TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2021 プロフェッショナルシリーズ 第3戦

このレースウィークの天気予報は雨だった。阿蘇の山間に位置するオートポリスは、急な雨や霧などによってレースに影響が出ることが少なくない。実際5月に行われたスーパーフォーミュラでも強い雨によって、レースは大幅に短縮された。
雨となると圧倒的なウエット性能を持つPOTENZA RE-07Dの独壇場になる。それは雨が続いた2020シーズンを見れば明らかだった。プロフェッショナルシリーズに参戦するチームの中で、タイヤメーカーを選択できるチームはそうした準備をしていたことは間違いない。しかし天気予報は少しずつ変化していった。梅雨時期ということもあるのだろう、天候は安定しなかった。レース前日の土曜日の夕方、雨が降りはじめた。その時点では日曜日の昼間は雨という予報だったが、しかし夜が明けると雨は午後からの予報に変っていた。
エントリー台数は26台。エキスパートクラスやオープンクラスよりも多いのは、やはりシーズンフル参戦しチャンピオンを狙うチームがほとんどだからだろう。

●予選
決勝レースが行われる午後の天候が読みきれないまま、予選はスタートした。OTGグループの3台が真っ先にコースインし、前戦で優勝している＃10菅波冬悟(DL)が2分11秒353のコースレコードを記録する。2番手は＃80宮田莉朋(DL)、3番手に＃60服部尚貴(DL)とチームメイトが並ぶ。満を持してタイムアタックに向かった＃82谷口信輝(DL）だったが、4番手タイムに終わる。結局最後までそのOTGの壁を破るドライバーは現れなかった。ブリヂストン装着勢では、最後にタイムアタックした＃31青木孝行が6位に食い込んだのが最上位で、2番手は12位の＃521川合孝太となった。

●決勝
スターティンググリッドに並ぶ86／BRZに、ポツポツと雨粒が降り注いだ。しかし、それは一時的なもので、後に続かなかった。
レースは結局、予選上位4台はそのままの順位で走行し、チェッカーフラッグを受けることになった。トップの菅波と宮田はレース後半に超接近戦を演じたが、オーバーテイクの難しいオートポリスではポジションが入れ代わるまでには至らなかった。
ブリヂストン装着勢では、予選トップの青木はマイナートラブルでレース開始直後ペースを失ってしまい、絶妙のスタートを決めた川合に逆転を許す場面もあった。しかし本来のペースを取り戻した青木は8位へとポジションを戻し、レース後半はトップグループと同等のペースだったものの、前へ出ることはできず、8位でチェッカーを受けた。以下、9位に川合選手、10位#160吉田広樹という結果となった。

8位となった＃31青木孝行選手(ブリヂストン）のコメント。
「スタートしてからすぐに内装の部品が外れて、クラッチペダルと干渉するというトラブルが発生してしまい、ペースを乱してしまってポジションを失ってしまいました。それに対応できてからはペースを取り戻すことができたんですけど、今回は8位が精一杯でしたね」