2021年 全日本ジムカーナ選手権 第3戦 TSタカタサーキット

全日本ジムカーナ選手権第3戦は、広島県北部に位置するTSタカタサーキットが戦いの場となる。第2戦が延期となったため、実質2戦目である。
TSタカタサーキットで全日本ジムカーナが開催されるのは2013年以来8年ぶりで、舗装も張り替えられてリニューアルされている。スタートして外周を半周し、4本パイロンスラロームから180度ターンしてショートカットから再度外周に戻り、残りの半周を走ったあと島回り・180度ターン・360度ターンを組み合わせたパイロンセクションを経てゴールという、タカタのコースレイアウトを活かしたハイスピード＆テクニカルな設定。

決勝日は朝から雨。中国地方は前日の15日に史上2番目に早いという梅雨入りが発表され、梅雨前線の停滞により一日中雨となる。気温は18℃〜21℃、路温は19℃〜23℃で推移する中、併設クラスを含む115台が熱戦を繰り広げた。
そんな中、RE-12D TYPE Aを履くJG8〜JG6クラスのPOTENZA装着勢ではJG7クラスで昨年のチャンピオン山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）が今季初優勝。また、JG6クラスでも西野洋平（86／ブリヂストン）が今季初優勝と、RE-12D TYPE Aがウェット路面でも高いグリップ力を発揮することを証明してみせた。また、RE-11Sも履くJG4〜JG1クラスのPOTENZA装着勢は、全車WS3を選択。惜しくも優勝は逃したものの、JG4クラスで安木美徳（シビック／ブリヂストン）が2位、JG2クラスで久保田尊治（シビック／ブリヂストン）が3位、JG1クラスでは西原正樹（インプレッサ／ブリヂストン）が2位、菱井将文（ランサー／ブリヂストン）が3位と、それぞれ表彰台の一角を占める活躍を見せた。

＜JG7クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（2006年以降にJAF登録された1600cc超の2WD車。改造範囲が最も狭い）
昨年も死闘を繰り広げた山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）と小俣洋平（アバルト124スパイダー／DL）の2強の戦い。開幕戦では小俣に軍配が上がり、今回は絶対に負けられないディフェンディングチャンピオン山野。1本目、先に走った山野がそれまでのベストタイムを2秒以上上回るトップタイムを出すも、クラスラストゼッケンの小俣は山野のタイムを更に1秒近く上回り、山野は2位で2本目に賭ける。その2本目、山野は渾身の走りで1本目の小俣のタイムを0.8秒上回るタイムを叩き出し、トップに浮上。小俣はタイムダウンに終わり、山野の今季初優勝となる。

●山野哲也選手コメント
「今週末は持てるものを全て出し切ったというのが正直な今の気持ちです。今回、金曜日・土曜日の練習走行はドライ路面でしたが、決勝日は雨でウェット路面になりました。1本目・2本目ともウェットで勝負が決まるのってここ最近なかったので、ウェットでのセッティングを煮詰め切れていなかったのが1本目にタイムを出せなかった原因です。タカタの路面とRE-12D TYPE Aとの相性はいいことは分かっていたので、2本目は足回りのセッティングはそのままにしてタイヤの内圧を変えました。それが当たったことが2本目に逆転優勝できた要因だと思います。RE-12D TYPE Aはまだまだ引き出せるポテンシャルがあるタイヤだなと感じた一戦でした。」

＜JG6クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（2012年以降にJAF登録された1600cc超2000cc以下のRWD車。改造範囲が最も狭い） 開幕戦はトップタイムを出しながらパイロンタッチで下位に沈んだディフェンディングチャンピオンの西野洋平（86／ブリヂストン）だが、今回は1本目からキッチリ走ってトップに立つ。2本目は誰も1本目の西野のタイムを上回れずにいる中で更にタイムアップを果たし、2位を1秒以上引き離して優勝。チャンピオンの強さを見せつける。

●西野洋平選手コメント
「タカタのウェット路面は、以前走ったときとは舗装が変わっているので初めてと言ってもいい感じで手探り状態だったのですが、前戦もてぎの午後がウェットだったので、そのセッティングのまま走りました。でもそれが良かったですね。タイヤも剛性感・グリップ感共に高いレベルで推移してくれて、特にハイスピード区間でのハンドリングのレスポンスやカッチリ感が素晴らしく、思い通りのラインを通ることができました。1本目は少し失敗したので、そこを修正した分が2本目のタイムアップに繋がりました。」