サクセスウエイト42キロの蒲生尚弥/篠原拓朗/黒沢治樹(LEON PYRAMID AMG/BS)がポールtoウィン!
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2024年08月03日(土) 〜 2024年08月04日(日)
猛暑のコンディションで行われた第4戦は、シリーズ(全8戦)の折り返し。350キロレースをポールポジションからスタートして首位をキープしていた蒲生 尚弥 / 篠原 拓朗 / 黒沢 治樹(LEON PYRAMID AMG/BS)がフルコースイエローの導入される直前にピットインしてドライバー交代を行なえたことでレースに復帰した時に大きなマージンを得て首位を快走、2位に31秒以上の大差をつけて今季初優勝を飾った。
<予選>予選前に急遽GT300クラスの予選方式が変更されることとなった。前に行われていた他の決勝レースでコース上に車両からのオイル漏れが発生、GT300は、2グループで行われるためにコースコンディションがグループ毎に異なる可能性があるためQ1とQ2の合算タイム方式ではなくて、ウエットコンディションの際に適用されるQ2のタイムのみによって決勝のグリッドを決することとなった。Q1のタイム順による各グループのトップ8とそれ以下でQ2のリグループ、アッパー(Q1の上位16台)とロウワー(Q1の17台目以下)のグループ分けは変わらない。ポイントランキングトップの堤 優威 / 平良 響(muta Racing GR86 GT/BS)とランキング3番手の吉田 広樹 / 野中 誠太(Green Brave GR Supra/BS)のブリヂストンタイヤユーザーは、このレースから適用される最大ウエイト50Kgのサクセスウエイトを搭載しており、Q1ではグループのトップ8に食い込むことができず、Q2のロウワーグループに回ることになった。蒲生 尚弥 / 篠原 拓朗 / 黒沢 治樹(LEON PYRAMID AMG/BS)は、42Kg、小高 一斗 / 中村 仁 / 根本 悠生(apr LC500h GT/BS)は40Kgと重いサクセスウエイトながらQ1をトップ8で通過、Q2のアッパーグループへ。そして、Q2のアッパーグループで蒲生/篠原/黒澤組が見事に今季2回目のポールポジションを獲得した。小高/中村/根本組は、12番手、堤/平良組18番手、吉田/野中組19番手で決勝をスタートすることとなった。
<決勝>予選日に増して気温、路面温度は上昇した。ポールスタートの蒲生/篠原/黒澤組はスタート直後からリードを築くことに成功し、毎周2位以下を引き離していった。今回の決勝は、終わってみればレースが中断されるアクシデントも殆どなく、26周目にGT300の車両がトラブルでコース横のエスケープソーンにストップしてしまってフルコースイエロー(FCY)が3周の間導入されただけだった。蒲生/篠原/黒澤組は、一人のドライバーのミニマム周回数をクリアーしていたためにFCYが導入される直前にクラス内で最初にピットインを判断。その直後にFCY導入、これによって2位以下の車両は、ピットに入ることができなくなり、蒲生/篠原/黒澤組はレースの半分が消化される前に大きなリード、2位に約50秒の大差を得ることができた。その後は、後続のペースを見てペースをコントロールしながらゴールを目指し、終わってみれば31秒のリードを保って優勝した。予選でポール、決勝で優勝、トータル23ポイントを得てランキング2位へ躍進して後半戦に臨むこととなった。最大サクセスウエイト50Kgを積んでいる堤/平良組、吉田/野中組は、ポイント獲得へ向けてポジションアップしていた。吉田/野中組は、タイヤ無交換作戦で8位までポジションアップ、しかし終盤に車両トラブルが発生してリタイヤ。堤/平良組は、吉田/野中組とポジション争いを演じ、タイヤ交換したアドバンテージを活かして順位を上げ、8位フィニッシュ。ランキングトップを堅持。小高/中村/根本組もタイヤ無交換作戦をとり一時は10位以内で走行していたが、終盤ペースが上がらず、12位フィニッシュ。
優勝ドライバーのコメント
