2018年 全日本ジムカーナ選手権 第１戦

　2018年の全日本ジムカーナ選手権。昨年より2戦増え、全10戦で争われるチャンピオンシップの開幕戦が、茨城県南西部に位置する筑波サーキット コース1000で開催された。2004年以来14年振りの開催となる筑波1000に、併設クラスを含めて126台が熱戦を繰り広げた。

コースはスタート直後に2回のターン、そのあと外周・内周を行き来し、最終コーナーの先の180度ターンを経てゴールという設定。この最後のターンが鬼門で、大回りしてしまったり大回りし過ぎて脱輪してしまったりという選手が多く見受けられ、ここをいかに小さく素早くターンするかが勝負の分かれ目であった。

決勝日は朝から曇り空。気温もスタート時刻の9時過ぎでも6℃と肌寒く、2本目のPN3クラスの頃にようやく雲がなくなって晴れ間が見えてきた。

そんな中、RE-05Dを履くPNクラスでは、PN2クラスで河本晃一（Z／ブリヂストン）が優勝、昨年のチャンピオン山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）が2位と、POTENZA装着勢がワンツー。PN3クラスでは西野洋平（86／ブリヂストン）が優勝。このクラスでのRE-05Dの連勝記録を10に伸ばし、ポテンシャルの高さを証明して見せた。

RE-11Sを履くSA・SCクラスのPOTENZAユーザーは、全車TYPE WS3を選択。優勝は叶わなかったものの、SA3クラスで西森顕（NSX／ブリヂストン）が2位、渡辺公（NSX／ブリヂストン）が3位、SA4クラスでは飯坂忠司（ランサー／ブリヂストン）が3位、SCクラスでも西原正樹（インプレッサ／ブリヂストン）が2位と、それぞれ表彰台の一角を占める活躍を見せた。

＜PN2クラス優勝、POTENZA RE-05D装着＞（2006年以降にJAF登録された1600cc超の2WD車。改造範囲が最も狭い）

　ZC33型スイフトやMINIがPN2クラスに入ってきて、迎え撃つFD2・FK2シビック勢やフェアレディZ勢、昨年のチャンピオンカーであるアバルト124スパイダー勢など、多様な車種がしのぎを削るこのクラスを見事征したのは、昨年の最終戦鈴鹿で優勝しJAFカップも征して勢いに乗る河本晃一（Z／ブリヂストン）。1本目にトップタイムをマークして逃げ切った。ディフェンディングチャンピオンの山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）は2本目にタイムアップしたものの、河本のタイムに1/100秒届かず2位となる。

●河本晃一「路面温度は低かったのですが、タイヤをしっかりマネージメントできたのが勝利に繋がりました。しかし、2本目にタイムダウンしたという反省点もあります。路面状況が変わってタイヤのフィーリングが思った以上に変化したので、ドライビングを合わせきれませんでした。山野選手は2本目にしっかりタイムアップしてきているので、追いつかれなくて助かりました。この優勝を糧に次戦以降も頑張りたいと思います。」

＜PN3クラス優勝、POTENZA RE-05D装着＞（2012年以降にJAF登録された1600cc超2000cc以下のRWD車。改造範囲が最も狭い）

　昨年のシリーズランキング2位の西野洋平（86／ブリヂストン）が、1本目にトップタイムをマーク。2本目はタイムダウンしたものの、1本目のタイムを守って優勝。ディフェンディングチャンピオンのユウ（86／ブリヂストン）は後期型の86を投入し、3位に入る。

●西野洋平「1本目は前半から飛ばしていきました。後半はタイヤの温度も上がってRE-05Dが持つポテンシャルを充分に発揮してくれ、最後のターンで失敗して少し大回りになってしまいましたが、それでもトップタイムをマークできたのがよかったです。最後にミスがなければもっとタイム差をつけることもできたのですが、そこがちょっと心残りですね。2本目は路面状況が悪化していてアンダーステアが強く、最後のターンはうまく回れたのですがそれでもタイムダウンしてしまいました。でもとりあえず第1戦で優勝できてホッとしています。」