2018 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第4戦 クラブマンシリーズ

西日本で高い人気を誇る岡山国際サーキットには、多くのモータースポーツファンだけでなく、多くのアマチュアドライバーも集まる。それだけに岡山マイスターと呼ばれるような、コースを細部まで知り尽くした地元ドライバーが、上位争いに食い込むことが珍しくない。しかし今回のレースの主役は、そうした地元ドライバーを押し退けて、シリーズを戦うレギュラードライバーたちだった。
エントリー台数は、岡山としては過去最大の67台。フルグリッドは40台なので、予選は2組に分け、決勝レースもまた予選上位のAレースと、予選下位のBレースに分けて開催された。
●予選
梅雨時のコンディション変化が、予選を大きく左右する結果となった。
予選は午後。朝までに上がると予想されていた雨は、そのまま降り続いていたが、お昼を過ぎたあたりで止みはじめる。徐々に路面が乾いていく中、予選がスタートした。予選1組では、乾くのを待ちコースインを遅らせるドライバーと、逆に予選後半のトラブルを避けるために早めにコースインするドライバーに、明確に分かれた。
タイミングモニター最上段、予選開始直後は1分55秒台後半だったものが少しずつタイムアップしていき、最終的には1分52秒429となった。そのタイムは地元岡山の＃613田嶋聡選手(DL)、難しいコンディションゆえに岡山マイスターの経験値が生きた。ブリヂストン装着勢は4番手に地元岡山の＃68増本千春選手(ブリヂストン)、5番手に＃771菱井將文選手(ブリヂストン)、6番手に＃25水谷大介選手(ブリヂストン)が入った。
ほとんど路面が乾いた予選2組では、早々にコースインした＃0神谷裕幸選手(DL)が1分51秒401のコースレコードを出し、それが結果的にポールポジションとなった。予選後半、タイムアタックに入っていた＃84橋本洋平選手(ブリヂストン)だったが、その途中で他車のトラブルが発生し予選が赤旗中断。最終的にそのまま予選終了となってしまったため31番手のタイムとなり、決勝Bレースへ参戦することになった。ブリヂストン装着勢は4位＃72今西隆大選手(ブリヂストン)、5位＃630蒲生真哉選手(ブリヂストン)、6位山崎竜生選手(ブリヂストン)と、地元ドライバーが並んだ。

●決勝レース
決勝Bレースでは、20番グリッドからスタートした橋本洋平選手が、1周目で7位、2周目で2位、そして3周目にトップに立つと、毎周3秒近いリードを拡げ、独走体制に入り優勝を飾った。
その後に行われた決勝Aレースは、さらに気温が上昇し、路面温度も高くなっていた。ポールポジションからスタートの神谷選手はスタートを上手く決めたが、リードは拡がっていかない。2番手スタートの田嶋選手が離れないのだ。後方からそのトップ集団に上がってきたのは＃70庄司雄磨選手(DL)と、菱井選手。8周目に庄司選手が、9周目には菱井選手が、それぞれ田嶋選手を攻略。トップの神谷選手を、追う展開となった。
ギリギリまで迫る庄司選手だったが、オーバーテイクすることはできず、神谷選手が開幕戦に続く2勝目を挙げた。2位は庄司選手、3位には菱井選手と、終わってみれば表彰台はレギュラードライバーが占めた。
ブリヂストン装着勢は、3位菱井將文選手の他、6位に水谷大介選手、7位が蒲生真哉選手と、トップ10に3台が入った。

●コメント
クラブマンシリーズ決勝Aレースで3位表彰台を獲得した＃771菱井將文選手(ブリヂストン)のコメント
「最初はガンガン前へ出て行ってたんですけど、5位に上がってからは少し大人になり過ぎちゃったかな(笑)。それでも何度かアタックしたんだけど、なかなか抜き切れなくて、最終的には3位という結果ですね。本当は2位くらいまでいけるだろうと、狙っていたんですけどね。タイヤ的には、レース中盤でライバルに対してしっかりと差があって、それでもっと上にいけると思っていたんですが、ブレーキングでミスをして、その後は厳しくなってしまいました。今回のレースで、何となく波に乗れそうな感じも掴めたので、次の富士ではもっと上にいきたいですね」