富士をよく知る小野佳寿美が予選から断然のパフォーマンス
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2024年10月19日(土) 〜 2024年10月19日(土)
静岡県の富士スピードウェイで10月19日の土曜日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第6戦が開催された。NDクラブマンクラスでは254号車の小野佳寿美が予選からライバルを圧倒。今年は富士のロードスターカップに全戦出場し、開幕戦では3位に入賞。走り込んだホームコースという地の利を活かした嬉しい初優勝だろう。一方で2位を争ったライバルたちの間には波乱のドラマも発生している。
この週末の2日間は「MAZDA FAN FESTA 2024 at FUJI SPEEDWAY」が開催されていたため、会場には多くのマツダファンが来場していた。
7時30分から行われたブリーフィングでは、マツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの久松忠輝マネージャーが登壇。
「今日はファンフェスタということで、レース観戦が初めての方も来場されていると思います。ぜひ、熱いけれどもクリーンなバトルを皆さんが披露してくださることを期待します」と挨拶された。
今回、クラブマンクラスには15台がエントリー。そのうち(写真左から順に)72号車の佐久間大聖、85号車のdannbo、274号車の三輪英則の3名はパーティレースには今回が初参加。恒例により自己紹介を兼ねた挨拶をすると、先輩たちから歓迎の温かい拍手が送られた。
●予選
前夜は雨が降った富士スピードウェイだったが、この日は秋らしいレース日和に。路面もドライに回復して、9時20分から20分間の公式予選が始まった。手元で計測したコンディションは気温21℃・湿度89%・路面温度19.8℃。
予選開始直後は、総合優勝を争うシリーズクラスの強豪たちの多くが様子見の状況。そんな中、クラブマンクラスでは254号車の小野佳寿美が7分過ぎに2分15秒845という好タイムを記録。予選が10分を経過した段階では、このタイムが総合でも5位だったので、小野のタイムがシリーズクラスでも通用するレベルだったことがわかる。その後、小野はタイムを2分15秒564まで削るものの、さすがに総合では17位というポジションに落ち着いた。続いたのは141号車の秋葉英貴でタイムは2分16秒050、3番手は29号車の鈴木幸尚で2分16秒318。こちらは小野との間に 1台のシリーズクラスを挟んで、19番と20番グリッドからの決勝スタートになる。さらに鈴木の後方にもクラス違いが1台いて、102号車の安西柊馬は22番グリッドを獲得。そこからはクラブマンがずらっと並んで、193号車の山本善隆と220号車の長南伸次が入賞圏内のクラス5位と6位で決勝をスタートすることになった。
●決勝
ジャパンツアーシリーズ第6戦の決勝はほぼオンタイム進行で、10時38分にローリング方式でスタート。10ラップ先のチェッカーフラッグを目指すバトルの火蓋が切られた。
直前に計測したコンディションは気温24℃・湿度73%・路面温度29.4℃となっていた。
このクラブマンクラスでは、予選でトップだった小野が決勝でも輝いた。1周目に予選2番手だった秋葉との間に、3台ものクラス違いを挟むことに成功。その後もほぼ最後まで安全圏でレースを進めたが、7周目の1コーナーでは大きくテールを振り出してしまい、あわやスピンという局面をカウンターステアで乗り切ったのもクラブマンの勝者らしいエピソードかもしれない。
ファイナルラップでは西日本シリーズで6度の王座を誇る88号車の本多永一を含む2台のシリーズクラスをパッシング。嬉しい初優勝を飾った。
一方、2位以下のバトルでは事件が起きた。序盤から前述の秋葉、予選3番手の鈴木、さらに予選ではクラス5位だった山本が差のない接近戦となり、その状態が延々と続いた。
そして5周目を終えて6周目の1コーナーに向かう時点では、山本が鈴木をパスすることに成功して、その勢いで秋葉をも捉えようと一気にチャージ。
ところが、そこで山本は秋葉に接触してしまい、2台とも少しダメージを負ってペースを落とすことになった。
これで鈴木の2位の座が安泰となり、さらに予選でクラス4番手だった安西が労せずにして3位に浮上することになった。つまりポディウムには小野、鈴木、安西の順に登壇。
そして先にゴールした山本に10秒のタイムペナルティが加算されたため、4位が秋葉、5位が山本となり、6位には予選クラス7番手から追い上げた60号車の黒田行治という結果になった。
優勝した小野選手コメント
「甲信マツダに勤務していますが、レースはプライベートで楽しんでいます。このNDはもう10万kmも走っていて、今日も最後はクラッチが滑ってヒヤヒヤでした。でも初優勝は嬉しいです。皆さん、ありがとうございました」
タイヤについて
「このタイヤは温度によるグリップの変化が激しいので、難しいです。ただ間違いなく勉強にはなっていますね」
これで今年のジャパンツアーシリーズは第7戦の岡山と、最終戦のオートポリスを残すのみ。第7戦は11月9日の土曜日に、西日本シリーズの第4戦とダブルタイトルで岡山国際サーキットにて開催される。またパーティレースの次の戦いは10月27日の日曜日、茨城県の筑波サーキットで東日本シリーズの最終となる第4戦が予定されている。
MAZDA MOTOR SPORTS
https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/
MAZDA ROADSTER NR-A
https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/grade/nr-a/
MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
https://www.party-race.com/
BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re004/
決勝
- 開催日:2024/10/19
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:15
- 完走:15
- (4.563km x 10laps = 45.63km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 254 | 小野 佳寿美 | BS | DIYガレージGIロードスター | 10 | 22'52.202 | ||||||
2 | 29 | 鈴木 幸尚 | BS | スズキロードスター | 10 | 23'00.809 | ||||||
3 | 102 | 安西 柊馬 | BS | ほいほいレーシングロードスター | 10 | 23'03.724 | ||||||
4 | 141 | 秋葉 英貴 | BS | AUTOCAFEロードスター | 10 | 23'09.157 | ||||||
5 | 193 | 山本 善隆 | BS | C&Dロードスター | 10 | 23'15.355 | ||||||
6 | 60 | 黒田 行治 | BS | kuro稲R_GYロードスター | 10 | 23'26.176 | ||||||
7 | 274 | 三輪 英則 | BS | マルテンサイトロードスター | 10 | 23'26.397 | ||||||
8 | 220 | 長南 伸次 | BS | マルテンサイトロードスター | 10 | 23'27.790 | ||||||
9 | 72 | 佐久間 太聖 | BS | RDSロードスター | 10 | 23'46.312 | ||||||
10 | 17 | 秋山 文弘 | BS | himhimrctロードスター | 10 | 23'55.172 | ||||||
11 | 94 | 小山 政則 | BS | コリーヌ ロードスター | 10 | 23'59.085 | ||||||
12 | 85 | dannbo | BS | だんぼ ロードスター | 10 | 23'59.516 | ||||||
13 | 107 | 上田 誠 | BS | MPSロードスター | 10 | 24'00.886 | ||||||
14 | 174 | 佐野 哲也 | BS | プリプリプリティーロードスター | 10 | 24'15.149 | ||||||
15 | 214 | 山元 貴之 | BS | SKRロードスター | 10 | 24'33.111 |