2018 GAZOO Racing 86/BRZ Race 第8戦　クラブマンシリーズ

シーズンも大詰め、残り2戦となったGR 86/BRZ Race。前戦で今シーズン初優勝を遂げた＃84橋本洋平(ブリヂストン)を含めてチャンピオンの可能性を残すのは3名。タイトルのゆくえに注目が集まっていたが、＃0神谷裕幸(DL)は最低でも2位、橋本は最低でも優勝が最終戦に望みをつなぐ必須条件となっていた。例年4月に開幕戦として開催されてきたツインリンクもてぎだが今シーズンは9月へと移動。肌寒い春から、残暑の季節へと変わったことで最もブレーキに厳しいといわれてきたコースはさらに厳しさを増していた。そこにはタイヤのグリップレベル向上も一因がありドライバーはタイヤだけでなくブレーキのダメージコントロールを意識して、予選・決勝レースを戦うことが求められた。

●予選
ツインリンクもてぎとしては過去最高の72台のエントリーとなり、予選は2組に分けて実施された。各組上位、合計45台が決勝Aレースへ進むことができる。夜半まで降り続けた雨がコース上には残っており走行によって完全なドライへと進むはずの予選2組が有利だろうと予想されていた。予選1組では、ポイントリーダーの＃70庄司雄磨(DL)が2分20秒151という、唯一の20秒台でトップタイムをマーク。もうひとりのチャンピオン候補＃0神谷裕幸(DL)はマシンの不調に苦しみ、1秒以上遅い3位となった。予想通り路面が完全なドライとなった予選2組、トップタイムは＃521中島佑弥(DL)が2分20秒141を叩き出し見事にポールポジションを獲得。2位には＃25水谷大介(ブリヂストン)が入った。チャンピオンの可能性を残す橋本（ブリヂストン）はトラフィックにひっかかり上位進出が難しい7位となった。ブリヂストン装着勢は、水谷が3番グリッドからのスタートとなる他、7番グリッドから＃703花里祐弥、9番グリッドには＃772中島保典、そして10番グリッドから＃771菱井將文がスタートする。

●決勝レース
クリーンなスタートを決めた上位陣。しかし2周目の1コーナーでアクシデントが発生、神谷（DL）が前を走る＃30北見洸太(DL)を押し出してしまい共に大きく後退。そのクラッシュによって神谷（DL)にドライブスルーのペナルティが与えられ37位にまで順位を落としてしまった。ポールスタートの中島(DL)に２位庄司(DL)はペースがあがらずなかなか迫ることができない。それを見抜いたのか、3位水谷(ブリヂストン)がピタリとマーク。そして3周目、ヘアピンで並びかけるとダウンヒルストレートでのブレーキングでオーバーテイク。2位へとポジションを上げる。トップを走る中島(DL)だが2分22秒弱から23秒2までラップタイムが安定しない。しかし水谷(ブリヂストン)はそれに付き合うかのようにギャップを詰めようとはせず、狙いを定めているようだった。そして6周目のヘアピンでインを突いて前に出た水谷(ブリヂストン)がトップに立つ。庄司（DL)もペースを上げて追い上げたものの、届かない。水谷(ブリヂストン)が悲願の初優勝を獲得。3位には着実にポジションを上げてきた花里(ブリヂストン)が入り、ブリヂストンの赤いキャップが表彰台の1位と3位を飾った。その他のブリヂストン装着勢は、4位に菱井、7位に＃713松原、8位に橋本、9位に＃760岩本佳之と、トップ10のうち6台を占めた。この結果シリーズチャンピオンは庄司雄磨(DL)に決定した。

●コメント

初優勝を飾った＃25水谷大介(ブリヂストン)のコメント。「やっと勝つことができました！　長かったですね。チームと応援してくれた皆さんに、お待たせしました！　という感じです。今シーズン何度も勝つチャンスはあったのですが、惜しいところで優勝を逃してきました。やっと優勝できて、本当に良かったです。タイムは悪くなかったんですけど、クルマの調子はイマイチで、雨の中でミッション交換してもらったりして、そういう面では期待に応えることができて、よかったです。タイヤはやっぱりきつかったですけど、ライバルよりは少し優位だったように感じました。ワンミスでトップを奪われるような状況だったんですけど、上手く抑えることができました」