1周目にトップを奪った高星明誠/三宅淳詞(Nittera MOTUL Z/BS)が優勝
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2024年05月03日(金) 〜 2024年05月04日(土)
例年通りゴールデンウィーク後半にSUPER GTの第2戦が富士スピードウエイで行われ、予選と決勝合わせて88,400人のモータースポーツファンが詰めかけた。今回の決勝レースはSUPER GT初の3時間のタイムレース。使用できるタイヤのセット数は、ドライタイヤは6セット。ウエットタイヤは7セット。そして、決勝中に給油を伴う2回のピットインが義務付けとなった。予選2番手からスタート直後の1コーナーで首位を奪った高星明誠/三宅淳詞(Nittera MOTUL Z/BS)が終始トップを守り、チームメイトのR.クインタレッリ/千代勝正(MOTUL AUTECH Z/BS)を従えて優勝。3位にポールポジションスタートの塚越広大/太田格之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT/BS)がゴールした。
<予選>今年の予選は、Q1とQ2のタイムを合算して決勝のスターティンググリッドを決する。そして予選から決勝のスタートまで1セットのタイヤのみが使える。快晴の五月晴れの下で開始された予選は、路面温度が一気に上昇する状況だった。今年からホンダが投入したCIVIC TYPE R-GTが予選前の練習走行から速さを見せていた。開幕戦の決勝で他車から追突をされて1周もすることなく戦列を去らなくてはならなかった塚越/太田組が練習走行とQ1でトップタイムを叩き出し、Q1では野尻智紀/松下信治(ARTA MUGEN TYPE R-GT/BS)、大津弘樹/佐藤蓮(ARTA MUGEN TYPE R-GT/BS)も加えて3台のホンダ勢でトップ3を独占。Q2においては、日産勢がタイムアップ。Q2単独のトップタイムはクインタレッリ/千代組。これに高星/三宅組が続き、合算タイムでは塚越/太田組がCIVIC TYPE R-GTに初ポールポジションをもたらした。ブリヂストン装着車は、トップ7のグリッドまでを占めた。
<決勝>全国各地で7月並みの高い気温が予測され、富士スピードウエイでもスタート時点で気温が23度、路面温度が41度まで上昇していた。午後1時36分を過ぎに3時間レースのスタート後切られた。ポールポジションの塚越/太田組に襲いかかった高星/三宅組は、1コーナーでトップを奪取すると2位以下を引き離しにかかった。23周目にクインタレッリ/千代組が2位に上がりレースの序盤でニスモチームが1-2体制を築いたと思われたが、1回目のピットインタイミングで塚越/太田組が再び2位へ。2回目のピットインタイミングで今度はクインタレッリ/千代組が2位。そして3位に野尻/松下組が3位に順位アップして塚越/太田組とのホンダ同士の順位争いを展開した。しかし、残り時間8分で野尻/松下組にミッショントラブルが発生してピットに戻りリタイヤした。そしてレースはニスモチームの2台に続き、塚越/太田が3位でゴールラインを切り、トップから9位までをブリヂストン装着車が占めた。
<優勝ドライバーのコメント>
高星明誠選手「素直に優勝できたことはうれしく思います。今年からチームメイトが変わったのと、タイヤがブリヂストンタイヤに変わったということで、まだパフォーマンスのいいところを見つけられずに苦戦していたのですが、予選で総合2位になれれて、決勝のロングランがどうなるか心配でしたが、ロングランのペースも比較的安定していました。次戦以降に繋げられるいいデータも取れたんで、すべてにおいて習得があったレースだったと思っています。しかし、まだ自分たちが望んでいるクルマのバランスにはなっていないので、今回の優勝に満足しないでもっと上を目指します」
三宅淳詞選手「GT500にステップアップして2戦目で優勝できたってことは本当にびっくりしますし、とてもうれしいです。予選で思った以上のパフォーマンスが出せたと思いますし、それでフロントに並ぶことができました。ファーストスティントとセカンドスティントでは高星選手がスタートダッシュを決めてくれて、トップに立ちかなりマージンを作ってくれたので、僕自身は本当に慌てることなく落ち着いて、接触とか凡ミスのないように落ち着いてレースすることができました。高星選手とチームの皆さんがマージンを作ってくれたおかげで楽にレースができ勝てました。ドライビングを改善するべきところがあると感じていますし、この流れを変えることなく続けて行きたいです」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「今シーズンから供給させていただいているニスモさんの2台が1-2フィニッシュし、他メーカー、チームさんに対しても安定したパフォーマンスを提供できて随所で順位争いを展開していただいたと思っています。その中で優勝チームがひとつ抜け出ていたという感触です。スタート時の路面温度は想定レンジ内の上。そこからゴールへ向けて後半でレンジ内の下へ下降する状況でしたので、パフォーマンスが破綻することなくレースを展開していただきました。3時間レースは、結果的には全てのチームがほぼ同時にピットインすることとなっていましたのでタイヤ選択云々というよりもチームの総合力のさが結果に出たのではないでしょうか。次戦の鈴鹿も3時間レース。キャラクターの異なるサーキットでも供給する各チームをしっかりサポートして行きます」
決勝
- 開催日:2024/05/04
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:41°C〜35°C
- 決勝出走:15
- 完走:15
- (4.563km x 117laps = 533.871km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 3 | 高星 明誠 /三宅 淳詞 | BS | Niterra MOTUL Z | 117 | 3:01'16.898 | ||||||
2 | 23 | 千代 勝正 /R.クインタレッリ | BS | MOTUL AUTECH Z | 117 | 3:01'30.636 | ||||||
3 | 17 | 塚越 広大 /太田 格之進 | BS | Astemo CIVIC TYPE R-GT | 117 | 3:01'53.252 | ||||||
4 | 36 | 坪井 翔 /山下 健太 | BS | au TOM'S GR Supra | 117 | 3:01'54.900 | ||||||
5 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 | BS | KeePer CERUMO GR Supra | 117 | 3:01'58.535 | ||||||
6 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット | BS | MARELLI IMPUL Z | 117 | 3:02'05.262 | ||||||
7 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 | BS | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 117 | 3:02'07.259 | ||||||
8 | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 117 | 3:02'11.564 | ||||||
9 | 39 | 関口 雄飛 /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 117 | 3:02'31.481 | ||||||
10 | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 117 | 3:02'43.420 | ||||||
11 | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ | BS | Deloitte TOM'S GR Supra | 116 | 3:02'08.099 | ||||||
12 | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 116 | 3:02'46.523 | ||||||
13 | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 116 | 3:02'46.676 | ||||||
14 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 110 | 2:51'20.730 | ||||||
15 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 96 | 2:43'29.940 |