自動車レースには大きく2つのカテゴリーがある。ひとつは、インディカー・シリーズやF1などに代表される、オープンホイールのクルマ(フォーミュラカー)を使ったレース。そしてもうひとつがアメリカのNASCAR、ヨーロッパのDTM、そして日本のSUPER GTなどに代表される、いわゆる"ハコ車"のレースである。

SUPER GTとは?

国内最高峰のモータースポーツと言われ、圧倒的なパフォーマンスを持つマシンによって、毎年激しいコンペティションが行われているSUPER GT。特に、トヨタ、ホンダ、日産がワークス体制で参戦するGT500クラスは、各社ともその威信を賭けた戦いを繰り広げている。自動車レースはドライバーの戦いであると同時に、技術の戦いでもある。ワークス体制で参戦しているということは、レース結果は自動車メーカーとしての技術力や企業イメージにつながることもあり、開発はヒートアップ。それはそのまま、レースが白熱することにもつながるのである。

開発はマシンだけではない。SUPER GTは、複数のタイヤメーカーのコンペティションがある、世界的に見ても稀有なレース。GT500クラス、GT300クラスともブリヂストンをはじめ全4メーカーが参戦。熾烈なタイヤ競争を展開している。
この自動車メーカー、そしてタイヤメーカーのそれぞれの誇りと威信を賭けた戦い...それがSUPER GTのおもしろさを生み出しているといえる。

SUPER GTには、前述のように、GT500クラスとGT300クラスがある。GT500クラスには今年から新車両が投入され、トヨタGR Supra、ホンダNSX-GT、日産GT-Rが参戦する。各メーカーとも精力的なテストを既に2019年シーズン中より開始しているが、空力性能やエンジンについては開発範囲が制限されている。その意味で2020年もタイヤの性能が勝負の鍵を握るのは間違いない。今年も各社マシンによる白熱した戦いが繰り広げられそうだ。

また、GT500クラスはドイツツーリングカー選手権(DTM)との間で、レギュレーションの統一化、いわゆる"クラス1"規定の導入を段階的に進めており、SUPER GTでも今年から全面導入される。これまでエンジンやモノコック等の基本部分について統一化を果たしてきており、昨年は日独両国で交流戦が開催され大きな盛り上がりを見せた。

GT300クラスは、大きく分けて「FIA GT3」と「JAF-GT」の2種類の規格に準じた車両が参戦している。「FIA GT3」は今世界中でレースが行われている車両規格で、スポーツカーをベースとしたレース専用の市販車両である。SUPER GTにもメルセデスベンツ・アウディ・BMW・ポルシェ・ランボルギーニ・アストンマーチン・レクサス・日産・ホンダといったメーカーのGT3車両が多数参戦している。
一方「JAF-GT」はSUPER GT独自の規格で、車両はトヨタプリウス・86・GRスープラ、スバルBRZといった馴染みのある名前と見た目であるが、中身は完全に別物となっている。またFIA GT3と比較して改造や調整の範囲が広いと言われている。

SUPER GTの決勝レースは、GT500クラスとGT300クラスの2クラスが混走して行われる。まず、ローリングスタート方式でGT500クラスがスタート。それから遅れて、GT300クラスがスタートする。ここがひとつのポイント。スピードの違う、2クラスが同時にレースをすることで、サーキットの至るところでバトルが行われ、サーキットを訪れたファンの方々は、さまざまなバトルを見て楽しむことができる。

そして、SUPER GTのレースをさらにおもしろくしているのが、「ウェイトハンディ制」の導入だ。これはクルマのパフォーマンスをレースごとにある程度均一化することで、バトルを増やそうというもの。入賞者には、次戦レースで獲得ポイントと連動したハンディが課される。GT500クラスでは、50kgまではウェイトのみによるハンディが、それ以降はウェイトと燃料流量リストリクターを併用したハンディが課され、マシンのパフォーマンスが引き下げられることになる。一方GT300クラスでは燃料流量のハンディはなく、ウェイトのみで100kgまでのハンディとなる。
このウェイトハンディをも戦略の中に取り込み、ポイントを積み重ねながら年間のシリーズ戦を戦い抜くことができた者だけが、年間王者の栄誉に浴することができるのである。

ブリヂストンとSUPER GT

SUPER GTの前身である「全日本GT選手権」が、1994年に始まって以来、17年連続でGT500クラスのチャンピオンの足元を支えてきたブリヂストン。2011年、2012年、2014年、2015年は残念ながら優勝から遠のいたが、再び2016年から2019年まで4年連続でブリヂストン装着チームがシリーズ優勝を獲得している。特に2019年は、共にブリヂストン装着のWAKO'S 4CR LC500とKeePer TOM'S LC500が最終戦ツインリンクもてぎの終盤までデッドヒートを繰り広げたが、僅かな差でWAKO'S 4CR LC500が2019年シリーズタイトルを獲得しレクサスLC500の最終年を有終の美で飾った。この最終戦はSUPER GTの面白さを象徴するような一戦となった。
ブリヂストンには、エントリーカテゴリーであるレーシングカートから、世界最高峰のF1までを経験したからこそ蓄えられた技術とノウハウがある。
勝利の探求に終わりはない。そのためにブリヂストン技術陣の魂が込められたレース。SUPER GTは、そのようなレースと言えるのかもしれない。

2020年シーズンの見どころ

GT500クラスは、新車両が投入されこれまで以上にトヨタ、ホンダ、日産による激しい戦いが展開されると予想される。2020年ブリヂストンは、トヨタ勢5チーム、ホンダ勢3チーム、日産勢1チームの、合計9台にタイヤを供給する。
GT300クラスは、昨年に引き続き合計5台にタイヤを供給する。FIA GT3、JAF-GTいずれにおいてもブリヂストンはパフォーマンスを発揮しており、ブリヂストン装着チームどうしの熱い闘いが見られるはずだ。
「チャンピオンチームの足元を支える」というブリヂストンの熱い思いに変わりは無い。常に新たな技術が積極的に盛り込まれているブリヂストンタイヤによる、さらなるパフォーマンスの向上が期待されている。

ブリヂストンサポートチーム

◆GT500クラス
8. ARTA
12. TEAM IMPUL
14. TGR TEAM WAKO'S ROOKIE
17. KEIHIN REAL RACING
36. TGR TEAM au TOM'S
37. TGR TEAM KeePer TOM'S
38. TGR TEAM ZENT CERUMO
39. TGR TEAM SARD
100. TEAM KUNIMITSU


◆GT300クラス
6. ADVICS muta Racing INGING
31. apr
52. 埼玉トヨペット Green Brave
55. ARTA
65. K2 R&D LEON RACING