2020年のチャンピオンチーム、山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)がツインリンクもてぎでポールtoウィン、今季初勝利を飾る。
- 開催場所:ツインリンクもてぎ
- 開催日:2021年07月17日(土) 〜 2021年07月18日(日)
梅雨明けとともに一気に暑い夏がやってきた。5月に行なわれた第2戦から二ヶ月半ぶりのSUPER GTレース。第3戦の鈴鹿戦が延期されて、先にもてぎの第4戦が行われることになった。気温は30度を超え路面温度は一時50度を超える灼熱のレースで、予選でポールポジションを獲得した山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)が63周レースの序盤にトップを奪われるも、ピットイン後にトップを奪還、そのままゴールへと突き進んだ。
<予選>
路面温度が45度に達した土曜日の予選の段階からタイヤメーカー間のタイム争いが熾烈だった。サクセスウェイト22キロの山本/牧野組がQ1でトップに立つが、その背後にはサクセスウェイトがゼロの笹原右京/大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT/DL)、サクセスウェイト10キロの国本雄資/宮田莉朋(WedsSports ADVAN GR Supra/YH)が続いた。続くQ2のセッション終盤では激しくトップが入れ変わったが、最後に山本/牧野組がトップタイムを叩き出した。しかし、その差僅かに0.051秒。2番手には国本/宮田組がつけてフロントローを確保。笹原/大湯組が3番手。その後ろには、トムスチームの2台。サクセスウェイト30キロの関口雄飛/坪井翔(au TOM’S GR Supra/BS)とサクセスウェイト46キロの平川亮/阪口晴南(KeePer TOM’S GR Supra/BS)が続いた。開幕戦の岡山で優勝、第2戦の富士で2位となってサクセスウェイト70キロ(燃料供給制限2段階+実ウェイト36キロ)の大嶋和也/山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)や第2戦優勝でサクセスウェイト52キロ(燃料供給制限1段階+実ウェイト35キロ)の塚越広大/ベルトラン・バゲット(Astemo NSX-GT/BS)はサクセスウェイトに苦しんで下位に沈んでしまった。
<決勝>
予選日にも増して気温と路面温度が高まった決勝。スタート時には路面温度は48度、レースの半ばには53度まで達した。スタートポジションを守った山本/牧野組だったが、積極的な展開に持ち込んだ国本/宮田組が7周目にトップを奪った。トムスチームの2台は、1周目に順位をアップして関口/坪井組が3番手、平川/阪口組が4番手に着けていた。トップが入れ替わったのはピットインのタイミングだった。ドライバーの最低周回(レース距離の3分の1=21周)を過ぎてトップグループで最初にピットインしたのが山本/牧野組。23周してピットイン、ドライバー交代。国本/宮田組は27周してピットイン。しかしピット作業で痛恨のタイムロス、トップの座を失ってしまった。お互いに長いセカンドスティントで、一時は1秒以内の僅差で周回が重ねられたが、最終盤に山本/牧野組が国本/宮田組を突き放して見事ポールtoウィンを達成した。
<優勝ドライバーコメント>
山本尚貴選手「本当に会心の勝利だと思っています。思い描いていた理想の展開に持ち込み、最初にチェッカーを受けることができて、本当に最高の勝利です。僕の地元であるツインリンクもてぎでポールポジションを獲ったのも今回が初めてでしたが、優勝できたのも初めてでした。もてぎの表彰台の一番高いところに上りたいと思い続けながら、SUPER GTでもスーパーフォーミュラでもなかなか実現できず、気付けば12年も経っていました。それがようやく表彰台のトップに立つことができました。そこに僕を立たせてくれたチームの皆さん、牧野選手、そしてホンダさんとブリヂストンさんに感謝しています」
牧野任祐選手「山本先輩は、すごいです。僕はいろいろあって開幕戦を欠場して、前戦の富士から戻ってくることができました。そして今回のレースで優勝することができて本当に良かったです。レースでは僕が担当した前半スティントではちょっと厳しいところがあったのですが、落ち着いて走ることができていましたし、後半スティントに向けて自分ができることはやれたかなという気持ちです。勝てたのは、尚貴さん、ホンダさん、ブリヂストンさんのおかげだと思います。『見ていてこんなに心臓に悪いレースは、走っている方になるとどうなるんだろう!?』と思っていました(苦笑)。チームの皆さんも素晴らしい作業でクルマを送り出してくれて、ポール・トゥ・ウインという僕たちが狙っていた結果を得ることができました。ところで、僕はレーシングカートから4輪のレースに上がったときに、まずスーパーFJを走りました。そのときに「4輪のレースとは…」ということを教えてくださったのが、今回のGT300クラスで優勝された阪口良平さんなのです。だから、良平さん、おめでとうございます。ありがとうございました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「梅雨明けとともに一気に気温と路面温度が上昇しましたが、この状況は想定していました。決勝のスタート時は、路面温度はまだ50度以下でしたが、レースの序盤で53度まで上昇していました。やはり、50度以上がずっと続いてしまうとかなり厳しい状況でしたが、その後はまた50度以下になっていました。この厳しい状況下でも安定したパフォーマンスを発揮できましたが、今回ライバルメーカーのパフォーマンスが良く、今後のシリーズ展開を考えると、ウカウカしていられないなと、気を引き締めて臨まなくてはならないと改めて感じたレースでした」
決勝
- 開催日:2021/07/18
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (4.801km x 63laps = 302.463km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 1 | 山本 尚貴/牧野 任祐 | BS | STANLEY NSX-GT | 63 | 1:54'03.865 | ||||||
2 | 19 | 国本 雄資/宮田 莉朋 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 63 | 1:54'07.086 | ||||||
3 | 36 | 関口 雄飛/坪井 翔 | BS | au TOM'S GR Supra | 63 | 1:54'15.745 | ||||||
4 | 16 | 笹原 右京/大湯 都史樹 | DL | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 63 | 1:54'33.091 | ||||||
5 | 8 | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 63 | 1:54'34.386 | ||||||
6 | 3 | 平手 晃平/千代 勝正 | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 63 | 1:54'58.029 | ||||||
7 | 37 | 平川 亮/阪口 晴南 | BS | KeePer TOM'S GR Supra | 63 | 1:55'00.607 | ||||||
8 | 38 | 立川 祐路/L.ジャトン | BS | ZENT CERUMO GR Supra | 63 | 1:55'01.137 | ||||||
9 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 63 | 1:55'01.638 | ||||||
10 | 39 | H.コバライネン /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 63 | 1:55'02.185 | ||||||
11 | 12 | 平峰 一貴/松下 信治 | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 63 | 1:55'10.422 | ||||||
12 | 24 | 高星 明誠/佐々木 大樹 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 63 | 1:55'19.947 | ||||||
13 | 14 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 62 | 1:54'16.311 | ||||||
14 | 17 | 岩澤 優吾/B.バゲット | BS | Astemo NSX-GT | 49 | 1:30'51.364 | ||||||
- | 64 | 伊沢 拓也/大津 弘樹 | DL | Modulo NSX-GT | 43 | DNF |