山田 遼が2勝目を達成も、最終ラップの4ワイドに場内沸騰!

  • 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2025年04月26日(土) 〜 2025年04月26日(土)
2025年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.3 NDシリーズ

三重県の鈴鹿サーキットで4月26日、ロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第3戦が開催された。
年間王者を争うNDシリーズクラスを制したのは開幕戦・富士ラウンドの覇者、山田 遼。
第2戦のSUGOを制した石谷豪志と予選から鎬を削ったが、最後は抜け出して独走で2勝目を達成した。
そして鈴鹿が最高に盛り上がったのは、ファイナルラップの1コーナーに向けた4ワイドのバトルだった。

2002年に始まったパーティレースだが、ここ鈴鹿での開催は昨年に続いて2回目。
スーパー耐久のサポートレースというのも同様で観客も多く、注目を浴びる大会となった。
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エントリーはNDシリーズが23台、NDクラブマンが7台の計30台。実はこの鈴鹿大会は参加資格に条件がある。
NDシリーズは昨年の各シリーズで10ポイント以上か、今年ならば5ポイント以上を獲得しているドライバーに限られる。
またNDクラブマンも一定数以上の完走実績が条件。したがって本日は全員が経験者となっている。
この日の鈴鹿は青空に恵まれた。少し霞がかかった気配はあるが、雨の心配はない。
8時15分から行われたブリーフィングには、マツダのブランド体験推進本部の藤井雅裕さんが登壇。
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「F1グランプリも行われる鈴鹿でのパーティレースが今年も開催されました。今日は皆さん、ぜひ楽しんでください」と挨拶された。

●予選
公式予選は9時30分から20分間の予定で開始。1周が約6kmと長いこともあって、いつもの予選よりプラス5分で設定されている。
直前のガレージで計測した気温は17.7℃で湿度は35%。陽の当たっているピットロードの路温は34.1℃。
シリーズの1台が欠場となり、合計で29台がアタックに臨んだ。
まずはHCギャラリー・チームの3台が揃ってコースイン。その先頭はジャパンツアー開幕戦でデビューウインを果たした156号車の山田。
後続のチームメイトを少しずつ引き離し、アタック1周目に2分41秒737を記録。
これは昨年の初開催時の予選トップタイム(2分43秒538)を大幅に上回った。
続いてジャパンツアー第2戦のウイナー、117号車の石谷が2分41秒756で山田に肉薄した。
3番手は開幕戦で山田とワンツー・フィニッシュを達成した157号車の橋本 隼で、タイムは2分42秒524。
それに105号車の三宅陽大が2分42秒671、35号車の佐々木 光が2分42秒773、158号車の大田優希が2分42秒831と続いた。
と、各車がアタック2周目から3周目に入ったタイミングで事件が起きた。
開幕戦と第2戦でともに3位表彰台を獲得したポイントリーダー、147号車の石塚崇宣が、スプーンカーブでコースアウトしてバリアにヒット。
そこで動けなくなったことで、予選アタックは赤旗中断となったのだ。
オフィシャルの迅速な救出により、予選は9時48分から残り5分で再開された。つまり残されたアタックチャンスは各車1ラップずつ。
ここで輝きを見せたのが、すでにモニター最上段にいた山田。各セクターで自己ベストを更新して、叩き出したタイムが2分41秒614。
これが鈴鹿における新たなNDシリーズのコースレコードになった。石谷もアタックするが更新はならず。
そして128号車の普勝 崚が最後に2分42秒102を記録して3番グリッドに浮上し、橋本が予選4番手に。
さらに最終アタックでベストを更新した大田と佐々木が続いて、ここまでが入賞圏内で決勝をスタートする。
なお予選アタック中に痛恨のコースアウトを演じた石塚のマシンだが、幸いなことにこのS耐レースウイークはブリヂストンのワンメイク。
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決勝までにパドックのサービステントで、グラベルでの砂利噛みの修復とリムの組み直しを速攻で受けることができた。
さらに彼のマシンはホイールもポテンザRW006を選択していたことで、「強度の高さに改めて感謝しました」というコメントを発表している。

