波乱のジャパンツアー開幕も、最後に笑ったのは石谷豪志

  • 開催場所:スポーツランド菅生
  • 開催日:2024年04月07日(日) 〜 2024年04月07日(日)
2024年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.1&北日本Rd.2 NDシリーズ

宮城県のスポーツランドSUGOでは4月7日、ロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第1戦が北日本シリーズの第2戦とダブルタイトルマッチで開催された。シリーズポイントを争ってチャンピオンを決めるNDシリーズには、多くの実力者が集結。トップを争う4台の激しいバトルは終盤に事件が連発した。結局、先頭でチェッカーフラッグを受けたのは前日のウイナー、118号車の石谷豪志だった。

4月6日から2日間にわたって、スポーツランドSUGOでは「MAZDA FAN FESTA 2024 IN TOHOKU」が開催された。この週末のSUGO周辺の天候は不安定で、土曜日の午後からは時折の雨。さらに日曜日の朝、サーキット周辺には霧が立ち込めていた。コースの路面も濡れていて心配されたが、マツダファンの願いが通じたのか、徐々に天候が回復してきた。
この一戦へのエントリーは合計29台。NDシリーズクラスが23台、NDクラブマンクラスが6台いう内訳だったが、シリーズとクラブマンの各1台が欠場となり、27台が予選に臨んだ。ブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループの久松忠輝マネージャーが挨拶。「昨日の北日本シリーズは素晴らしい戦いを見せていただきました。今日もまたジャパンツアーシリーズという名前に相応しい、熱くてクリーンなバトルを期待させていただきます」とパーティレーサーにエールを送った。
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初参加は3名で、写真右から186号車の勝木崇文、153号車の小野耀平、254号車の小野佳寿美。勝木と小野耀平はシリーズ、小野佳寿美はクラブマンに出場した。
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●予選
公式予選は9時5分からの15分間。路面が一部濡れているところがあるようで、ピットで待機するマシンもいた。コンディションは気温13℃、湿度84%、路面温度16.5℃。まずトップに立ったのは121号車の巳ノ瀬健太で、タイムは1分47秒471。続いて54号車の三宅陽大が1分47秒054で暫定トップに立った。前日の北日本シリーズ第1戦のポールが1分46秒536だったことを考えると、後半はさらにタイムアップするものと予想された。ところが1分46秒台に入ったのは、もう残り3分になろうとする頃。1分46秒462をアタック3周目に叩き出した張本人は初出場の勝木。実は彼、2022年に86/BRZレースのクラブマンでチャンピオンに輝いた実績を持っている。これに続いたのが63号車の吉田恭将だったが走路外走行でタイムが採用されず、一気に23番手までポジションをダウン。2番グリッドは前日の北日本シリーズ開幕戦のウイナー、石谷が1分46秒906で獲得した。
グリッド2列目以降のベストタイムは1分47秒台になった。3番手は35号車の加藤達彦で、4番手は16号車の上田純司。さらに2号車の関 豊と31号車の和光博紀が入賞圏内となるグリッド3列目で決勝をスタートすることになった。ちなみに三宅の名前がここにないのは、最低重量違反で予選タイムが無効となったためだ。ただし嘆願書の提出で、最後尾スタートながら決勝を走ることは許された。

