難しいコンディションを的確な判断と戦略によって蒲生尚弥/篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG/BS)が連勝!ランキングトップへ!

  • 開催場所:スポーツランドSUGO
  • 開催日:2024年09月21日(土) 〜 2024年09月22日(日)
2024年オートバックスSUPER GT第6戦スポーツランドSUGO【GT300クラス】

台風10号の影響で第5戦の鈴鹿戦が延期され、スポーツランド菅生の第6戦が先に行われた。土曜日から雨に翻弄され予選が中止され、タイムスケジュールの変更が行われ、そして決勝はどんどんコンディションが変化した中で蒲生尚弥/篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG/BS)が15番手グリッドから終盤にトップたって第4戦に続いて連勝を飾った。

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<予選は悪天候によりキャンセル、練習走行のタイムによって決勝グリッドを決定>前夜から降り続いた雨は、断続的に強弱を繰り返した。GT300クラスの予選は、雨の影響で予定時刻から10分遅れで開始されることとなったが、その後も降雨量が増して安全にセッションが行えないと判断されて中止された。決勝のスターティンググリッドは、午前中に行われたフリー走行で記録されたタイムを適用されることとなった。練習走行が開始された直後にポイントランキング7番手につけている吉田広樹/野中誠太(Green Brave GR Supra/BS)がSPコーナーインを立ち上がったところでスピン状態になってコースオフ、クラッシュ。このアクシデントでマシンは大破して、リタイヤする結果となってしまった。これが最初の赤旗中断となり、その後もコースオフ、クラッシュするマシンが相次ぎ、降雨量が一気に多くなったことも含めて計5回の中断があった。セッション中断、再開が繰り返され中で周回を重ね、ウエットコンディションは変わらないが、雨の量、コース上の水の量によって計測タイムに大きく影響し、運が左右した。ブリヂストンユーザーのトップは、小高一斗/中村 仁(apr LC500h GT/BS)が8番手。堤 優威/平良 響(muta Racing GR86 GT/BS)が9番手。雨量が多い状況では一時トップタイムをマークしていた蒲生尚弥/篠原拓朗組が、最終的に15番手となった。ベストタイムを記録したのは、平中克幸/清水英志郎(シェイドレーシングGR86 GT/MI)。なお、予選は中止されているので、グリッド順位3番手までにポイントは付与されない。

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<決勝>天候の変化を考慮して何回かスケジュールの変更が行われ、1時間遅れで決勝がスタートされた。コンディションは、小雨/ウエット。セーフティカー(SC)スタートで3周した後に4周目から競技が始まった。空は明るさを回復していた。急激なコンディション変化を予想してGT300では2台がスリックを装着していた。しかし、気温が20度に至らず、スタート時の路面温度は24度と低く、コースはなかなかドライアップしなかった。ブリヂストンタイヤユーザーは全車レインタイヤを装着。4周目の競技開始とともに蒲生尚弥/篠原拓朗組は、11位にポジションアップ。その後も着実に順位を上げて行った。レースの中盤までに1回SCが導入、フルコースイエロー(FCY)も一回展開された。そしてちょうどレースが半分消化された時点で蒲生尚弥/篠原拓朗組は、2位へ躍進していた。直後に2回目のSCが導入され、ピットロードがクローズされる前にほぼ全車がピットインしてスリックタイヤへ交換。コースがハーフウエットと難しいコンディションだった。その時点でのトップはケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー(PONOS FERRARI 296/MI)。蒲生/篠原組は、トップとの差を1秒以内に迫り、10周以上の接戦の末にトップに立ってトップでチェンカードフラッグを受けて、2連勝。ランキングでも2位以下に大差でトップに立った。

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優勝ドライバーのコメント
蒲生尚弥選手「まさか勝てるとは思っていなくて本当にびっくりしていますし、本当に嬉しいです。僕のスティントを振り返ると、雨量が少ないなかウェットタイヤでスタートして、いかにウェットタイヤで長く走れるか勝負というか、スリックタイヤに換えたとしても路面)乾きが遅くて辛そうだったので、いかにウェットタイヤで長く走るかというのがとても重要だと思っていたので、そこはブリヂストンタイヤのパフォーマンスが良くて追い上げることができたのが良かったです。あとはまたFCYが出るタイミングでのピットインもうまくいって、前戦同様に運も味方にできて連勝できました」
篠原拓朗選手「グリッドが15番手だったので、本当に勝てるとは思っていなくて、正直、びっくり、嬉しいというのが一番の気持ちですね。僕のスティント自体は、蒲生選手がすごく追い上げてくださって、さらにタイミング良くピットに入れたおかげで、ピットから出た時に「2位だよ」とチームから言われて、それも驚きでした。トップのクルマが結構近くにいたので、セーフティカー明けはプッシュしてプッシュして、本当はもっと早くに仕留めたかったのですけど、思いのほか時間はかかってしまいましたが、きちんとオーバーテイクできて1位でゴールできたので良かったなと思います。5レースを終えてシリーズランキングでトップに出たということですが、チームが毎回すごくいいクルマや戦略を用意してくれますし、チームメイトはすごい走りをする蒲生選手、最高のタイヤのブリヂストンさんで、とすごく恵まれた体制で今レースができていますので、残り3レースもきちんと成長し続けて、欲をかかずに、その時その時のベストなレースをし続けていけるように、とにかく頑張っていきたいと思います」

