5月の記録的な高温の状況の中、中嶋一貴/関口雄飛(au TOM’S LC500/BS)がポールtoウィンで今季初優勝を飾る。トップ6をブリヂストンユーザーが独占
- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2019年05月25日(土) 〜 2019年05月26日(日)
全国各地で記録的な高温を記録したこの週末。SUPER GT第3戦が開催された鈴鹿サーキットも一気に気温が上昇した。初戦、第2戦と不順な天候に悩まされたが、今回は予選、決勝ともに真夏を思わせるようなコンディションとなった。予選でポールポジションを獲得した中嶋一貴/関口雄飛(au TOM’S LC500/BS)は、スタートからトップポジションを維持し、ピットイン後も首位を譲ることなく優勝。2位には予選2位からスタートした同じトムスチームの平川亮/ニック・キャシディ(KeePer TOM’S LC500/BS)がフィニッシュしている。
<予選>
土曜日の午後には気温が30度を超え、路面温度は5月としては異例な50度に迫ろうとしていた。Q1では、開幕戦の岡山を制した野尻智紀/伊沢拓也(ARTA NSX-GT/BS)がトップタイムを叩き出し、これに大嶋和也/山下健太(WAKO’S 4CR LC500/BS)が続き、この時点でブリヂストン装着車がトップ6を占める状況となっていた。Q2に入ってやや気温は下がったものの、依然として路面温度が高い状況が続いた。平川/キャシディ組がトップタイムをマークした直後にチームメイトの中嶋/関口組が0.013秒差でトップを奪取するという展開でトムスチームがフロントローを独占した。同チームがフロントローを独占したのは、1999年第5戦の富士スピードウェイ以来。レクサスLC500にとっては、初の鈴鹿ポールポジション獲得。3番手には野尻/伊沢組、4番手に佐々木大樹/ジェームス・ロシター(カルソニック IMPUL GT-R/BS)、そして大嶋/山下が続いてトップ5グリッドはブリヂストンユーザが占めた。
<決勝>
今シーズン初めてスタート時にドライコンディションとなった。スタート直後から中嶋/関口組が2位以下を引き離す快走を見せた。これにチームメイトの平川/キャシディ組が続き、序盤からペースアップした5番手スタートの大嶋/山下組が一気に3位へ上がってきた。52周レースの18周目にランキングトップの松田次生/ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R/MI)が130Rでコースオフしてクラッシュ。マシンの撤去作業のためにセーフティカーがコースイン。22周目にレース再開。その時点でピットインのタイミングと重なっていたために、上位陣はレース再開とともにピットロードへなだれ込んできた。中嶋から関口にドライバーチェンジした後もトップを維持、ピットアウトのタイミングで大嶋/山下組が2位へ上がるが平川/キャシディ組もそれを追って、トップ3は、LC500による3台のテールtoノーズの展開となった。首位争いは一時1秒以下の差で接戦だったが、関口は首位を堅持、そしてGT300クラスを追い抜くタイミングで2位が入れ替わって、スターティングポジションと同じトムスチーム1-2体制が再現されてそのままゴールラインを切った。終盤までトップ7をブリヂストン装着車が独占していたが、5位を走行していた佐々木/ロシター組がエンジントラブルでストップしてしまい、順位を落として6位までを占める結果となった。
<優勝ドライバーのコメント>
中嶋一貴選手のコメント「クルマの調子が良かったのでスタートドライバーの自分が最初からプッシュしてギャップを拡げて(関口)雄飛に渡そう、と思ってスタートしました。オープニングラップで少しリードを拡げることができましたが、チームメイトの37号車も6号車も同じブリヂストンタイヤですからペースが良くて、ギャップを大きく拡げることはできませんでした。セーフティカーが出たのはちょっとアンラッキーだったですが、レースが再開してからもリードを保ったまま走ることができました。ピットインもいいタイミングで入ることができたし、ピット作業もノーミスでチームは完璧な仕事をしてくれました。雄飛に代わってから、後半スティントの序盤ではあまりペースが上がらず、ピットで見ていて少し心配しましたが、それでも雄飛なら抜かれることは絶対にないだろう、と信じていました」
