雨の決勝で今季初優勝を飾った堤優威がシリーズ連覇へ大きく前進

  • 開催場所:富士スピードウェイ
  • 開催日:2026年09月05日(土) 〜 2026年09月06日(日)
TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup 2026 第5戦 プロフェッショナルシリーズ

シーズン中盤を迎えたGR86/BRZ Cupのプロフェッショナルシリーズは、国内トップドライバーたちによる拮抗した戦いが繰り広げられ、コンマ数秒というわずかなタイム差が順位を大きく左右する。
前大会(第4戦)の十勝スピードウェイでは、#121蒲生尚弥(ブリヂストン)が今季2勝目をマーク。ひと足早く複数勝利を挙げ、タイトル争いに加わってきた。

#121 tomicaネッツ兵庫 BS GR86#1 CABANA BS GR86

その一方で、ランキングトップを守るのは昨年度チャンピオン、カーナンバー1の堤優威(ブリヂストン)だ。ここまで優勝こそないものの安定した走りで着実に高ポイントを積み重ね、シリーズをリード。勝利を重ねて追い上げる蒲生と、取りこぼしの少ない堤。シーズン後半を占ううえでも、ここからの一戦一戦がさらに重要になってくる。

シリーズ第5戦の舞台は富士スピードウェイ。ホームストレートで繰り広げられるスリップストリーム合戦でおなじみのサーキットだが、ナンバー付き車両で争われるGR86/BRZ Cupではスピードリミッターが当たってしまう。最終コーナーを立ち上がってからまもないメディカルセンター脇あたりですでに頭打ちになるというから、最終コーナーからそこまでにいかにスリップストリームを使うかが重要で、その先は長いストレートを我慢し続け、最後は1コーナーのブレーキングで勝負することになる。

連日のように続いていた真夏日も落ち着き、ほとんどのチームが練習を開始した週の半ばには、サーキットは穏やかな天候に恵まれていた。専有走行が行われた金曜日は未明からの雨がコースを濡らし、路面はちょい濡れダンプコンディションに。そのため、時間が進むとともに路面状態は向上しトップが目まぐるしく入れ替わる展開となった。

最終的にトップタイムとなる2分1秒647を記したのは#97高橋知己(ブリヂストン)。ほぼ同じタイミングで#88井口卓人(ブリヂストン)が2分1秒786を記して2番手につけ、#18箕輪卓也(ブリヂストン)が2分1秒907で3番手に。走行したタイミングがタイムに大きく影響するコンディションではあったが、大接戦の気配は十分だった。

#97 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86#88 東京スバル BS BRZ

#18 IBARAKI TOYOPET GR86POTENZA RE-10D

今回のエントリーは今季最多の37台。そのうち26台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着する。


#1 CABANA BS GR86


⚫️予選

この週末は猛暑から解放されこそしたが、時折降る雨によって目まぐるしく変わる路面コンディションがドライバーを悩ませた。直前に行われたクラブマンシリーズの予選では好タイムが記録され、限りなくドライに近いコンディションが想定された。

セッション中に雨が降る心配もなかったことから、各車は路面コンディションが良くなる後半でのアタックを狙い、計測が始まってもアマチュアドライバーひとりを除いてピットで待機。そして開始から10分が経過しようという頃、各車一斉にタイムアタックへと向かった。

終了間際に、コースレコードとなる2分0秒073を叩き出し、トップタイムを記録したのは#17冨林勇佑(DL)。2番手には2分0秒245の#123松井孝允(DL)が続いた。

ポイントリーダーの堤は2分0秒283をマークして3番手。ポールポジションには届かなかったものの、トップとの差はわずか0.210秒と決勝に向けて好位置につけた。

#1 CABANA BS GR86#88 東京スバル BS BRZ

#330 OKINAWA GR86#121 tomicaネッツ兵庫 BS GR86

後半アタック勢のなかでは比較的早めにコースインした井口が2分0秒407で5番手。#330平良響(ブリヂストン)は2分0秒599で10番手につけた。

一方、堤を10ポイント差で追うランキング2位の蒲生は2分0秒744。トップからの差はわずか0.671秒ながら17番手となり、極めて僅差の予選だったことを象徴する結果となった。タイトル争いを考えても蒲生にとっては後方からの追い上げを強いられる決勝となる。

