デビュー戦の山田 遼が鮮やかにポールtoウイン!

  • 開催場所:富士スピードウェイ
  • 開催日:2025年03月16日(日) 〜 2025年03月16日(日)
2025年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.1 NDシリーズ

静岡県の富士スピードウェイで3月16日の日曜日、2025年のロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズが開幕。出走18台のNDシリーズクラスでは、HCギャラリーから初参戦のルーキーたちが大活躍。156号車の山田 遼が鮮かに予選から圧倒し、チームメイトの157号車・橋本 隼を従えてのワンツー・フィニッシュでデビュー戦を飾った。

エントリーはNDシリーズに18台、NDクラブマンに14台で合計32台。なんと8名が初参戦のルーキーだ。
シリーズクラスにはゼッケン順に47号車の鷹尾一成、138号車の西川昇吾、すでに紹介した山田と橋本、さらに158号車の大田優希が初出場。
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恒例により、ひとりずつマイクを持って自己紹介と意気込みを語ると、先輩たちから温かい拍手で迎えられた。また今回の特徴として、ビッグマイナーチェンジ後のND5RE型が12台と、一気に増えたことも挙げられる。
生憎なことに、この週末の富士は荒れ模様。前日の午後には一時激しく雪が降り、練習走行がキャンセルされたほどだった。ただ不幸中の幸いと言うべきか、雪は前夜のうちに雨に変わったが、本日のスピードウェイはフルウエット。
9時5分から20分間の公式予選が始まった時のコンディションは気温4.0℃/湿度88%/路面温度0.5℃。クラブマンクラスの2台が欠場して、30台がアタックに出撃していった。
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先頭でコースインしたのは200号車のYOSHIKIだったが、ルーキーの山田 が早くも追い詰めて最初の計測周回を先頭で通過。そこで記録したタイムが2分27秒843で、後続のライバルたちが最初のアタックを終えてもモニターのトップの座を譲らなかった。
逆にそれどころか山田はさらにタイムを削ってきて、最後は2分24秒453で堂々のポールポジションを確定。さらにチームメイトの橋本も、2分25秒375を叩き出して2番グリッドを獲得した。
一方、先輩たちの中で最速だったのは147号車の石塚崇宣で、タイムは2分25秒645。そして上位3台は新型のND5REという結果になった。
続いて、ND5RC勢での最上位は4番グリッドの2号車・鷲尾拓未。彼は2024年の富士ロードスターカップで4戦全勝というキャリアの持ち主だ。
さらに昨年のジャパンツアーで3勝を挙げた117号車の石谷豪志が予選では5位。先頭でコースインしたYOSHIKIも予選6番手となり、ここまでが入賞圏内のポジションで決勝をスタートする。ちなみに石谷とYOSHIKIのマシンもND5REだった。

