Vol.42 2026年シーズン NEWブリヂストンドライバー紹介 PART2 名取鉄平選手

今シーズンからブリヂストンタイヤを装着する#24 リアライズコーポレーション Z。新たなパートナーに三宅淳詞選手を迎え入れ心機一転、2026シーズンに挑む名取選手に、オフシーズンテストでの手応え、シリーズ争いへの意気込みを伺いました。

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ーーKONDO RACINGは今年からブリヂストンタイヤを履くことになりました。タイヤメーカーの変更は単純にタイヤを履き替えた、というものでもないと思いますが、ここまでオフシーズンテストの進捗はいかがでしょうか?
名取:マレーシアのセパンテストからブリヂストンタイヤを履いていますが、タイヤとしてのパフォーマンスの高さを強く感じています。トヨタやホンダというライバルメーカーがある中で、今シーズン強いメーカーがどこになるのかという気になる要素はあるものの、少なくともニッサン勢の中でトップを狙えるポテンシャルは結構あると感じています。シーズン開幕がとても楽しみです。
ーー去年、ニッサン勢はシーズン2勝し、そのうちの1勝はKONDO RACINGでした。チームとしても上り調子で勢いがありますが、現段階でブリヂストンタイヤについてどのような印象をお持ちでしょうか?
名取:いちばんに感じたのはこの寒い時期でもウォームアップするのが早いという点で、そこはすごいと感じています。
ーーやはりタイヤが変わることで、ドライビングやマシンの仕上げ方も?
名取:全然違います。ドライビングを少し変えたりとか、アジャストするのにもちょっと戸惑ってしまい、ブリヂストンタイヤにはブリヂストンタイヤなりの難しさがあると感じさせられました。
ーーどういった部分がいちばん合わせにくかったのでしょう?
名取:いちばん違ったのは、意外にもブリヂストンタイヤの方がブレーキングでロックしやすかったということです。ブリヂストンのタイヤは路面に馴染むというか、タイヤがたわむんです。たわむこと自体はとてもいいことなんですが、去年とのギャップが大きいので、そのせいでロックしやすいという印象でした。
ーータイヤが柔らかくてたわむと、その分路面にグッと食いついてロックしにくい印象もありますが。
名取:柔らかいですね、ブリヂストンタイヤは。もう、手で触ったらすぐにわかります。構造が違うなあと。

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ーードライバーとしてもパートナーに三宅選手を迎えて、名取選手もBドライバーからAドライバーと立場が変わりましたが、ご自身はどう意識されているのでしょうか?
名取:まわりからはエースだねとか言われるんですけど、なんか僕、そういったことはあんまり感じていないんですよ。三宅選手がパートナーになりましたけど、僕の方が年下ですし。なので、チーム内での立ち位置も変わりはありません。
ーー例えばチームミーティングの雰囲気などはいかがでしょう? 名取選手と三宅選手でイーブンな感じですか?
名取:どうでしょう? 今年からブリヂストンタイヤになりましたが、チームも僕もタイヤについては本当ゼロからのスタートなんです。そういう意味で、三宅選手は去年もブリヂストンタイヤで戦っていましたから、今は三宅選手が引っ張ってくれている状況でもあります。それに、三宅選手はもちろんですが、去年の3号車からエンジニアの島田次郎さんも一緒に移籍してきました。ふたりともブリヂストンでの経験を持っているので、どちらかといえば、今は彼らの意見を取り入れている段階ですね。
ーーなるほど。ところでレーシングカートの時はブリヂストンタイヤも履いていましたね? 当時と今で、ここは同じであるとか、これは変わったと感じることはありますか?
名取:そうですね。カート時代から3年間ブリヂストンを履いていましたが、やはり当時からアウトラップの速さは際立っていました。そういう意味ではSUPER GTのタイヤも、レーシングカートのタイヤと同じイメージだと思っていて、予選などここ一発のパフォーマンスがとても高いという印象は今も変わりません。その一方で決勝レースでも全然タレない。これは去年までライバルとして外からみていた印象そのままです。

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ーーその上でタイヤの強みを引き出すドライビングやマシン作りがあると思います。テストを通じて、どういった部分を意識して取り組んでいるのでしょうか?
名取:僕は、結構感覚派なんです。感じることは本当にたくさんありますが、言語化するのが難しいけど、先ほどお話したブレーキングなどは大きな違いです。
ーー今年の24号車は、どういうところを武器、強みとして開幕に臨むのでしょう? テストを通じて開発を進めている現在の立ち位置、そしてこれからどういった部分が課題なのでしょうか?
名取:まずはブリヂストンタイヤに変わって初年度、データがない中での戦いなので時にはギャンブル的な要素も多くなると思いますが、そこは島田エンジニアの経験を生かしていきたい。そのためにも今はまず距離を稼ぎたい。やはり走らなければデータも取れませんから、少しでも戦えるようにと土台を築いているところです。
ーー三宅選手とのコンビネーションはいかがでしょう?
名取:三宅選手とはカート時代から一緒で、年齢も2歳差であまり変わらないのですが、マシン作りに対してとても積極的です。僕はどちらかというと、結構なんでもいいってタイプなんですが、三宅選手は「ここをもっとこうしたい」とか「あそこはこうやって」とか、探求心が強いというか積極的なので、エンジニアさんとのミーティングを繰り返しています。そこはすごいと思います。
ーー誤解を恐れずにお伺いしますが、何でもいいというのは、どういうクルマでも速く走れるというポジティブな面もありますが、一方では速いクルマを仕上げることはドライバーの仕事の一部でもあると思います。
名取:これは僕の個人的な考えですが、やはり最終的に運転するのはドライバーじゃないですか。もちろんF3で走っていた時は色々とセッティングを考えたりしていましたし、今もそれは変わりありませんが、セッティングがいい時も悪い時も最終的には走らせる人間が、なんでも乗りこなせなければ意味がないと思っているので、僕はそれを重視しています。
ーー去年、松田選手と組んでいた時は?
名取:次生さんが「これで良し!」となったら後は僕は乗るだけ、そういう感じです。今シーズンも、もちろん「ここはこうして」というのは伝えていますが、それを受けてマシンを仕上げるのはエンジニアさんの仕事ですし、そうやって仕上がったクルマで速く走るのがドライバーの仕事。僕はそれをまっとうしている、そんな感じですね。

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――今シーズン、チームとして、ドライバーとしてどのように戦っていかれるのか。ファンの方々へのメッセージも併せてお聞かせください。
名取:チームの士気は高いです。テストでも普通に上位のタイムが出ていたりするので「がんばれば優勝、さらにはタイトルに手が届く」というのが見えています。みんなのモチベーションが高いのをめちゃめちゃ感じています。僕はあまり地に足がついていないことを言うのは嫌いですし、結果についてはライバルメーカーの動向もあることなので、まずはニッサン勢の中でトップに入ることを意識しています。そうすれば「戦えるポジション」でシーズンを戦っていけると思いますし、そうやって最終戦までしっかりとチャンピオン争いをしていきたい。でなければ今シーズンのこのチャンスを形にすることはできません。 レースを戦う上で、僕には僕のモットーがあります。去年優勝したSUGOがそうだったように、SUPER GTを観ているファインのみなさん、僕の走りを見ている観客のみなさんに、楽しい、面白い、と思ってもらえるようなレースをするのが僕のモットーです。今年もそういったレースを戦えるように全力でがんばります。