予選3番手を獲得した堤優威のコメント
#1 堤優威「今年は結果こそ出せていますけど、なかなかトップは獲れていないので、今回の富士もトップ10に入れれば嬉しいな、というくらいの感覚でした。
予選では前のクルマのスリップをうまく使えたのが大きかったですし、4脱に対する安全マージンの取り方も人によって違うので、そのあたりも含めてラッキーだったと思います。結果的に3番手まで来られてタイトル争いのライバルが後ろにいる状況なので、シリーズを考えてもすごく良い予選結果になりました。
水曜日から走っていますが、路面コンディションが大きく変化していくなかでも、POTENZA RE-10Dは安定したグリップを発揮してくれて、不安なく走ることができました。
予選では雨によって路面が一度リセットされたことでコンディションが良くなり、タイヤのピークをうまく引き出せたと思います。こういう曇ったコンディションではライバル勢も速さを見せてくると思っていましたが、その中に割って入って3番手を獲れたことは良かったです」


#1 CABANA BS GR86富士スピードウェイ

●決勝

決勝日は朝から雨模様となった。早朝はポツポツと降る程度だったものの、直前に行われたクラブマンシリーズの決勝が始まる頃には徐々にシトシトとした雨へと変わり、路面は完全なウェットコンディションとなっていた。

富士スピードウェイ

フロントローに並んだ冨林と松井はそつなくスタートを決めたものの、それ以上に鋭いダッシュを見せたのが3番手スタートの堤だった。ふたりの背後について1コーナーをクリアすると、まず100Rで松井をパス。さらに13コーナーで冨林をもかわし、オープニングラップのうちにトップへと躍り出た。

驚くべきは、1周を終えた時点で堤の背後に井口がつけていたことだ。さらに6番手には#87久保凜太郎(ブリヂストン)が浮上していた。予選18番手からのスタートだっただけに、わずか1周で12台を抜いてきたことになる。

トップを争う堤と井口のペースは明らかに速く、後続はついていくことさえ難しい。冨林は3周目に、さらに順位を上げてきた久保にも抜かれてしまう。

#1 CABANA BS GR86#87 千葉スバル BS BRZ

堤は3周目に2分10秒647までペースを上げ後続を引き離しにかかる。しかし井口も必死に食らいつき大きな差を許さない。その少し後方では久保が単独3番手を走行。5周目には予選10番手だった平良が4番手へ浮上し、さらに6周目には予選21番手だった#199小林利徠斗(ブリヂストン)が5番手まで順位を上げてきた。

#330 OKINAWA GR86#199 COROLLA MIE GR86

7周目、その争いに加わってきたのが#11中山雄一(ブリヂストン)だ。今季初参戦となる中山は予選22番手から猛烈な追い上げを見せていた。8周目には小林が平良を抜いて4番手へ浮上。さらにその集団の背後には、予選17番手だった蒲生が迫り、4台が縦一列となってファイナルラップへ。ゴール直前まで熱いバトルが繰り広げられた。

#97 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86	#293 ネッツトヨタ南国 5Zigen BS GR86

小林は4番手を守り抜いた一方、中山が最後に平良をかわして5番手へ。その差はわずか0.025秒だった。

トップでは堤がそのまま先頭でチェッカーを受け、今季初優勝。さらにファイナルラップには2分10秒352のファステストラップを記録し、圧巻のパフォーマンスでランキングトップの座をさらに確かなものとした。堤に勝負を仕掛けるまでには至らなかった2位の井口だが、チームメイトの久保が3位に入り、揃って今季初となる嬉しい表彰台を獲得した。

富士スピードウェイ富士スピードウェイ

4位は小林、5位に中山、6位に平良が入り、その後ろには蒲生、高橋が続いてチェッカー。第5戦ではPOTENZA RE-10Dユーザーが上位8台を独占する結果となった。