●決勝
8ラップの決勝レースはほぼオンタイム進行の13時05分に、ポールシッターの山田がコントロールラインを通過して戦闘開始に。
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予選と同様に計測したコンディションは、気温20.8℃/湿度27%/路面温度47.4℃となっていた。
オープニングラップから山田の背後に石谷がピタリと肉薄。
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3番手の普勝は少し離される一方で、その背後には佐々木が6番グリッドからジャンプアップ。
これに大田が続いて、4番グリッドだった橋本は順位をふたつ落としてしまった。
序盤に勢いが良かったのは前述の佐々木と、8番グリッドだった56号車の小林太一。
3周目のS字で佐々木は普勝を捉えて3位に浮上し、同じ周回のデグナーでは小林が前を行く予選7番手だった三宅を抜いて、それぞれポジションを上げた。
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その結果、山田と石谷のトップ2と、佐々木を先頭に普勝と大田の3〜5位の争い、橋本と小林と三宅の6〜8位のグループという、上位陣は3つの集団でのバトルになった。
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そして4周目のスプーンカーブで、クラブマンクラスの1台がコースアウトしてグラベルに一時ストップ。
この救出作業のためにセーフティカー(SC)が導入され、これが6周目まで続いた。先ほどの3つの集団も一度解消され、一列になってSCを追走。
つまり、レースは残り2周のスプリント決戦になった。
バトルが再開された7周目からは、場内MCが絶叫するシーンが続出した。まずはS字で石谷が山田のイン側にノーズを入れてトップが逆転。
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ただ山田も即座にスイッチを入れ替えて、高速コーナー130Rのアウト側から並びかけての再逆転に成功。
この攻防で山田は集団を抜け出して、ファイナルラップは独走状態に。
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一方でこの周のシケインで佐々木が石谷に並びかけた結果、2位と3位が入れ替わった。
そしてファイナルラップに突入し、この1コーナー進入時の2位争いが4ワイド状態になった。
当初はイン側から普勝と石谷、佐々木の3ワイドだったが、普勝と石谷の間に空いたスペースに大田がノーズを入れ込んで4台並走に。
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さて、このままでは接触必至という状況で、引いたのは普勝と石谷の2台。
おそらくレースの神様は、これを見ていたかもしれないと思うのは言い過ぎだろうか。
この混乱のあと、一度は前に出た大田と佐々木には試練が待っていた。残り1周弱のわずかな攻防で、諦めずに攻め続けた石谷と普勝の順で抜け出した。
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これに橋本が続いて、大田と佐々木という順でチェッカーを受けたが、1コーナーで一番アウト側にいた佐々木のコース復帰が危険なドライブ行為と裁定されて、競技結果に40秒が加算された。
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整理すると優勝は山田。終わってみれば開幕戦と同様のポールtoウインで2勝目を達成し、ランキングもトップに復帰した。
2位の石谷と3位の普勝がポディウムに登壇。
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さらに4位と5位には橋本と大田という山田のチームメイトがダブル入賞。
6位には昨年の西日本王者の小林が繰り上がった。ちなみに最後尾スタートだった石塚はオープニングだけで7台をパッシング。
その後も順位を上げて13位でフィニッシュしている。
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優勝した山田選手コメント
「石谷選手とのクリーンなバトルに感謝します。S字ではシフトミスで抜かれてしまいましたが、すぐに挽回したことで混戦のリスクを避けられたのは、いい判断だったと思います。チームで戦っている成果もあるので、次のもてぎでは3名全員で表彰台に立ちたいです」
タイヤについて
「SUGOラウンドでは特にきつかったこともあり、エンジニアと相談して、鈴鹿では後半重視のセッティングにしたことが上手くいったと思います」


もうひとつのトピックとして、東海マツダがスーパー耐久のMAZDA SPIRIT RACINGのチームにディーラーメカニックを初めて派遣。
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さらにパーティレース終了後の公道車検にも同じくメカニックが来場して、業務をこなしていた。
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これを機会にモータースポーツへの関わりを今後より深めていきたいとのことだった。
次回のパーティレースは5月5日の祝日に茨城県の筑波サーキットで開催される「筑波サーキット・カーフェスティバル2025(筑フェス)」の中で行われる、東日本シリーズの開幕戦。
またジャパンツアーシリーズの次の戦いは栃木県のモビリティリゾートもてぎにて、6月15日に第4戦が開催予定だ。
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MAZDA MOTOR SPORTS
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MAZDA ROADSTER NR-A
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MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
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BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
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レース結果

コース:鈴鹿サーキット

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2025/04/26
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:22
  • 完走:22
  • (5.807km x 8laps = 46.456km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 156 山田 遼 BS Bridgestone HC・ZENKAIロードスター 8 23'38.105
2 117 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 8 23'40.678
3 128 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 8 23'41.465
4 157 橋本 隼 BS Bridgestone HC・ミッドランドロードスター 8 23'41.756
5 158 大田 優希 BS Bridgestone HC・BT-X ロードスター 8 23'42.189
6 56 小林 太一 BS Bridgestone youサービスロードスター 8 23'43.898
7 105 三宅 陽大 BS Bridgestone SPK・TCR ロードスター 8 23'44.408
8 146 岸 智裕 BS Bridgestone KRTKロードスター 8 23'44.995
9 37 菅田 政宏 BS Bridgestone SimGoyaROADSYER 8 23'45.683
10 26 田宮 駿 BS Bridgestone ターマックプロFfロードスター 8 23'45.902
11 99 藤井 善武 BS Bridgestone ZENSHINロードスター 8 23'49.397
12 88 本多 永一 BS Bridgestone LEG Eds ロードスター 8 23'50.189
13 147 石塚 崇宣 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 8 23'51.462
14 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 8 23'52.306
15 19 田中 健太 BS Bridgestone KMRロードスター 8 23'52.663
16 200 YOSHIKI BS Bridgestone ジャスミン ロードスター 8 23'55.476
17 121 巳ノ瀬 健太 BS Bridgestone 巳ノ瀬建設MKMKロードスター 8 23'58.458
18 288 山根 涼 BS Bridgestone ガレージ山根ロードスター 8 23'58.605
19 4 TOSHIYASU BS Bridgestone WATANABEロードスター 8 24'04.409
20 260 新藤 遼介 BS Bridgestone ターマックプロ ロードスター 8 24'05.625
21 108 TAROU KAJITANI BS Bridgestone Mm58ドライブロードスター 8 24'08.444
22 35 佐々木 光 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 8 24'23.845