<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>「本当に難しいコンディションに対してレインタイヤのどのレンジを選択してどう戦略を立てるか。SCの入るタイミングがどこなのかなど、頭を悩ますことは多かったと思います。ブリヂストンタイヤユーザーさんの中で52号車の吉田/野中組が練習走行開始直後にクラッシュ、戦う前にリタイヤしてしまったのは残念でした。路面温度が低い中での走行は本当に難しかったと思います。そして15番手という後方から着実なポジションアップした蒲生/篠原組は、タイヤ選択と戦略が素晴らしく、そして連勝へと結果をつなげてくれました。コンディションにマッチしたタイヤを供給できたことはこの優勝を強くバックアップできたと思います」
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レース結果

コース:スポーツランドSUGO

[GT300]

決勝

  • 開催日:2024/09/22
  • 天候:Rain-Fine
  • 路面:Wet-Dry
  • 決勝出走:26
  • 完走:21
  • (3.586km x 79laps = 283.294km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 65 蒲生 尚弥 /篠原 拓朗 BS Bridgestone LEON PYRAMID AMG 79 2*11'59.248
2 45 K.コッツォリーノ /L.ワドゥー MI PONOS FERRARI 296 79 2:12'03.280
3 777 藤井 誠暢 /C.ファグ DL D'station Vantage GT3 79 2:12'23.970
4 7 荒 聖治 /N.クルッテン MI Studie BMW M4 79 2:12'34.465
5 61 井口 卓人 /山内 英輝 DL SUBARU BRZ R&D SPORT 79 2:12'40.175
6 31 小高 一斗 /中村 仁 BS Bridgestone apr LC500h GT 79 2:12'47.322
7 87 松浦 孝亮 /坂口 夏月 YH METALIVE S Lamborghini GT3 79 2:12'59.473
8 2 堤 優威 /平良 響 BS Bridgestone muta Racing GR86 GT 78 2:12'31.992
9 60 吉本 大樹 /河野 駿佑 DL Syntium LMcorsa GR Supra GT 78 2:12'35.258
10 88 小暮 卓史 /元嶋 佑弥 YH VENTENY Lamborghini GT3 78 2:12'37.229
11 56 佐々木 大樹 /J.P.デ・オリベイラ YH リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R 78 2:12'37.386
12 360 大滝 拓也 /青木 孝行 YH RUNUP RIVAUX GT-R 78 2:12'37.695
13 62 平手 晃平 /平木 湧也 YH HELM MOTORSPORTS GTR 77 2:12'02.083
14 9 阪口 良平 /冨林 勇佑 YH PACIFIC ふいすぽっ NAC AMG 76 2:12'15.718
15 48 井田 太陽 /柴田 優作 YH 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R 76 2:12'36.941
16 18 小林 崇志 /小出 峻 YH UPGARAGE NSX GT3 76 2:12'42.598
17 5 塩津 佑介 /藤波 清斗 YH マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号 76 2:12'56.459
18 50 I.O.フラガ /古谷 悠河 YH ANEST IWATA Racing RC F GT3 76 2:13'02.894
19 22 和田 久 /城内 政樹 YH アールキューズ AMG GT3 75 2:12'31.020
20 4 谷口 信輝 /片岡 龍也 YH グッドスマイル 初音ミク AMG 74 2:12'15.894
21 30 永井 宏明 /小林 利徠斗 YH apr GR86 GT 74 2:13'21.183
- 25 佐藤 公哉 /松井 孝允 YH HOPPY Schatz GR Supra GT 52 DNF
- 6 片山 義章 /R.M.ムンタン YH UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 48 DNF
- 11 富田 竜一郎 /石川 京侍 DL GAINER TANAX Z 36 DNF
- 96 新田 守男 /高木 真一 DL K-tunes RC F GT3 23 DNF
- 20 平中 克幸 /清水 英志郎 MI シェイドレーシング GR86 GT 21 DNF