富士スピードウェイ

●第5戦プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、優勝した堤優威のコメント
#1 堤優威「今回は特にタイヤのアドバンテージが大きかったと思います。スタートしてからは前の2台の動きをしっかり見ながら走って、13コーナーでトップに立つことができました。相手もきれいにバトルしてくれたので、すごく良かったです。
POTENZA RE-10Dは雨の中でもグリップの感覚がわかりやすいですし、少しミスをしても許容してくれる、カバーしてくれる部分が多いのでとても乗りやすかったです。特にブレーキングではかなり攻めることができたので、そこが今回の勝負のポイントだったと思います。
予選で3番手のポジションを獲れていたことも大きかったですし、井口選手より前からスタートできたことも勝因のひとつだったと思います。
やっと勝てました。去年のSUGO以来ですよね。1年に1回勝ってチャンピオンを目指して頑張ります。1回でいいです(笑)」

レース結果

コース:富士スピードウェイ

[Professional Series]

決勝

  • 開催日:2026/09/06
  • 天候:Rain
  • 路面:Wet
  • 決勝出走:37
  • 完走:36
  • (4.563km x 10laps = 45.63km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 堤 優威 BS Bridgestone CABANA BS GR86 10 21'55.202
2 88 井口 卓人 BS Bridgestone 東京スバル BS BRZ 10 21'56.615
3 87 久保 凜太郎 BS Bridgestone 千葉スバル BS BRZ 10 22'03.858
4 199 小林 利徠斗 BS Bridgestone COROLLA MIE GR86 10 22'11.316
5 11 中山 雄一 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 10 22'12.199
6 330 平良 響 BS Bridgestone OKINAWA GR86 10 22'12.224
7 121 蒲生 尚弥 BS Bridgestone tomicaネッツ兵庫 BS GR86 10 22'12.907
8 97 高橋 知己 BS Bridgestone 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 10 22'16.636
9 89 奥本 隼士 DL 栃木スバル DL BRZ 10 22'19.994
10 123 松井 孝允 DL NETZ 富山 Racing GR86 10 22'20.252
11 34 佐々木 雅弘 BS Bridgestone 小倉クラッチ BS OTG GR86 10 22'21.440
12 160 吉田 広樹 BS Bridgestone サンコーRGR 浦和美園 IDI BS GR86 10 22'24.060
13 2 清水 英志郎 BS Bridgestone K-one 愛知トヨタ BS GR86 10 22'25.358
14 24 佐藤 凌音 BS Bridgestone K-one 愛知トヨタ BS GR86 10 22'25.745
15 17 冨林 勇佑 DL K-one 愛知トヨタ DL GR86 10 22'26.590
16 906 近藤 翼 DL RECARO DL GR86 10 22'27.058
17 360 古谷 悠河 BS Bridgestone たるポ HTP GR86 10 22'27.476
18 98 岩澤 優吾 BS Bridgestone 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 10 22'30.762
19 18 箕輪 卓也 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 10 22'31.214
20 708 丸山 陽平 DL エアバスターEXEDY DL GR86 10 22'35.839
21 90 翁長 実希 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 10 22'36.860
22 60 小河 諒 DL OTG DL GR86 10 22'38.457
23 550 宗藤 昌太朗 BS Bridgestone 名神タイヤGR86 10 22'38.641
24 990 竹村 寛成 BS Bridgestone クロケットジャパン大明化学工業GR86 10 22'39.237
25 31 青木 孝行 DL ケーエムエス フェニックスDL_GR86 10 22'40.307
26 76 森川 基雄 BS Bridgestone ウィニング制動屋 NUTEC GR86 10 22'43.541
27 293 岡本 大地 BS Bridgestone 四国自動車博物館5zigen BS GR86 10 22'45.923
28 70 服部 尚貴 DL OTG DL GR86 10 22'50.841
29 5 井上 尚志 BS Bridgestone レストアパーツBSまんさくGR86 10 22'54.350
30 142 石井 和仁 BS Bridgestone ネッツ千葉スンバドアGR86 10 22'59.084
31 225 富下 李央菜 BS Bridgestone KTMS GR86 10 22'59.664
32 291 市森 友明 BS Bridgestone NiX JAPAN 5ZIGEN GR86 10 23'04.910
33 56 鶴賀 義幸 BS Bridgestone 栃木トヨタ T2 FACTRY BS GR86 10 23'05.716
34 186 山田 遼 BS Bridgestone Star5 AVANTECH GR86 10 23'06.234
35 8 渡辺 圭一 BS Bridgestone JCS HELDOX GRG浦和美園 GR86 10 23'28.213
36 910 坂 裕之 DL MプランニングDLエンドレスGR86 10 23'38.436
- 10 菅波 冬悟 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 6 DNF
[Professional Series]