●決勝
12ラップの決勝レースは予定より少し遅れ、11時53分にローリングスタートで戦闘開始となった。直前のコンディションは気温17℃/湿度69%/路面温度34. 8℃。前日より路面が8℃も高くなり、3ラップ多く走ることで、タイヤへの負担はさらに厳しくなることに。なおグリッドへの走行では前日に続いて予選上位のマシンにてキッズの同乗を実施したので、お子様の笑顔をどうぞご覧いただきたい。
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ポールシッターの勝木は先頭で1コーナーに消えていくが、2番グリッドの石谷の加速は今ひとつ。
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勝木の背後に迫ったのは3番グリッドだった加藤。さらに関は5番グリッドから2つポジションを上げて3位で1周目を戻ってきた。逆に2番グリッドだった石谷は4位に、4番グリッドだった上田が5位に後退し、6位はグリッド通りの和光が通過していく。
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少し後方では、9番グリッドだった281号車の久米田 昴が7位に浮上し、12番グリッドだった105号車の南澤拓実が9位にジャンプアップ。ちなみに久米田は昨年の北日本チャンピオンで、南澤は2021年の東日本王者かつマツダカップ受賞者。こうした実力者たちが予選では不本意な順位に甘んじるということで、今のジャパンツアーシリーズのレベルの高さが窺い知れる。
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当然のごとく、シリーズクラスの熱いバトルは2周目以降も続いた。勝木と加藤、関までの3台は一列になって走る感じだが、石谷は関の背後に超接近。時に右に、次には左からと攻め続けるが、プロの関はなかなか隙を見せてはくい。ところが、6周目のヘアピンで石谷がインを急襲して逆転。中高速コーナーの多いSUGOだが、立ち上がった先のコース幅が狭いここでの順位変動はあまり見たことがない。意表を突かれた感じの関も、ここは無理しなかったという印象を受けた。そしてもっと驚くべきドラマが、先頭グループが10周目に入った頃に起きた。なんと先頭の勝木に対して、複数回の走路外走行をしたということで「ドライブスルーペナルティ」の裁定がくだったのだ。さらに11周目の第1コーナーから第2コーナーにかけて、石谷が加藤のインに並びかけて、3コーナーでアウト側から前に出ることに成功。
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前日に上田に仕掛けて成功したシーンをまさに再現。次の周、勝木がピットロードにマシンを向けたので、苦もなく先頭に立つことになった。
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連日の激戦となったシリーズクラスだが、終わってみれば石谷の2連勝で終わった。表彰台には2位の加藤と3位の関も登壇。そして4位には上田、5位には33号車の惠木勇哉、6位には和光が入り、ここまでが入賞となった。なお23番グリッドからスタートした吉田が7位で、同様に最後尾からの三宅が8位でフィニッシュ。この2名は決勝では見事なパフォーマンスを見せてくれた。勝木も14位で完走は果たしている。
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優勝した石谷選手コメント
「ローリングスタートではラインの手前で追い越しそうになり、アクセルを緩めたのが失敗でした。かなり落ち込んでいたのですが、まさかこんな結果になるとは自分でもビックリです。加藤さんを抜いたのは、確かに昨日の経験が活きましたね」

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パーティレースの次の戦いは5月5日のこどもの日となる。茨城県の筑波サーキットで、ジャパンツアーシリーズの第2戦が東日本シリーズの第1戦とのダブルタイトルマッチで開催予定だ。また、4月16日の火曜日に、それに先立っての合同テストが同じく筑波サーキットで行われる。

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MAZDA MOTOR SPORTS
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レース結果

コース:スポーツランド菅生

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2024/04/07
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:22
  • 完走:21
  • (3.586km x 12laps = 43.032km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 118 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 12 21'44.354
2 35 加藤 達彦 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 12 21'45.138
3 2 関 豊 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 12 21'45.330
4 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 12 21'48.177
5 33 惠木 勇哉 BS Bridgestone プロフィエラビスタロードスター 12 21'54.720
6 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 12 21'56.260
7 63 吉田 恭将 BS Bridgestone YOSHIZOMmロードスター 12 21'56.836
8 54 三宅 陽大 BS Bridgestone TC CORSE ロードスター 12 22'05.096
9 121 巳ノ瀬 健太 BS Bridgestone ミノセロードスター 12 22'07.606
10 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 12 22'08.530
11 280 丹羽 英司 BS Bridgestone IDSレイルガルフロードスター 12 22'08.724
12 288 山根 正和 BS Bridgestone ガレージ山根レンタロードスター 12 22'08.980
13 186 勝木 崇文 BS Bridgestone RSイシイFEEDロードスター 12 22'09.371
14 71 登坂 紀 BS Bridgestone Moty'sJFSロードスター 12 22'13.700
15 89 鈴木 大智 BS Bridgestone OKわーくすM・Yロードスター 12 22'13.991
16 281 久米田 昂 BS Bridgestone IDSレイルガルフロードスター 12 22'20.420
17 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 12 22'20.615
18 153 小野 耀平 BS Bridgestone アンダーレRCロードスター 12 22'25.157
19 4 TOSHIYASU BS Bridgestone WATANABEロードスター 12 22'36.831
20 68 三差 康弘 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 12 22'41.200
21 105 南澤 拓実 BS Bridgestone SPK・TCRロードスター 11 20'06.204
- 28 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉三差製作所ロードスター DQ