2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race [Clubman Series] 第7戦

　86&BRZにとってホームコースともいえる富士スピードウェイ。今シーズンは6月の第3戦、9月の第7戦、そして12月の最終戦と、3度開催される。それだけにドライバーの多くは富士スピードウェイでのテスト機会が多いようで、クラブマンシリーズのドライバーにとっても経験値は少なくないコースとなっている。それだけにレースは熾烈でタイム差が小さくなる。結果として、細かなセッティングの違い、繊細なドライビングが順位を決定づけることになる。
　クラブマンシリーズのエントリー台数は96台で過去最高となった。富士スピードウェイのフルグリッドは45台なので、レースAとレースBの2つを設定しても、90台にしかならない。過去コンソレーションレースなどの救済措置により予選落ちはなかったのだが、今回初めて予選落ちが出てしまうことになった。
　TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceの人気と規模は、まだまだ拡大しそうな勢いだ。

●予選
　2つに分けられた予選。しかしそれでも48台ずつということであり、コース上は混雑してしまっていた。
予選1組は＃38神谷裕幸選手(YH)が真っ先にコースインし、2分06秒696のコースレコードを出す。続いて＃126庄司雄磨選手(ブリヂストン)が1000分の1秒上回るが、しかしその直後、2度目のアタックに入っていた神谷裕幸選手が2分06秒576をマーク。
予選2組は、＃600小野田貴俊選手(YH)が2分06秒782とトップタイム。シリーズランキング2位につける＃771菱井將文選手（ブリヂストン）は2分07秒を切ることができずに3番手、＃84橋本洋平選手(ブリヂストン)も4番手に留まった。
最終的には全体のトップタイムとなった神谷裕幸選手がポールポジション。予選1組が奇数グリッド、予選2組が偶数グリッドとなる。ブリヂストン装着勢の上位陣は、庄司雄磨選手が3番グリッド、＃886河村直樹選手が5番グリッド、菱井將文選手が6番グリッド、そして橋本洋平選手が8番グリッドからのスタートとなる。

●決勝レース
　スタート直後の1コーナー、小野田貴俊選手がトップに立つ。しかしその後方では、菱井將文選手と庄司雄磨選手が接触し、菱井將文選手がそのままリタイヤ、庄司雄磨選手も大きく順位を落してしまう。代わって3位に浮上したのは＃130松井宏太選手(YH)で、この3台が先頭集団となり、レースが進んでいった。第2集団は4位の河村直樹選手が先頭で、激しいバトルが展開されていった。
トップの2台はかなりの接近戦を展開、緊張感のあるシーンが続いた。そして9周目の最終コーナー、立ち上がりで小野田貴俊選手が痛恨のシフトミス。そのチャンスを神谷裕幸選手は見事にモノにしてトップを奪う。
終わってみれば、神谷裕幸選手のポール・トゥ・ウィン。今シーズン3勝目となったが、その全てがポール・トゥ・ウィンだった。2位には小野田貴俊選手、3位松井宏太選手は初めての表彰台をゲットした。
ブリヂストン装着勢では、6位に橋本洋平選手、7位が河村直樹選手、そして8位には予選19位から追い上げた前戦十勝の覇者＃75手塚祐弥選手、庄司雄麿選手は10位となった。

●コメント
決勝で6位となった橋本洋平選手(ブリヂストン)のコメント。
「やっぱり予選(8位)が良くなかったので、厳しいレースになりました。気温が下がった夕方の予選だったので、タイヤをしっかりと温めることができなくて、予選の台数も多かったので、難しかったですね。決勝レースでは路面温度が上がってきたので、ブリヂストンが有利だったと思います。それで少しずつ順位を上げていくことができたんですね。これから気温が下がっていくので、そういう状況は生まれにくいんですが、予選から見直して対応したいと思います」