予選

  • 開催日:2026/09/05
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:37
  • (4.563km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 17 冨林 勇佑 DL K-one 愛知トヨタ DL GR86 2 2'00.073
2 123 松井 孝允 DL NETZ 富山 Racing GR86 2 2'00.245
3 1 堤 優威 BS Bridgestone CABANA BS GR86 2 2'00.283
4 89 奥本 隼士 DL 栃木スバル DL BRZ 3 2'00.348
5 88 井口 卓人 BS Bridgestone 東京スバル BS BRZ 3 2'00.390
6 906 近藤 翼 DL RECARO DL GR86 2 2'00.407
7 70 服部 尚貴 DL OTG DL GR86 2 2'00.478
8 10 菅波 冬悟 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 2 2'00.478
9 60 小河 諒 DL OTG DL GR86 2 2'00.510
10 330 平良 響 BS Bridgestone OKINAWA GR86 2 2'00.599
11 97 高橋 知己 BS Bridgestone 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 2 2'00.620
12 31 青木 孝行 DL ケーエムエス フェニックスDL_GR86 2 2'00.641
13 2 清水 英志郎 BS Bridgestone K-one 愛知トヨタ BS GR86 2 2'00.654
14 708 丸山 陽平 DL エアバスターEXEDY DL GR86 2 2'00.672
15 90 翁長 実希 DL OTG 滋賀トヨタ GR86 2 2'00.696
16 293 岡本 大地 BS Bridgestone 四国自動車博物館5zigen BS GR86 3 2'00.708
17 121 蒲生 尚弥 BS Bridgestone tomicaネッツ兵庫 BS GR86 3 2'00.744
18 87 久保 凜太郎 BS Bridgestone 千葉スバル BS BRZ 4 2'00.773
19 160 吉田 広樹 BS Bridgestone サンコーRGR 浦和美園 IDI BS GR86 3 2'00.792
20 34 佐々木 雅弘 BS Bridgestone 小倉クラッチ BS OTG GR86 2 2'00.828
21 199 小林 利徠斗 BS Bridgestone COROLLA MIE GR86 4 2'00.860
22 11 中山 雄一 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 2 2'00.863
23 56 鶴賀 義幸 BS Bridgestone 栃木トヨタ T2 FACTRY BS GR86 4 2'00.985
24 550 宗藤 昌太朗 BS Bridgestone 名神タイヤGR86 3 2'01.035
25 18 箕輪 卓也 BS Bridgestone IBARAKI TOYOPET GR86 2 2'01.109
26 186 山田 遼 BS Bridgestone Star5 AVANTECH GR86 3 2'01.116
27 24 佐藤 凌音 BS Bridgestone K-one 愛知トヨタ BS GR86 2 2'01.164
28 98 岩澤 優吾 BS Bridgestone 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 2 2'01.183
29 360 古谷 悠河 BS Bridgestone たるポ HTP GR86 2 2'01.207
30 990 竹村 寛成 BS Bridgestone クロケットジャパン大明化学工業GR86 3 2'01.430
31 225 富下 李央菜 BS Bridgestone KTMS GR86 3 2'01.875
32 76 森川 基雄 BS Bridgestone ウィニング制動屋 NUTEC GR86 3 2'02.120
33 291 市森 友明 BS Bridgestone NiX JAPAN 5ZIGEN GR86 3 2'02.138
34 910 坂 裕之 DL MプランニングDLエンドレスGR86 2 2'02.217
35 8 渡辺 圭一 BS Bridgestone JCS HELDOX GRG浦和美園 GR86 3 2'02.316
36 5 井上 尚志 BS Bridgestone レストアパーツBSまんさくGR86 3 2'02.409
37 142 石井 和仁 BS Bridgestone ネッツ千葉スンバドアGR86 4 2'02.471