関口雄飛選手のコメント「(中嶋)一貴さんがスタートして1周で1.5秒くらい、2位との差を拡げて帰って来たので、これはそのままギャップを拡げてもらえる、と思っていました。でも2周目以降は差が拡がることなく、しかもセーフティカーが入ってしまった。でもいいタイミングでピットインして交替したので<後は自分が頑張るだけ>という気持ちで走りました。アウトラップも最高の走りができたと思っています。大嶋選手のペースが速く、無理してペースを上げていっても最後はタイヤが厳しくなって、このまま逃げきることはできないだろうと考えました。だから気持ちを切り替え、6号車にタイヤを消耗してもらおう、と考えました。GT500では前のクルマに近づくとダウンフォースが抜けて、タイヤを痛めやすくなるんです。その作戦は、成功しました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発部マネージャー:松本真幸のコメント>
「5月にしては記録的な高温、路面温度が高い状況でも、全く問題なく性能を維持して上位6位までを独占して、優位性を最大限示すことができました。これは、シーズンイン前のマレーシア、セパンサーキットでテストし、走り込んで作り上げたタイヤが今回のコンディションでその力を発揮してくれた結果です。今回はレクサス勢が速さを発揮してくれましたが、NSX-GTもGT-Rもペースは良かったと思います。終盤にカルソニック IMPUL GT-Rがエンジントラブルでストップしてしまったのは残念です。次戦は、タイ、チャンインターナショナルサーキットですが、同じく暑いコンディションの中でも今回のような好成績を残せるよう各チームを強力にサポートしてまいります」
決勝
- 開催日:2019/05/26
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:42℃〜40℃
- 決勝出走:15
- 完走:13
- (5.807km x 52laps = 301.964km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 36 | 中嶋 一貴/関口 雄飛 | BS | au TOM'S LC500 | 52 | 1:47:21.606 | ||||||
2 | 37 | 平川 亮/N.キャシディ | BS | KeePer TOM'S LC500 | 52 | 1:47:29.677 | ||||||
3 | 6 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | WAKO'S 4CR LC500 | 52 | 1:47:32.140 | ||||||
4 | 8 | 野尻 智紀/伊沢 拓也 | BS | TGR中ジHSR旭ロードスター | 52 | 1:47:38.432 | ||||||
5 | 39 | H.コバライネン/中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD LC500 | 52 | 1:47:55.946 | ||||||
6 | 38 | 立川 祐路/石浦 宏明 | BS | ZENT CERUMO LC500 | 52 | 1:48:03.959 | ||||||
7 | 19 | 国本 雄資/坪井 翔 | YH | WedsSport ADVAN LC500 | 52 | 1:48:18.093 | ||||||
8 | 24 | 高星 明誠/J.マーデンボロー | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 52 | 1:49:29.203 | ||||||
9 | 3 | 平手 晃平/F.マコヴィッキィ | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 52 | 1:48:29.840 | ||||||
10 | 12 | 佐々木 大樹/J.ロシター | BS | カルソニック IMPUL GT-R | 51 | 1:46:39.680 | ||||||
11 | 64 | N.カーティケヤン/牧野 任祐 | DL | Modulo Epson NSX-GT | 51 | 1:47:42.756 | ||||||
12 | 16 | 武藤 英紀/中嶋 大祐 | YH | MOTUL MUGEN NSX-GT | 51 | 1:48:06.512 | ||||||
13 | 1 | I.O.フラガ/J.バトン | BS | RAYBRIG NSX-GT | 51 | 1:48:13.415 | ||||||
- | 17 | 岩澤 優吾/B.バゲット | BS | KEIHIN NSX-GT | 31 | DNF | ||||||
- | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 16 | DNF |