蒲生尚弥選手「まずは嬉しいですし、本当にホッとしているのが本音です。やっと勝てたので本当にホッとしました。自分のスティントを振り返ると、FCYのピットのタイミングでかなりギャップを作れたので、後半はタイヤと燃料をセーブしながら、あとは何も起きないように気を付けて淡々と走っていたんですけど、結構、長かったですね。無事に終わって良かったと思います。次戦の鈴鹿は富士ほどMercedes AMG GT3との相性はあまり良くないかもしれないですけど、毎戦同じで、自分たちのできることをひとつずつ着実にやっていくのがチャンピオン獲るためにはすごく大事なことだと思いますので、焦らず、自分たちのできるレースをやっていきたいと思います」
篠原拓朗選手「本当に嬉しいのひと言です。LEON RACINGに加入させていただいてからポールポジションを複数回、2位という順位も何回か獲得できたのですけど、優勝はなかなかできていなくて、そういう意味では今回待望の優勝でとても嬉しいです。 自分のスティントに関しては、スタートして1周目からペースも良かったですし、後続のバトルも見ながら走れました。ブリヂストンタイヤのパフォーマンスとチームのみんなが作ってくれたクルマが良かったおかげで、僕のスティントは気持ち良く走ることができましたし、ピットインのタイミングも本当に運が良かったです。ピットインの判断については、Bコーナーに入る手前でイエロー(黄旗)が出ていて、Bコーナーに入った時に25号車が止まっているのが確認できたんですけど、監督からのGTA無線での案内がなかったので、先に僕の方からそれを伝えました。そうしたら、「入れるなら、入りましょう」という返答だったので、FCYのモニターとかピット入口の信号と“にらめっこ”しながら、多分、本当にギリギリだったと思うんですけどピットに入れたので、そこは運が良かったですね」
黒沢治樹選手「今回は監督であり、第3ドライバーという立場ではありますけど、今回ふたりが勝ってくれて、チーム的には初ポール・トゥ・ウインなので、それも達成できて本当に良かったと思います。本当にみなさんのおかげだと思っています。ピットインのタイミングは事前にドライバーにはピットに入れるタイヤの周回数だとか、燃料的な考えでウインドウが開くところは言ってありました。そのなかで「何かあった時には無線で言ってくれ」と伝えてあったので、篠原選手に「ここで入れても燃料は大丈夫か?」と聞いたら「大丈夫です」と言ったので、入れるという判断をしました。燃料がもつのか、エンジニアに300回ぐらい確認しました(笑)。蒲生選手には少し燃料をセーブしてもらいましたけど、タイヤ的には心配ありませんでした」
ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント
「それほど心配していたわけではないですが、決勝のロングランではライバルメーカーさんも良いので、どういう展開になるかなと思っていましたが、スタート直後から蒲生/篠原/黒澤組がリードを築き、そしてFCYの直前にピットインでき、結果的にそれが大きな勝因となりましたが、それが無くともタイヤのパフォーマンスは問題なく勝てたと思います。また、ランキングトップの堤/平良組が再びポイントゲットしてくれました。タイヤ交換をするかどうかについては、耐久性ではこの厳しい状況下で問題はありませんでしたのでチームさんの作戦でどちらにメリットがあるかという判断でした。GT500、GT300ともにポールtoフィニッシュという最高の結果でした」
決勝
- 開催日:2024/08/04
- 天候:Fine-Cloudy
- 路面:Dry
- 路面温度:56°C〜45°C
- 決勝出走:27
- 完走:24
- (4.563km x 71laps = 323.973km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 65 | 蒲生 尚弥 /篠原 拓朗/黒澤 治樹 | BS | LEON PYRAMID AMG | 71 | 2:01'50.865 | ||||||
2 | 4 | 谷口 信輝 /片岡 龍也 | YH | グッドスマイル 初音ミク AMG | 71 | 2:02'22.512 | ||||||
3 | 56 | 佐々木 大樹 /J.P.デ・オリベイラ | YH | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R | 70 | 2:00'43.367 | ||||||
4 | 777 | 藤井 誠暢 /C.ファグ | DL | D'station Vantage GT3 | 70 | 2:00'53.679 | ||||||
