小山知良が大きなリードを築きポールtoウイン！

51台ものエントリーを集めた全日本第7戦オートポリスのST600クラス。予選は2組に分かれてのタイムアタックとなった。現在ランキングトップの小山知良はA組、4点差で追いかけるディフェンディングチャンピオン岡本裕生はB組に振り分けられた。

好天に恵まれた予選セッション。A組では小山が1分53秒403でトップタイム。B組の岡本が逆転をねらいB組トップも1分53秒578。これで小山がポールポジション獲得となった。
小山は「なかなか一発タイムが出せなかった。でも走るたびに路面コンディションがよくなり、JSB1000クラスの予選を見て、さらにコンディションがよくなったと判断してセッティングを変更したらそれが当たった」とコメント。さらに「トップライダーはどんなにコンディションが悪くてもとんでもないタイムを出すことをGP経験で学んだ。予選順位よりも、テストで出した1分53秒7を上回らないと自分自身で納得いかなかった」と続ける。そして「今回は予選落ちがないと聞いていたから1周目からプッシュしたのがカギだったと思う。昨年はチャンピオンをねらってシーズンをマネージメントしたがだめだった。今年は一切チャンピオンシップを考えず、常に全力プッシュしている。明日も勝ちだけを目指す」と気持ちを引き締めた。

薄雲が広がる中でスタートしたST600決勝。ポールシッターの小山がレースを引っ張る。背後につけた岡本を2周目にかわして2番手に浮上したのは奥田教介。この3台に國峰啄磨、長尾健吾を加えた5台でトップ集団が形成される。
4周目あたりには長尾が遅れ出し、トップ争いは4台に絞られる。小山はベストラップをたたき出しながらじりじりと後続を引き離す。
一人、1分53秒台で周回を重ねた小山は6周終了時点で後続に2秒以上のアドバンテージを築いてトップ独走態勢に移行。同時に2番手奪回の岡本は奥田、國峰と2位争いに移る。
小山はラスト4周に入ると1分54秒台にペースを落としたものの、そのままトップ独走優勝を飾った。奥田が3位に終わったことで小山は9点のリードのポイントリーダーとして最終戦に挑むことになった。

●小山知良（予選1位／決勝1位）
「今大会は『予選はさておき決勝は圧倒的な強さで勝つ。少なくとも5秒は引き離す』という目標を立てました。それは達成できたのですが、もう一つの『最後まで1分53秒台で走る』という目標が達成できなかったのが悔しいです。最終戦もチャンピオンにこだわらず、圧倒的な強さにこだわります。記録よりも記憶に残るレースをしたいと思います」

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「このクラスは接戦になることが多いのですが、今大会では小山知良選手が4周目くらいで後続を引き離し。力強いレースを見せてくれました。タイトルを争い岡本裕生選手がレース中盤以降にペースを上げられなかったのが少し気になりましたが小山選手と比べると何かがうまくかみ合わなかったのでしょうか。最終戦に向けてはポイント差が少し離れましたが、逆転するような強い走りを見せてくれることを期待します。2位に入った奥田教介選手も今回は序盤からトップ争いに加わった事で最終戦ではその勢いを維持し、いいレースを見せてくれるのではないかと思っています」