は負けたり転んだりしていて、優勝の喜びを一晩しか味わうことができていないので、明日も集中してレースに臨みたいです」