●決勝
この日はジャパンツアーシリーズの開幕戦ということで、予選終了後の11時からブリーフィングルームで、今年のチャレンジプログラム「スーパー耐久レースへの道」に関するマツダからの説明の時間が設けられた。
すでに3期生までが、このプログラムでスーパー耐久に参戦する120号車のシートを得ているが、今年のシリーズからも選出される予定だということが明らかになった。
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10ラップの決勝は、ほぼオンタイムの13時44分にローリング方式でスタートが切られた。直前に計測したコンディションは気温6℃・湿度82%・路面温度10.6℃。
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初参加の2台がフロントローということで心配されたが、山田と橋本は見事なスタートダッシュでオープニングラップを戻ってきた。一方で3番グリッドの石塚は順位をふたつ落として5番手に後退。後続の鷲尾とYOSHIKIの順位が繰り上がった。
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上位の2台は3位以下を引き離す展開で、4周目には6秒以上のギャップを築くことに成功。そして1位と2位の間も5周目には4秒以上に広がり、順位争いの焦点は3位以下のバトルに移った。
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その中では石塚の勢いが目立っていて、3周目にはYOSHIKIを抜き返し、続く4周目には鷲尾も同様にパッシング。スタート時点と同じ3位まで順位を挽回することに成功した。
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少し後方では12番グリッドからスタートした105号車の三宅陽大が見せてくれた。1周目にふたつ順位を上げた後、2周目には一気に3台をパスして7位に浮上。4周目にさらに1台を抜いて入賞圏内の6位まで浮上した。
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その時点では前を走る5位の選手とは3秒以上のギャップがあったが、そこからジワジワと差を詰めて、ファイナルラップのダンロップコーナー先で見事なオーバーテイクを決めたのには拍手喝采だ。
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今回のシリーズクラスの上位陣の順位変動は以上で、初参戦の山田が鮮やかなポールtoウインを達成。さらに同じチームでやはりルーキーの橋本も堂々の2位。
オープニングラップの失速が悔やまれる石塚だが、それでも表彰台は確保する粘りの走りを見せた。
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そして昨年の富士RSCチャンピオン、鷲尾が4位で、追い上げた三宅が5位に入賞となった。
なお6番目にゴールしたTOSHIKIに衝突行為で30秒加算のペナルティが課されたため、128号車の普勝 崚が繰り上がっての入賞となった。
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優勝した山田は28歳の若者だがキャリアは十分。カートやフォーミュラも経験し、FCR-VITAでは初代チャンピオンにも輝いている。
「素直に嬉しいです。先月の練習時に今日より酷い雨を経験できたのが活かせました。同じチームから3台で出場しているのですが、橋本選手も大田選手も侮れない存在で、刺激をもらっています。自分ももっと勉強して、次のSUGOのレースに繋げていきたいです」とコメントした。
タイヤについて
「縦と横のグリップの使い分けが学べる、絶好の教科書ですね。ただ熱の入れ方にはシビアなところがあって、今日みたいな雨だと難しいです」と語った。

パーティレースの次の戦いは、3月30日に岡山国際サーキットで行われる西日本シリーズの開幕戦となっている。
またジャパンツアーシリーズの第2戦は宮城県のスポーツランドSUGOで4月6日、北日本シリーズ第2戦とのダブルタイトルで開催予定だ。
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レース結果

コース:富士スピードウェイ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2025/03/16
  • 天候:Rain
  • 路面:Wet
  • 決勝出走:18
  • 完走:18
  • (4.563km x 10laps = 45.63km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 156 山田 遼 BS Bridgestone HC・ZENKAIロードスター 10 24'22.693
2 157 橋本 隼 BS Bridgestone HC・ミッドランドロードスター 10 24'28.443
3 147 石塚 崇宣 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 10 24'32.080
4 2 鷲尾 拓未 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 10 24'37.221
5 105 三宅 陽大 BS Bridgestone SPK・TCR ロードスター 10 24'47.673
6 128 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉pttロードスターRB 10 24'53.406
7 117 石谷 豪志 BS Bridgestone 切羽詰るラブカFfロードスター 10 24'53.748
8 158 大田 優希 BS Bridgestone HC・BT-X ロードスター 10 24'58.756
9 88 本多 永一 BS Bridgestone LEG Eds ロードスター 10 24'59.720
10 23 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 10 25'01.566
11 35 佐々木 光 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 10 25'03.474
12 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 10 25'06.899
13 200 YOSHIKI BS Bridgestone ジャスミン ロードスター 10 25'18.456
14 138 西川 昇吾 BS Bridgestone ルブロスTCRロードスター 10 25'18.749
15 47 鷹尾 一成 BS Bridgestone 桐生板金EDロードスター 10 25'30.903
16 123 中島 優太 BS Bridgestone TCR ロードスター 10 25'47.834
17 177 稲垣 知博 BS Bridgestone inaロードスター 10 25'57.102
18 36 上入佐 慶太 BS Bridgestone Moty's 能登ロードスター 10 26'17.828