2024年ロードスター・パーティレースⅢ 東日本シリーズRd.4 NDシリーズ

10月27日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢ東日本シリーズの最終となる第4戦が開催された。24台のエントリーを集めたNDシリーズでは161号車の佐々木光がポールtoウインで、第3戦に続いて2連勝を達成。そして終盤の激アツな2位争いを守り抜いた105号車の深谷 諄が佐々木を2ポイント差で振り切ってチャンピオンを獲得した。

この日は東日本のシリーズチャンピオンが決まる最終戦で、NDシリーズには24台がエントリー。
朝一番のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部・ファクトリーモータースポーツ推進部の小早川隆浩さんが、「NDの皆さんも今日はシリーズの最終戦になるので、ぜひクリーンなレースを見せてください」とエールを送った。


●予選
9時の段階での気象条件は気温19.3℃・湿度82%・路面温度24.8℃。
パーティレースでは最後となったNDシリーズの公式予選は9時45分からの15分間で、序盤からアタック合戦となった。
計測2周目には第3戦で初優勝を飾った佐々木が1分10秒940をマーク。

2番手にはランキングトップの深谷が1分11秒037で続いて、さらに逆転ポールを狙ってアタックを継続。

ところが1分11秒285から11秒136と、惜しくも更新はならず。これに38号車の宮應政宗が1分11秒069で肉薄した。
この日は予選の後半に入っても順位変動が起こった。133号車の辻田佳典が長めの待機をしてからアタックを開始。
いきなり1分11秒056から11秒051、さらに11秒152と3周連続で好タイムを記録して、宮應を上回る3番手に浮上。

そして最後にもう一度、見せ場を作ったのが佐々木。残りわずかとなったタイミングで1分10秒888までタイムを削って、2戦連続のポールポジションをさらに盤石なものにした。
整理すると、ポールの佐々木とポイントリーダーの深谷が最前列で決勝をスタート。
グリッド2列目は辻田と宮應の順で、予選5番手はランキング2位で最終戦を迎えた168号車の森本進一で、タイムは1分11秒133。
さらに予選6位には177号車の稲垣知博が1分11秒171で続いた。佐々木こそ少し抜け出した感があるが、上位陣のタイム差はごくわずかで、決勝でも接近したバトルに期待が持てそうだ。

●決勝
決勝レースは他のクラスと同様に15周で競われた。
NDクラブマン決勝の激戦が繰り広げられていた12時20分過ぎには青空も見えていたが、NDシリーズの決勝レースが始まるころには分厚い雲がサーキットを覆う。
そのため気温は23.3℃、路面温度も28.5℃まで下がった。24台のマシンはほぼ予定通りの13時26分にスタート。

1コーナーをトップで通過したのはポールの佐々木で、2番手は深谷、3番手は辻田。
オープニングラップを終えても、スターティンググリッドからの順位変動はなかった。
2周目以降になると、トップ3がペースを上げて後続を引き離しにかかった印象だ。
3番手の辻田と4番手の宮應の差は徐々に開いていき、5周目には3.5秒のギャップとなってしまう。
一方で宮應の背後には森本がピタリと張り付き、さらに少し後方では5号車のイシカワを先頭とする大集団が時にサイドbyサイドになりながら追走。
つまりこの中団での争いは、黒いボディの宮應と森本の2台と、イシカワ以下のホワイトが多数派の集団に分かれていたが、順位変動が起こったのは前者の方。

5周目の最終コーナーで森本がインを奪うと、すぐ先の6周目の1コーナーで宮應がお返し。
さらに8周目の1コーナーで森本が横並びから前に出るという、激アツながらもフェアなバトルを披露。

逆にイシカワはベテランの味を存分に発揮して、後続の26号車・田宮 駿をはじめとするライバルの先行を最後まで許さなかった。
トップ3台の差は序盤こそほぼ均等だったが、後半に入ってペースを上げていったのが辻田。
最大で1秒ほどあった差は8周目に0.3秒、9周目には0.2秒となり、深谷を完全にロックオンしての接近戦になった。

逆にこの2台がバトルしたために佐々木にとっては有利な展開となり、2番手以降とのギャップが広がっていく。
最終的には後続に5秒の差を付けて、佐々木がポールtoウイン。前戦からの2連勝を果たした。

一方で2番手争いはテールtoノーズのまま最終盤に入った。深谷はこのポジションを守ればチャンピオンが決まるので、ここは是が非でも現状を死守したいところ。
中盤からペースが鈍る中でも要所を押さえて、2位でチェッカーを受けた。惜しくも届かなかった辻田が3位。
佐々木と深谷は2戦連続だが、辻田は昨年の第2戦（2位）以来のポディウム登壇だ。

以下、4位は森本、5位は宮應、6位はイシカワとなり、ここまでが規定により入賞となった。

前回の第3戦に続いて2連勝となった佐々木選手コメント

「決勝は中盤から後続を離すことができ、連勝できたのは嬉しいです。これで前回の優勝がマグレじゃないことが証明できたかなと（苦笑）。今年の前半は苦労しましたが、第3戦と第4戦で勝てたことは自信に繋がります。レース未経験で挑んだパーティレースだったのですが、チームのサポートもあり結果が出せて良かったです」

シリーズチャンピオンとなった深谷選手コメント

「JAF戦のシリーズを追いたくて、TCコルセにマシンを用意してもらいましたが、出来すぎのシーズンになりましたね。チャンピオンになる条件は頭に入れていましたが、自分の走りをしたいと考えていました。決勝は防戦になりましたが、ミスなく2位を守り切れたことは良かったです」

今年のパーティレースも残すのは2ラウンドのみとなった。
まずは11月9日の土曜日に、ジャパンツアーシリーズの第7戦が西日本シリーズの第4戦とダブルタイトルで、岡山国際サーキットにて開催される。
さらに12月8日の日曜日に大分県のオートポリスで、ジャパンツアーシリーズの今季最終となる第8戦が予定されている。