• 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2018年07月27日(金) 〜 2018年07月29日(日)
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 2017-18世界耐久選手権(EWC)最終戦となる鈴鹿8耐第41回大会は、ブリヂストンにとって装着チームによる13連覇とEWC初タイトルがかかる一戦。ブリヂストンにとっては、ライバルメーカーとだけでなく、目まぐるしく変化する天候との戦いにもなった。
 金曜日の計時予選は、迫り来る台風の影響を大きく受けることはなく、翌日のトップ10トライアルに進出する上位10チームの席を巡って、攻防が繰り広げられた。
 ライダーブルー1回目のセッションでRed Bull Honda with 日本郵便(ブリヂストン) の高橋巧が真っ先に2分6秒台をマークし、YAMAHA FACTORY RACING TEAM(ブリヂストン) の中須賀克行もすぐに2分6秒台をたたき出す。さらにYAMAHA FACTORY RACING TEAM、はライダーイエローのアレックス・ローズも軽々と2分6秒台。対して、Red Bull Honda with 日本郵便 のライダーイエロー中上貴晶は赤旗中断でアタックタイムが抹消される不運もあり2分7秒台どまり。ここでいきなりトップに躍り出たのはKawasaki Team GREEN(ブリヂストン) のジョナサン・レイ。この日初の2分6秒台前半のタイムを記録。予選1回目ですでにヤマハ・ホンダ・カワサキの戦いの構図が見え始めた。
 予選2回目は中須賀がレイの1回目のタイムを上回りトップ浮上。しかしレイは2分5秒168というスーパーラップをたたき出し首位奪還。Kawasaki Team GREEN はさらにライダーレッドのレオン・ハスラムも2分6秒台をマーク。この結果、Kawasaki Team GREEN が暫定ポールポジションを獲得した YAMAHA FACTORY RACING TEAM は0.322秒差で暫定2番手。さらに、Red Bull Honda with 日本郵便、ヨシムラスズキMOTUL(ブリヂストン)、MuSASHi RT HARC-PRO.Honda(ブリヂストン)、と続き、ブリヂストンがサポートする合計9チームが翌日のトップ10トライアルに駒を進めることになった。EWC初タイトルを目指す F.C.C. TSR Honda France(ブリヂストン) は、予選を12位で終えた。
 翌日のトップ10トライアルは『実施時間帯にコースコンディション不良が予想される』として、40分間の計時予選に変更された。とはいえ路面はDRYで、各車が思い切りタイムアタックを始めた。そしてレオン・ハスラムとジョナサン・レイとライダー2人が2分5秒台をマークしたKawasaki Team GREENが堂々のポールポジションを獲得。Red Bull Honda with 日本郵便の中上が2分6秒127をたたきだし、2番手グリッドを獲得。以下YAMAHA FACTORY RACING TEAM、MuSASHi RT HARC-PRO.Honda、ヨシムラ スズキ MOTUL のスターティンググリッドが確定した。

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 迎えた日曜の決勝。マシンがグリッドについた後に突然のスコールに見舞われ、雨脚が強まったり弱まったりする中でレースは予定通り11:30スタート。Red Bull Honda with 日本郵便、Kawasaki Team GREEN、YAMAHA FACTORY RACING TEAM、ヨシムラスズキMOTULと順当に各メーカーのエースチームが、WETタイヤを装着してトップ争いを開始する。
 スタートから10分ほどで雨はやみ青空が広がると、路面が急速に乾き始めた。各チームが予定より早いピットインでスリックタイヤに交換を始める。上位陣で最後にピットに入ったのはRed Bull Honda with 日本郵便。
 1時間が経過するころ、YAMAHA FACTORY RACING TEAM と Kawasaki Team GREEN がスプリントレースを思わせる接近戦を開始。しかし、これに続いていた ヨシムラスズキMOTUL は転倒し、トップ争いから脱落してしまった。ここから YAMAHA FACTORY RACING TEAM と Kawasaki Team GREEN が一騎打ち、Red Bull Honda with 日本郵便 は3番手単独走行の様相。
 折り返しの4時間が経とうとするころ、YAMAHA FACTORY RACING TEAM がルーティンのピットワーク。1周後に Kawasaki Team GREEN もピットに向かおうとするが、途中で燃料が切れてしまいタイムロス。Red Bull Honda with 日本郵便 にかわされてしまい3番手に後退する。
 その後レースは、再度のスコールに見舞われたり転倒車の影響でセーフティカーが入ったりと大荒れの展開となったが、YAMAHA FACTORY RACING TEAM は順調にレースを進めて4連覇。これによりブリヂストン装着チームの13連覇を達成した。Red Bull Honda with 日本郵便 が2位でチェッカーを受け、Kawasaki Team GREEN はWETコンディション中に転倒があったものの、見事に復帰して3位表彰台を獲得した。ブリヂストン装着チームは表彰台に続いて上位5位までを独占し、加えてSSTクラスでもTOP3を占めた。F.C.C.TSR Honda France は終始堅実なレース運びを展開し、5位でチェッカーを受け、日本チーム初のEWCチャンピオンに輝いた。これはブリヂストンにとっても、装着チームの初のEWCタイトル獲得となり、2018年鈴鹿8耐は、ブリヂストンにとって最高の結果で終わった。

