2021年 全日本ジムカーナ選手権 第6戦 大雨の美川で3クラスを制す！山野選手4勝！山越選手、菱井選手今季初優勝！

今年の全日本ジムカーナ選手権は全8戦のうち4戦が終わり、後半戦の5戦目となる第6戦（第2戦は延期）が愛媛県南部の久万高原町にあるハイランドパークみかわで開催された。シリーズランキングを左右する大事な一戦に89台のエントラントが熱戦を繰り広げた。
コースは元スキー場の駐車場を利用したフルパイロンコース。扇形のコースを目一杯使用した攻め甲斐のある設定。東北地方まで梅雨明けの発表があったが、四国地方だけがまだ梅雨のまっただ中。金曜日の練習走行から日曜日の決勝まで3日間とも雨が降り続く。標高約1000mのみかわは気温も低く、決勝日は19℃までしか上がらない肌寒い中での戦いとなる。しかも決勝日は雨脚が強く、1本目が終了したあとに久万高原町に大雨警報が出たため2本目はキャンセルとなり、1本目のタイムで勝敗が決まることとなった。1本目にパイロンタッチなどのミスをした選手は2本目での挽回のチャンスがなくなり悔しい思いをすることになったが、いかに1本目からキッチリとタイムを残すことが大切かを思い知らされる大会となった。
そんな中、JG10クラスではRE-71RSを履く殿村裕一（コペン／ブリヂストン）が3位入賞。RE-12D TYPE Aを履くJG8〜JG5クラスのPTENZA装着勢は、JG7クラスで山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）が破竹の4連勝。シリーズチャンピオンに向けてライバルとのポイント差を更に拡げる。JG8クラスではSHUN（ロードスター／ブリヂストン）が2位、小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が3位に入る。また、JG6クラスでは西野洋平（86／ブリヂストン）が3位に入る。
RE-11Sを履くJG4〜JG1クラスのPTENZA装着勢は、ほぼ全車がRE-11S TYPE WS3をチョイス。高いウェット性能を持つWS3の長所を活かし、JG4クラスで山越義昌（CR-X／ブリヂストン）が今季初優勝。また、JG1クラスでは菱井将文（ランサー／ブリヂストン）が今季初優勝、菱井の愛弟子である飯坂忠司（ランサー／ブリヂストン）が2位と、師弟でワンツーを決める。

＜JG7クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（2006年以降にJAF登録された1600cc超の2WD車。改造範囲が最も狭い）

ランキング2位の小俣洋平（アバルト124スパイダー／DL）がそれまでのトップタイムを2秒近く縮める驚異的なタイムを出すも、ランキングトップの山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）は更に小俣を0.2秒上回るスーパータイムを出す。これで山野は開幕戦こそ小俣に優勝を譲ったものの2戦目以降4連勝で、小俣とのポイント差を21に拡げる。
●山野哲也選手コメント
「標高1000m、大雨、ひび割れた路面、そこを流れる大量の雨水、もうこれ以上ない程の悪条件の中で開催された大会でした。そんな稀な状況でまざまざと知ることになったのは、RE-12D TYPE Aのレンジの広さに尽きます。前戦北海道では路温50℃近い酷暑の中でポテンシャルの高さを見せてくれましたが、今回の警報が出る程の大雨の中でもしっかりとしたグリップ感が得られ、マシンコントロールも意のままにできる安心感がありました。こんな悪条件でも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたRE-12D TYPE Aに感謝ですね。これで今季4勝目となり、シリーズを戦う上で有利になりました。次戦以降もRE-12D TYPE Aを武器に頑張ります。」

＜JG4クラス優勝、POTENZA RE-11S TYPE WS3装着＞（1600CC以下のFF車。改造範囲が広い）

今季開幕戦で2位の山越義昌（CR-X／ブリヂストン）だが、2戦目は9位、3戦目と4戦目は5位と今ひとつの成績だった。しかしここにきて2位を1.2秒も引き離すタイムを出して今季初優勝。昨年の第2戦名阪ラウンドを制して以来の美酒となる。
●山越義昌選手コメント
「1本目からしっかりタイムを出す走りを心掛けたのがよかったですね。今日は予報で雨とわかっていたので、昨日のうちからしっかり準備をして今日に臨みました。WS3はウェットでの性能が高いので、安心して攻めることができました。しかも上のクラスの2輪駆動車（JG2クラス）の優勝タイムとほぼ同じタイムを出せたというのが自信に繋がりました。」

＜JG1クラス優勝、POTENZA RE-11S TYPE WS3装着＞（4WD車。改造範囲が広い）

2016年に初開催となったみかわで優勝し、その後毎年みかわで優勝している菱井将文（ランサー／ブリヂストン）。今年もみかわでは強かった。開催が中止となった昨年を除き、みかわ5連勝を達成。
●菱井将文選手コメント
「ここはフルパイロンコースなので、自信がありました。また、雨量が多くなればなるほどWS3の有利さが顕著に表れるので、精神的にも安心して走れるというマージンがありましたね。今回は金曜日からずっと雨でしたが、ほぼトップタイムを出し続けていたので、今日も負ける気がしませんでした。還暦を過ぎても勝つという目標を達成できたので、嬉しいです。」