2020年 全日本ジムカーナ選手権 第7戦 恋の浦

全日本ジムカーナ選手権第7戦は、福岡県北部に位置するスピードパーク恋の浦が戦いの場となる。今年は新型コロナウイルスの影響で中止や延期のラウンドが相次いだため、第7戦といっても先月の第5戦に続き今季2戦目である。コースは上段からスタートし、下って行って下段のコース部分を途中のショートカットを通りながら周回したあと上段の広場に上がり、パイロンセクションをこなしてゴールという設定。昨年までは一度上段を通過してまた下段に戻り、再度上段へというレイアウトだったが、今年は前半が下段、後半が上段と、一度下段に戻るレイアウトは採られなかった。
決勝日の朝は曇り空。時々小雨がパラつくものの、土曜日に降った雨は乾いていて路面はドライ。1号車スタートの9時で気温22℃、路温27℃という状況の中、戦いが始まった。天気予報では午前中は曇り、午後は晴れとなるということであったが、時々小雨がパラパラ降る状況は2本目のスタート時でも変わらず、路温はようやく30℃に届く状況。しかし、SA/SAXクラスのマシンが走り始める頃になってようやく太陽が顔を出す様になり、最後のSCクラスの頃には気温27℃、路温35℃まで上がり、2本目にタイムアップする選手が多く見受けられた。そんな中、RE-12D TYPE Aを履くPNクラスのPOTENZA装着勢は、PN2クラスで山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）が優勝。また、惜しくも優勝は逃したものの、PN1クラスで小林規敏（ロードスター／ブリヂストン）が2位、PN3クラスで西野洋平（86／ブリヂストン）が2位と、それぞれ表彰台の一角を占める活躍を見せた。
RE-11Sも履けるSA/SAXクラス及びSCクラスのPOTENZA装着勢は、天気や気温・路温の推移を予測するのが難しく、タイヤ選択に悩む選手も多かったが、結局2輪駆動勢は全車駆動輪にRE-11S TYPE WH2を装着。4輪駆動勢はRE-11S TYPE WS3を履く選手が多かった。それぞれのタイヤの特性を活かし、SA/SAX1クラスでは橋本克紀（シビック／ブリヂストン）が3位、SA/SAX3クラスでは安部洋一（RX-7／ブリヂストン）が2位に入る。前回の北海道ラウンドでは不成立だったSA/SAX4クラスでは、RE-12D TYPE Aを履いた菱井将文（ランサー／ブリヂストン）が2位、WS3を履いた飯坂忠司（ランサー／ブリヂストン）が3位。SCクラスでは前戦優勝の西原正樹（インプレッサ／ブリヂストン）がWS3を履いて2位に入り、ポイントリーダーの座を守った。

＜PN2クラス優勝、POTENZA RE-12D　TYPE A装着＞（2006年以降にJAF登録された1600cc超の2WD車。改造範囲が最も狭い）
1本目、前戦優勝の小俣洋平（アバルト124スパイダー／DL）は途中で失敗し、タイヤを温存のためかスローダウン。前戦2位で雪辱に燃える山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）は渾身の走りでトップタイムをマーク。2本目、小俣もキッチリ走り切るが1本目の山野のタイムに届かず2位。山野は手綱を緩めず1本目の自身のタイムを更に0.2秒縮め、見事に雪辱を果たす。

●PN２クラス優勝 山野哲也選手コメント
「アバルト124スパイダーに乗って4年、その4年間を全て振り返り、一番良さそうなセッティングと、更にいつもはやらない様な特別なセッティングも用意して九州に来ました。理由は前戦で負けたこと。今シーズンのチャンピオン争いにいきなり黄信号が点り、あとに退けない状況になったので、チームの持っているパッケージの全てを出し切りました。今回は天候とか路面状況の変動が激しく難しい3日間でしたが、RE-12D TYPE Aはレンジが広く、安定した性能を発揮してくれました。土曜日の雨の中でもトップタイムでしたし、今日のあまり気温・路温が上がらない中でもトップタイムを出せたというのは、タイヤの持つポテンシャルの高さの証明だと思います。次戦もこのタイヤを武器に優勝を目指します。」