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◆◆ YAMAHA FACTORY RACING TEAM 吉川和多留監督 ◆◆
「目まぐるしくコンディションが変わる中、ブリヂストンのタイヤの性能は安定していました。雨が降り始めた時にスリックタイヤ・路面が乾きかけている中でのウェットタイヤ、という難しい状況も何度もありましたが、あらゆる場面でタイヤ性能は全く問題ありませんでした。YAMAHA FACTORY RACING TEAM のライダー3人も、そのタイヤ性能を活かせるテクニックをしっかり持っていましたし、そのテクニックによって勝利をもぎ取ることができました」


◆◆F.C.C. TSR Honda France 藤井正和総監督◆◆
「沢山の方々に応援してもらい、Team Japanとしてブリヂストンとも一緒に戦って、そして母国ホームグラウンドの鈴鹿でシリーズチャンピオンを獲得出来たことを、本当に嬉しく思います。過酷なシーズンでしたが、チームスタッフ、ライダーが一丸となり、皆様の応援がエネルギーとなって、世界一に押し上げてくれました。応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。」

◆◆ 株式会社ブリヂストン 執行役員 日本タイヤ経営企画担当 中田勇一 ◆◆
「4年連続で優勝を果たした YAMAHA FACTORY RACING TEAM の皆様に、心より御祝い申し上げます。不安定な天候の難しいコンディションの中、御客様を魅了する素晴らしいレースが展開されました。このような状況において当社のタイヤが十分に性能を発揮して勝利に貢献することができ、非常に嬉しく思います。そして、タイヤサプライヤーとして、13年連続で鈴鹿8耐優勝チームの足元をサポートできたことを光栄に感じます。また、優勝に加えて、ブリヂストンタイヤ装着チームが表彰台を独占できたことも大変嬉しく、素晴らしい成績を修められたチームと関係者の皆様に感謝いたします。弊社は、今後もさらに技術を磨き、より良いタイヤ作りを目指して参ります」

レース結果

コース:鈴鹿サーキット

決勝

  • 開催日:2018/07/29
  • 天候:Rain-Cloudy-Fine
  • 路面:Wet-Dry
  • 決勝出走:64
  • 完走:49
  • (5.821km x 199laps = 1158.379km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 21 中須賀 克行/A.ロウズ/M.V.D.マーク BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 199 50 2:07.611 08:00:01.728
2 33 高橋 巧/中上 貴晶/P.ヤコブセン BS Bridgestone Red Bull Honda with 日本郵便 CBR1000RR SP2 ホンダ 199 79 2:08.109 08:00:32.702
3 11 渡辺 一馬/J.レイ/L.ハスラム BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 198 1 77 2:07.527 08:01:43.310
4 95 生形 秀之/T.ブライドウェル/渡辺 一樹 BS Bridgestone エスパルドリームレーシング・IAI GSXR-1000 スズキ 196 3 97 2:09.505 08:01:48.403
5 5 J. フック/F.フォレイ/A.ティシェ BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda France CBR1000RR SP2 ホンダ 196 3 112 2:09.611 08:01:04.467
6 94 D.チェカ/N.カネパ/M.D.メリオ DL GMT94 YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 196 3 119 2:10.396 08:01:48.403
7 22 Z.ザイディ/T.ハーフォス/A.イズディハール BS Bridgestone Honda Asia-Dream Racing CBR1000RR SP2 ホンダ 195 4 27 2:10.094 08:00:05.666
8 19 清成 龍一/高橋 裕紀 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR SP2 ホンダ 195 4 120 2:09.600 08:01:15.526
9 111 E.ニゴン/S.ギンバート/Y.エルナンデス DL Honda Endurance Racing Team CBR1000RR SP2 ホンダ 194 5 79 2:11.168 08:00:45.594
10 12 津田 拓也/S.ギュントーリ/B.レイ BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L8 スズキ 194 5 91 2:08.846 08:01:14.582
11 71 加賀山 就臣/浦本 修充/J.ロバーツ DL Team KAGAYAMA U.S.A. GSX-R1000 スズキ 194 5 27 2:10.493 08:01:53.734
12 2 V.フィリップ/E.マッソン/G.ブラック DL Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 193 6 57 2:11.520 08:00:12.004
13 39 A.カドリン/D.カドリン/酒井 大作 BS Bridgestone BMW Motorrad 39 S1000RR BMW 193 6 101 2:11.487 08:00:37.749
14 121 K.ハニカ/S.バーリエーラ/O.ジェジュク BS Bridgestone Mercury Racing S1000RR BMW 192 7 73 2:11.939 08:01:22.389
15 135 C.イドン/M. ラバティ/武石 伸也 PI BMW Financial Services 135 S1000RR BMW 191 8 72 2:10.920 08:00:19.911
16 806 長尾 健吾/松本 隆征 BS Bridgestone NCXX Racing & ZENKOUKAI YZF-R1 ヤマハ 190 9 90 2:11.843 08:00:30.560
17 16 中津原 尚宏/関口 太郎/名越 哲平 BS Bridgestone Mistresa with ATJ Racing CBR1000RR SP2 ホンダ 190 9 107 2:11.272 08:00:33.382
18 6 徳留 和樹/奥田 貴哉/津田 一磨 BS Bridgestone Titanium Power Racing with HOOTERS YZF-R1 ヤマハ 190 9 96 2:13.009 08:00:49.230
19 26 奥田 教介/A.リー/大久保 光 BS Bridgestone ARMY GIRL TEAM MF & Kawasaki ZX-10R カワサキ 189 10 21 2:14.150 08:01:18.889
20 96 岩田 悟/小山 知良/大木 崇行 DL TEAM FRONTIER CBR1000RR ホンダ 189 10 104 2:12.806 08:01:44.332