クラス3番手グリッドからスタートした加藤寛規/柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス/YH)が10年ぶりの優勝を飾る。開幕戦を制した吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)が6位まで追い上げてポイントランキング首位を堅持
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2020年08月08日(土) 〜 2020年08月09日(日)
2020年オートバックスSUPER GTシリーズの第2戦は開幕戦と同じ富士スピードウェイが舞台。今季からブリヂストンがタイヤ供給を開始したマザーシャシーを駆る阪口良平/小高一斗(ADVICS muta MC86/BS)が初ポールポジションを獲得。決勝レースは開始直後から優勝した加藤寛規/柳田真孝(シンティアム・アップル・ロータス/YH)を含むトップグループが混戦状態となった。ポールスタートの阪口/小高組は、徐々に後退、2番手グリッドからスタートした高木真一/大湯都史樹(ARTA NSX GT3/BS)が3位フィニッシュを果たした。
<予選>
今回もGT300クラスは2グループに分かれて予選Q1が行われた。各グループのトップ8台、計16台で決勝の上位グリッドを決するQ2では、阪口/小高組のルーキードライバー小高がベストタイムを叩き出し、チーム結成初のポールポジションを奪取。これに同じくルーキーの大湯がQ2のアタックを担当した高木/大湯組が続き、決勝のフロントローはブリヂストンタイヤ装着車が独占。開幕戦の優勝チーム、吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)は、今季から変更されたウェイトハンディ規定によって60kgを搭載(獲得ポイントx3kg)。Q2への進出を果たしたが、9番手グリッドを確保するのがやっとだった。
<決勝>
今回から決勝レースにおいて4輪全てのタイヤを交換する義務が加えられた。GT300クラスのタイヤ戦略は狭められ、開幕戦のように無交換、または、2本交換の戦略をとることはできなくなった。スタート直後からトップグループは激しい順位争いが繰り広げられた。ポールスタートの阪口/小高組は首位を守ったが、4番手スタートの井口卓人/山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT/DL)が2番手に上がり、加藤/柳田組が3番手に。高木/大湯組は、4番手に後退してしまった。トップの阪口/小高組は、レース序盤からペースが上がらずに苦しい展開となった。コース上のタイヤゴム片がタイヤのトレッドについてしまうピックアップという現象によってグリップが低下して、9周目に3位へ順位を落とし、その後20周して早めのピットイン、ドライバー交代とピット作業を行い大きく順位を下げてしまった。トップの2台には差を開かれながらも高木/大湯組と蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)は3位争いを展開。終盤までそれは続き、高木/大湯組が蒲生/菅波組を突き放して3位表彰台を獲得した。吉田/川合組は、苦しい展開の中でも6位フィニッシュ。ポイントランキングトップを守ったが、次戦は75kg(25ポイントx 3kg)のウェイトハンディを背負うこととなった。
<3位 ARTA NSX GT3 ドライバーコメント>
高木真一選手「もっとやれると思っていたのですが、前のマザーシャシーとJAF-GTのマシンたちが思った以上に速かったですね。順位を落とさないようになんとか踏ん張って大湯に繋ぎましたが、コンディションに合わせたセッティングを詰めきれませんでしたね。次の鈴鹿はテストで良い結果が出ているので、期待していてください」
大湯都史樹選手「苦しい、難しい状況の中でなんとか3位を獲得することができました。ブリヂストンさんが良いタイヤを供給してくれたのに、それをうまくコンディションに合わせたセッティングができずに苦しい状況をつくってしまった。鈴鹿ではもっと良い結果が出せると思います」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「決勝の4輪タイヤ交換義務は直前に通達されたので、すでに第2戦に向けたタイヤは製造し終えていて、対応することはできませんでした。予選で今シーズンから供給を開始させていただいているマザーシャシーの86がポールポジションを獲得してくれました。われわれにとって初のMC86ですので、嬉しい予選結果でした。しかし、決勝ではピックアップが起こってしまって、順位を下げてしまいました。今後この現象に対する開発が必要となってきています。獲得ポイントに対する規則も変わって、今後はランキング上位陣には苦しい戦いとなってきますが、しっかりとサポートしてシーズンを戦っていきます」
決勝
- 開催日:2020/08/09
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 路面温度:42°〜40°
- 決勝出走:30
- 完走:28
- (4.563km x 61laps = 278.343km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 2 | 加藤 寛規/柳田 真孝 | YH | シンティアム・アップル・ロータス | 61 | 1:42:56.201 | ||||||
2 | 61 | 井口 卓人/山内 英輝 | DL | SUBARU BRZ R&D SPORT | 61 | +1.585 | ||||||
3 | 55 | 高木 真一/大湯 都史樹 | BS | ARTA NSX GT3 | 61 | +14.454 | ||||||
4 | 65 | 蒲生 尚弥/菅波 冬悟 | BS | LEON PYRAMID AMG | 61 | +15.729 | ||||||
5 | 56 | 藤波 清斗/J.P.デ・オリベイラ | YH | リアライズ日産自動車大学校 GT-R | 60 | |||||||
6 | 52 | 吉田 広樹/川合 孝汰 | BS | 埼玉トヨペットGB GR Supra GT | 60 | |||||||
7 | 34 | 道上 龍/J.パーソンズ | YH | Modulo KENWOOD NSX GT3 | 60 | |||||||
8 | 21 | 川端 伸太朗/近藤 翼 | YH | Hitotsuyama Audi R8 LMS | 60 | |||||||
9 | 6 | 阪口 良平/小高 一斗 | BS | ADVICS muta MC86 | 60 | |||||||
10 | 10 | 星野 一樹/石川 京侍 | YH | TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R | 60 | |||||||
11 | 5 | 坂口 夏月 /平木 湧也 | YH | マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 | 60 | |||||||
12 | 360 | 青木 孝行/柴田 優作 | YH | RUNUP RIVAUX GT-R | 60 | |||||||
13 | 244 | 久保 凜太郎/三宅 淳詞 | YH | たかのこの湯 RC F GT3 | 60 | |||||||
14 | 31 | 嵯峨 宏紀/中山 友貴 | BS | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 60 | |||||||
15 | 88 | 小暮 卓史/元嶋 佑弥 | YH | JLOC Lamborghini GT3 | 60 | |||||||
16 | 60 | 吉本 大樹/河野 駿佑 | MI | SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 | 60 | |||||||
17 | 30 | 永井 宏明/織戸 学 | YH | TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 60 | |||||||
18 | 18 | 小林 崇志/松浦 孝亮 | YH | UPGARAGE NSX-GT3 | 60 | |||||||
19 | 9 | 藤井 誠暢/K.コッツォリーノ | MI | PACIFIC NAC D'station Vantage GT3 | 60 | |||||||
20 | 25 | 松井 孝允/佐藤 公哉 | YH | HOPPY Schatz GR Supra | 60 | |||||||
21 | 11 | 平中 克幸/安田 知宏 | DL | TANAX GAINER GT-R | 59 | |||||||
22 | 7 | 荒 聖治/山口 智英 | YH | Studie BMW M6 | 59 | |||||||
23 | 96 | 新田 守男/脇阪 薫一 | DL | HACHI-ICHI GR Supra GT | 59 | |||||||
24 | 50 | 加納 政樹/山下 亮生 | YH | ARNAGE AMG GT3 | 59 | |||||||
25 | 87 | 高橋 翼/山田 真之亮 | YH | T-DASH ランボルギーニGT3 | 59 |