最終戦はGR86勢2台を従えた大崎達也がチャンピオン
- 開催場所:岡山国際サーキット
- 開催日:2023年11月19日(日) 〜 2023年11月19日(日)
11月19日、岡山国際サーキットで2023年の「OKAYAMAチャレンジカップレース」シリーズ第6戦が開催された。ここでは「N1-86/Nゼロ-86」として新旧の86/BRZの3クラスが混走で行われていて、今回が4戦目の最終戦。ブリヂストンのポテンザRE-71RSをワンメイク指定タイヤとする「Nゼロ-86」のクラス1では、今季のスプリント2戦を制していた♯456大崎達也がこの日も圧倒。しかも排気量で上回るクラス2のGR86勢2台をオープニングラップで抜き去り、後方に従えたまま10周を走破する“下克上”を達成してみせた。
■予選
クラス1のエントリーは今回5台で、ポイントリーダーの大崎をはじめ4名は前回の第3戦と同じメンバー。2017年王者の♯186西村宏樹と前年王者の♯330杉山博紀、そして第2戦の2時間耐久優勝チームの一員だった♯504藤田真哉までは、この最終戦次第でチャンピオン獲得の可能性を残して臨んだ。残る♯26渡邊敏康は本シリーズには初参戦だが、すでにロードスター・パーティレースなどで岡山のコースは経験している。
公式予選は8時45分からの15分間。今回はNゼロ-86のクラス2(♯330松岡玄太と♯33濱崎歩也)の2台、N1-86の5台、さらにロードスターN1の2台と予選・決勝ともに混走での開催となった。車両のポテンシャルとしてはやはりN1-86が一番上。次にNゼロ-86では排気量が400cc大きいクラス2がクラス1を上回り、最後尾に続くのがロードスターという図式。決勝のスターティンググリッドもタイムに関わらず、このグループ別に分けられている(Nゼロ-86の2クラスは同じグループ)。ただ、これにドライバーのスキルという要素が加わると、必ずしも車格の順番通りにならないのが悩ましいところ。
この日のサーキットは終始レース日和で、予選が終わる頃に太陽も顔を出すというグッドコンディション。まず杉山が1分51秒427をマークするが、今季デビューのルーキーながら成長を見せている藤田も1分51秒471で肉薄する。ただしこの日、Nゼロで予選を勝負するには50秒台が必要だった。やや遅れてコースインした大崎は、アタック2周目に1分50秒709を記録してクラス1のトップに。ただし格上のクラス2の2台が同じ50秒台ながら、大崎を上回ってフロントローを独占した。
決勝のグリッドは各クラス別に少し間隔を空けて、そのクラスでのタイム順に並ぶことになった。つまりN1-86、Nゼロ-86、N1ロードスターの順だ。ところがN1-86の4番手は1分51秒台、5番手は1分52秒台がベスト。つまり大崎を含むNゼロの上位陣より周回ペースが遅いことが予想されるが、スタートの時点では前にいる。このあたりのクラス違いをどう処理するかも、決勝では勝負のアヤになりそうだ。
■決勝
ほぼオンタイムの11時44分に、10ラップで争う決勝のスタートが切られた。ここで抜群のクラッチミートを見せたのが大崎だ。写真が逆光で見えにくいが、少し離れて前の一団にいたN1-86の1台は早くも1コーナーまでに抜き去り、クラス2の2台のGR86もこの1周目のアトウッドまでに抜き去ることに成功した。つまり大崎はN1-86の上位4台に続く、総合5位のポジションを単独で走行することになった。
一方でクラス2の2台のGR86勢は同じチームだが、ご覧のようにガチンコでバトルする状況になってしまった。もちろん仲間同士なので、接触やブロックはNG。スリップの恩恵もあって決勝中も何度か順位を入れ替えるが、それ故に大崎への追撃に集中できる状況にはならず、むしろマシンのポテンシャルは高いN1-86の♯38に背後を脅かされている状況だったはずだ。
一方でディフェンディングチャンピオンの杉山だが、前述のクラス違いの3台に前を塞がれていては、大崎を追いかけるシナリオは描けない。
序盤は予選で肉薄された藤田に食い下がられたが、キャリアの違いを見せつけて徐々に引き離していく。
予選クラス4番手の西村は今回、足まわりのセッティングが決まらずに悩んでいて、本来の走りが影を潜めていた。
また初参戦の渡邊は序盤にロードスターの1台と接触するアクシデントで大きくタイムをロス。
ということで、クラス1の全車が決勝の半ばからは単独走行という展開になってしまった。
終盤、ジリジリと差を詰めてきたクラス2の濱崎に0.996秒差まで詰められたが、それでも逆転の気配が漂う前に大崎はチェッカーフラッグを受けた。
2位の杉山とのギャップは10.161秒という圧勝劇。以下は藤田、西村、渡邊の順に全車完走。規定により入賞は杉山までだが、暫定表彰式には3位の藤田までが登壇。
タイヤサービスのスタッフから赤いキャップを受け取って、シャンパンファイトも楽しんだ。
今季はスプリント3戦全勝シリーズチャンピオンを獲得した大崎選手コメント
「スタートの蹴り出しが本当によくて、これがPOTENZAの威力ですよね。その後はGR86の2台が後方でバトルしているのが見えたので、コントロールしながらのレースになりました。実はミッションにも問題があって、タイヤも内圧とかを少しミスしてギリギリでした。個人的には2018年のフォーミュラ・エンジョイ以来のタイトルなので、本当に嬉しいです」
OKAYAMA チャレンジカップ Nゼロ-86 公式ページ
http://www.okayama-international-circuit.jp/hashiru/race/car/cc_ae86.html
決勝
- 開催日:2023/11/19
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:5
- 完走:5
- (3.703km x 10laps = 37.03km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 456 | 大崎 達也 | BS | GarageN SALTO BS 86 | 10 | 18'52.429 | ||||||
2 | 330 | 杉山 博紀 | BS | ネッツトヨタ岡山Nin倉敷86 | 10 | 19'02.590 | ||||||
3 | 504 | 藤田 真哉 | BS | EXEDY ZENKAIRACING86 | 10 | 19'08.457 | ||||||
4 | 186 | 西村 宏樹 | BS | 旭モータースHIROKKIE Racing | 10 | 19'14.464 | ||||||
5 | 26 | 渡邊 敏康 | BS | WATANABE 86 | 10 | 19'46.782 |