佐々木雅弘がうっぷんを晴らす快走で2位表彰台
- 開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ
- 開催日:2017年07月30日(日) 〜 2017年07月30日(日)
前日の第5戦でのベストラップのタイムによって、第6戦のスターティンググリッドが決まるという変則的な2レース制によって、今回のレースはより複雑なものになった。
オーバーテイクポイントがない、とよくいわれる十勝スピードウェイだからこそ、予選順位はそのままレース結果に直結してしまう。第5戦は完走扱いにならなくてもベストラップの記録は残るので、第5戦のレースで1周だけアタックして良いタイムを出せば、第6戦を前方のグリッドからスタートできるというわけだ。
その第5戦でペナルティポイントによって10グリッド降格となることが決まっていた#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)、#5井上尚志選手(ブリヂストン)、#31青木孝行選手(ブリヂストン)の3選手だけでなく、予選結果が振るわず上位入賞が難しいと判断した#97近藤翼選手(ブリヂストン)も、あえてピットスタートを選択した。第5戦のレース中に、彼らだけが、まるで予選を戦う形になった。これならタイヤの内圧を含めて、1発のアタックにだけ合わせることができ、優位だからだ。しかも第6戦でも使わなければならないタイヤを温存することもできる。
クラブマンシリーズでは、そういうドライバーは出てこなかったが、シリーズポイントを含めて結果を求められるプロフェッショナルシリーズは、やはり違ったのだ。
●予選(第5戦決勝)
ピットスタートの優位性を生かし、第5戦のファステストラップを獲得したのは、青木孝行選手だった。同じ戦略となった佐々木雅弘選手は3位、近藤翼選手は4位となった。その間に割って入り2位に入ったのは、第5戦の勝者である#369平中克幸選手(GY)。北海道出身の十勝マイスターにとって、段違いの速さを見せるのは、難しくないのかもしれない。ただしタイヤの磨耗の部分では1レースを走ってしまっているので、ハンデは明確に存在すると思われた。
5位には#770山田英二選手(ブリヂストン)、6位に#47蒲生尚弥選手(ブリヂストン)が入った。第5戦の予選ではトップ10に6台を占めたブリヂストン装着勢だったが、第6戦のスターティンググリッドではトップ10に8台が入った。つまりレース中のベストラップは、ライバルよりも優れていたことになる。
気になる2本のタイヤ交換。ポールポジションの青木孝行選手は、フロント2本を交換した。ステアリングの効きを前提に考えたのだろう。2位の平中克幸選手は真逆で、リヤ2本を交換した。これはトラクション性能を重視した結果である。上位の他の選手は、無難な左側2本にニュータイヤを投入した。
●決勝レース
少し抑え目な印象だった第5戦と異なり、第6戦は激しいバトルの応酬となった。
スタート直後の1コーナーで、マシン4台が絡む多重クラッシュが発生。レースは赤旗中断・再スタートとなる。セーフティカー先導による再スタートが切られ、2周終了時にセーフティカーが離れた。2度目のスタートも青木孝行選手は上手く決め、平中克幸選手との差を拡げようとする。しかし約1秒あったはずのギャップは、むしろ小さくなっていき、5周目にはついに2台が横に並ぶようになっていく。そして6周目、平中克幸選手がオーバーテイクに成功した、が、3位に付けていた佐々木雅弘選手が瞬間的にペースの落ちた2台をまとめて抜き去り、トップに立った。逆に青木孝幸選手は近藤翼選手にも抜かれ、4位へとポジションを落してしまった。ピタリと背後に付けプレッシャーをかけ続ける平中克幸選手と、それを留めようとするチャンピオン佐々木雅弘選手の攻防は緊迫したものだった。しかしコースを知り尽くした十勝マイスターは、彼にだけ見えるいくつものオーバーテイクポイントで勝負をかける。10周目の2コーナーでクリーンにトップに立つと、そのまま14周のレースを走り切った。
平中克幸選手は地元で2連勝、2位にはペナルティ明けの佐々木雅弘選手が入り、3位は近藤翼選手が手にした。ブリヂストン装着勢はトップ10のうち7台を占め、その高性能ぶりを示すことができたと言えるだろう。
●コメント
2位を獲得した#1佐々木雅弘選手(ブリヂストン)のコメント。
「最高の2位を獲得できたと思います。この週末はペナルティやいろいろなことがあったわけですが、そういった状況の中でも2位を獲得できたのは良かったと思います。タイヤのパフォーマンスも全く問題なく、最後までしっかりレースをすることができました。ただ優勝した平中選手は十勝が地元ということで、良くコースを知っているんでしょうね。ドライバーの差が出たと思います。次の富士スピードウェイや、その次のSUGOは逆にボクのホームコースなので、やり返したいと思います」
決勝
- 開催日:2017/07/30
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:26
- 完走:22
- (5.091km x 14laps = 71.274km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 369 | 平中 克幸 | GY | GY RACING 86 | 14 | 25:46.662 | ||||||
2 | 1 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 14 | 25:47.346 | ||||||
3 | 97 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 14 | 25:48.133 | ||||||
4 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックス86 | 14 | 25:48.886 | ||||||
5 | 770 | 山田 英二 | BS | CUSCO BS 86 | 14 | 25:51.391 | ||||||
6 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 14 | 25:51.565 | ||||||
7 | 88 | 井口 卓人 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 14 | 25:51.964 | ||||||
8 | 47 | 蒲生 尚弥 | BS | トミカ ネッツ兵庫BS86B | 14 | 25:52.427 | ||||||
9 | 906 | 新田 守男 | BS | AREA86倉敷 | 14 | 25:54.569 | ||||||
10 | 10 | 吉田 広樹 | DL | OTG TN滋賀 86 | 14 | 25:54.820 | ||||||
11 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 14 | 25:55.076 | ||||||
12 | 17 | 織戸 学 | YH | サミー☆K-one☆MAX86 | 14 | 25:59.532 | ||||||
13 | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 86 ポテンザ | 14 | 25:59.846 | ||||||
14 | 32 | 市森 友明 | BS | 大阪トヨタ86 Racing | 14 | 26:00.078 | ||||||
15 | 11 | 脇阪 寿一 | GY | ネッツ東京レーシング86 | 14 | 26:04.657 | ||||||
16 | 70 | 平木 湧也 | BS | 茨城トヨペット86 | 14 | 26:05.734 | ||||||
17 | 199 | 石川 京侍 | BS | COROLLA-MIE 86制動屋 | 14 | 26:06.763 | ||||||
18 | 813 | 坂 裕之 | DL | ネッツ兵庫DL ディレッツァ86 | 14 | 26:09.598 | ||||||
19 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 14 | 26:10.477 | ||||||
20 | 328 | 密山 祥吾 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 BS | 14 | 26:12.024 | ||||||
21 | 45 | 羽根 幸浩 | BS | メタルラボ・スペック 86 | 14 | 26:12.333 | ||||||
22 | 520 | 平沼 貴之 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 | 14 | 26:18.617 | ||||||
- | 76 | 小河 諒 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | DNS | |||||||
- | 90 | 阪口 良平 | BS | 大阪トヨタ86レーシング BS | DNS | |||||||
- | 312 | 松本 晴彦 | BS | 埼玉自動車大学校生駒SBS 86 | DNS | |||||||
- | 370 | 元嶋 佑弥 | GY | GY RACING 86 | DNS |