5 | 88 | 小暮 卓史 /元嶋 佑弥 | YH | JLOC Lamborghini GT3 | 70 | 2:01'00.879 | ||||||
6 | 87 | 松浦 孝亮 /坂口 夏月 | YH | METALIVE S Lamborghini GT3 | 70 | 2:01'08.840 | ||||||
7 | 7 | 荒 聖治 /N.クルッテン/B.スペングラー | MI | Studie BMW M4 | 70 | 2:01'09.704 | ||||||
8 | 2 | 堤 優威 /平良 響 | BS | muta Racing GR86 GT | 70 | 2:01'21.216 | ||||||
9 | 6 | 片山 義章 /R.M.ムンタン | YH | UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI | 70 | 2:01'22.359 | ||||||
10 | 11 | 富田 竜一郎 /石川 京侍 | DL | GAINER TANAX Z | 70 | 2:01'34.100 | ||||||
11 | 45 | K.コッツォリーノ /L.ワドゥー | MI | PONOS FERRARI 296 | 70 | 2:01'34.109 | ||||||
12 | 31 | 小高 一斗 /中村 仁/根本 悠生 | BS | apr LC500h GT | 70 | 2:01'35.154 | ||||||
13 | 62 | 平手 晃平 /平木 湧也/平木 玲次 | YH | HELM MOTORSPORTS GTR | 70 | 2:01'39.730 | ||||||
14 | 60 | 吉本 大樹 /河野 駿佑 | DL | Syntium LMcorsa GR Supra GT | 70 | 2:01'54.408 | ||||||
15 | 5 | 藤波 清斗 /塩津 佑介 | YH | マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号 | 70 | 2:02'15.798 | ||||||
16 | 18 | 小林 崇志 /小出 峻/三井 優介 | YH | UPGARAGE NSX GT3 | 70 | 2:02'25.414 | ||||||
17 | 360 | 大滝 拓也 /青木 孝行/荒川 麟 | YH | RUNUP RIVAUX GT-R | 69 | 2:00'46.193 | ||||||
18 | 30 | 永井 宏明 /小林 利徠斗/織戸 学 | YH | apr GR86 GT | 69 | 2:00'51.624 | ||||||
19 | 20 | 平中 克幸 /清水 英志郎 | MI | シェイドレーシング GR86 GT | 69 | 2:01'12.687 | ||||||
20 | 50 | I.O.フラガ /古谷 悠河 | YH | ANEST IWATA Racing RC F GT3 | 69 | 2:02'02.764 | ||||||
21 | 22 | 和田 久 /小山 美姫 | YH | アールキューズ AMG GT3 | 69 | 2:02'24.717 | ||||||
22 | 48 | 井田 太陽 /眞田 拓海/伊藤 鷹志 | YH | 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R | 67 | 2:00'58.867 | ||||||
23 | 52 | 吉田 広樹 /野中 誠太 | BS | Green Brave GR Supra GT | 64 | 1:51'40.169 | ||||||
24 | 61 | 井口 卓人 /山内 英輝 | DL | SUBARU BRZ R&D SPORT | 59 | 2:01'55.973 | ||||||
- | 96 | 新田 守男 /高木 真一 | DL | K-tunes RC F GT3 | 24 | DNF | ||||||
- | 25 | 菅波 冬悟 /松井 孝允/佐藤 公哉 | YH | HOPPY Schatz GR Supra GT | 23 | DNF | ||||||
- | 9 | 阪口 良平 /冨林 勇佑/藤原 優汰 | YH | PACIFIC ふいすぽっ NAC AMG | 1 | DNF |