TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2022 第6戦 プロフェッショナルシリーズ

GR86/BRZ Cupの最終大会は11月19〜20日に、ダブルヘッダー大会として岡山国際サーキットで開催された。かつてTIサーキット英田と呼ばれた頃に、F1パシフィックGPの舞台ともなったコースは、中低速コーナーが巧みに配置され、２本のストレートを間に挟んだコースは、極めてテクニカルな要素に満ちている。

前日土曜日に行われた第5戦では、#160吉田広樹(ブリヂストン)がポール・トゥ・ウィンで自身のGR86/BRZ Cup初優勝を達成した。POTENZA RE-09Dのロングライフを武器に、後続車両を終始背後に置いてなお抑え抜き、タイヤの温存をはかっていただけに、今シーズン最後の戦い、第6戦での活躍も期待された。

最終大会のプロフェッショナルシリーズのエントリー台数は36台となり、そのうち25台がPOTENZA RE-09Dを装着する。

●予選
第6戦の決勝グリッドは、予選におけるセカンドベストタイムが決定要素となった。天候に恵まれ、普段とは異なり一発勝負ではなく、2回のアタックを要する状況の中、セカンドベストタイムでトップとなり、自身初のポールポジションを獲得したのは、#504冨林勇佑(DL)。これに＃10菅波冬悟(DL)、#60宮田莉朋(DL)、#123松井孝允(DL)と続き、第5戦でポールトゥウィンを果たした吉田は5番手。ベストタイムではトップだった吉田ながら、二発目のアタックでは行く手を阻まれて全力を尽くせなかった。とはいえ、第6戦に向けて余力を残していただけに、ジャンプアップに期待がかかる。


そしてセカンドベストタイムの6番手は#121蒲生尚弥(ブリヂストン）、8番手は#7堤優威（ブリヂストン）。9番手は#98元嶋佑弥(ブリヂストン)、10番手は#18中山雄一(ブリヂストン)で、POTENZA RE-09D装着ドライバーは、トップ10のうち5台を占めた。

●決勝

土曜日までは青空が広がっていた岡山国際サーキットながら、第6戦が行われる日曜日は、薄い雲に覆われていた。第5戦でのトラブル等で3台がリタイアとなり、33台がグリッドに並べられた。

POTENZA RE-09Dを装着するドライバーとして最上位に並んでいた吉田だったが、スタートで出遅れてしまい、オープニングラップを終えた段階で9番手にドロップ。対して、蒲生がふたつポジションを上げて、菅波と冨林、そして宮田を追いかけることとなった。さらに、その後方では堤もひとつポジションを上げていた。

この上位陣で、最もペースに勝ったのが堤だった。3周目のアトウッドでまずは6番手に浮上。その勢いで4周目のヘアピンで蒲生を、5周目のヘアピンで宮田を抜いて4番手に上がる。もう勢いが止まらない堤は、ヘアピンで冨林も抜くと、8周目の1コーナーでは菅波もかわしてトップに躍り出る。このあたりはPOTENZA RE-09Dのロングライフが活かされた格好だ。

その後も堤はアクセルを緩めることなく快走。最後は2秒2の差をつけ、今季2勝目をマーク。チャンピオンこそ獲得できなかったが、圧倒的な速さを見せつけて、有終の美を飾った。

表彰台にあと一歩届かなかったものの、4位を蒲生が獲得。スタートの遅れをしっかり挽回した吉田が続く5位で、予選14番手から激しい追い上げを見せた#34佐々木雅弘（ブリヂストン）が6位。さらに中山が8位で、元嶋が9位、さらに#82谷口信輝(ブリヂストン)がひとつ順位を上げて10位となり、ここまでがポイント獲得を果たしている。

〈ドライバーコメント〉
●第６戦ブロフェッショナルシリーズ決勝レースで、優勝を飾った#7堤優威のコメント
「良かった、勝てました。昨日もペースは良かったですし、ブリヂストンのレースラップが速いということは、練習中からわかっていたので自信を持って走れました。今週は予選だけタイムを出せないというのが心残りというか、厳しかったですね。最終的にチャンピオンは獲れませんでしたが、優勝していいシーズンの締めくくりができて良かったです。唯一の2勝ですし。RE-09Dはロングがとても速くて、セット的にも一発よりもロングが良かったので、予選が悔やまれますが、本当に勝てて良かったです」