山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)が有終の美。そして、平峰一貴/ベルトラン・バゲット(CALSONIC IMPUL GT-R/BS)がシリーズチャンピオンを獲得
- 開催場所:ツインリンクもてぎ
- 開催日:2022年11月05日(土) 〜 2022年11月06日(日)
シリーズ最終戦の第8戦は、モビリティリゾートもてぎで3年ぶりに開催された。予選、決勝日を通じて好天に恵まれ多くのモータースポーツファンがサーキットに訪れてくれた。レースは予選、決勝で速さ、強さを遺憾無く示した山本尚貴/牧野任祐(STANLEY NSX-GT/BS)が一度も首位を奪われることなく優勝。そして、ランキング2位で最終戦に臨んだ平峰一貴/ベルトラン・バゲット(CALSONIC IMPUL GT-R/BS)はレースの中盤でトップに迫る勢いを見せたが、2位でゴールしてシリーズチャンピオンを獲得した。
<予選>
予選前の公式練習走行では、今シーズン4回のポールポジションを獲得している国本雄資/阪口晴南(WedsSports ADVAN GR Supra/YH)やランキングトップの千代勝正/高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z/MI)などのチームが好調な滑り出しを見せていたが、予選では、Q1で山本/牧野組がトップに立つと、Q2でもコースレコードを更新する速さで今季初のポールポジションを獲得した。2番手には、国本/阪口組。そして、3番手グリッドにはランキング2位の平峰/バゲット組が位置し、千代/高星組がその横、4番手グリッドに並ぶという上位グリッドとなった。ランキング3位、第7戦で優勝の塚越広大/松下信治(Astemo NSX-GT/BS)はQ1で敗退するという思わぬ展開となってしまった。
<決勝>
スタート直後から素晴らしいダッシュを見せた山本/牧野組が一気に2位以下とのギャップを広げて独走態勢となった。ところが8周目に3、4コーナー間で起きたマルチクラッシュによってフルコースイエロー(FCY)からセーフティカー(SC)が導入され、さらにはSC走行中にGT300クラスの車両が追突するというアクシデントがストレート上で起きてしまった。これで山本/牧野組のリードは消えてしまったものの、リスタート後には変わらずトップを守り続けゴールを目指した。後続の中では平峰/バゲット組が2位へ順位を上げて終盤にはトップとのギャップを詰め、攻めの姿勢を最後まで示した。また、予選で苦しんだトヨタのSupra勢の中で11番手スタートの大嶋和也/山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)が上位進出を果たし、ピットイン後に3位まで順位を上げた。山本/牧野組はファステストラップも記録して、最終戦をパーフェクトに締め括った。IMPULチームはSUPER GTの前身、全日本GT選手権以来のシリーズチャンピオン獲得であり、複数のタイヤメーカーが存在する日産陣営の中でブリヂストン装着の12号車がZのデビューイヤーを飾ることになった。
<優勝ドライバーのコメント>
山本尚貴選手「牧野選手が築いてくれたマージンのままだったら余裕でピット作業も行えたのですが、大きなアクシデントが起きてしまって、マージンは無くなってしまいました。幸いにも心配だったタイヤのウォームアップも良くてトップを守ることができたのですが、給油量が少なかったようで、燃費走行をしなくてはなりませんでした。しかし、チームとホンダさん、HRCさんの強さを最大限に示すことができたと思います」
牧野任祐選手「スタートしてからタイヤのウォームアップとグリップもとても好調で、気持ちよく走ることができていたのですが、結局SCが出て2位とのギャップは無くなってしまいました。その後も調子が良くて、自分のスティントはこれまでで最高だったと思います。TEAM KUNIMITSUに移籍して3年目、シーズンの中盤では苦しみましたが、最後に完璧な形で締め括れました」
<チャンピオンドライバーのコメント>
平峰一貴選手「今は、チャンピオンという実感がまだ無いです。数週間かかって実感が湧いてくると思います。チームに加わって3年目、チャンピオンを獲りたくても獲れなくて、苦しんでいた時にバゲットさんが加わってくれて、自分を奮い立たせてくれました。今回40周のセカンドスティントは、人生で一番長いスティントでした(笑)。これまで支えていただいた全ての人たち、会社の皆さんに感謝します」
ベルトラン・バゲット選手「日本のSUPER GTに参戦して9年目。ホンダで経験をさせていただいて、日産、星野さんに迎え入れてもらい、素晴らしいチームメイトと巡り会えて、今年は、夢のようなシーズンを過ごすことができました。何度かチャンピオンに手が届くようで届かなかった。3番手スタートからタフなレースだったけれど、今は、スーパースーパーハッピーです」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「27年ぶりにチャンピオンを獲得した平峰/バゲット組のIMPULチームさんおめでとうございます。優勝した山本/牧野組のNSXそして3位の大嶋和也/山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)と3メーカーの各トップを全てブリヂストン装着車で占めることができました。シーズンの途中からは、混戦模様の展開でしたが、最終戦で優勝。そしてチャンピオンを獲得することができました」
決勝
- 開催日:2022/11/06
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:27°C〜27°C
- 決勝出走:15
- 完走:13
- (4.801km x 63laps = 302.463km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 100 | I.O.フラガ/牧野 任祐 | BS | STANLEY NSX-GT | 63 | 2:04'58.929 | ||||||
2 | 12 | 平峰 一貴/B.バゲット | BS | カルソニック IMPUL Z | 63 | 2:05'00.141 | ||||||
3 | 14 | 大嶋 和也/山下 健太 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 63 | 2:05'00.817 | ||||||
4 | 3 | 千代 勝正/高星 明誠 | MI | CRAFTSPORTS MOTUL Z | 63 | 2:05'01.724 | ||||||
5 | 17 | 岩澤 優吾/松下 信治 | BS | Astemo NSX-GT | 63 | 2:05'14.934 | ||||||
6 | 37 | S.フェネストラズ/宮田 莉朋 | BS | KeePer TOM'S GR Supra | 63 | 2:05'25.405 | ||||||
7 | 19 | 国本 雄資/阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 63 | 2:05'32.868 | ||||||
8 | 8 | 野尻 智紀/福住 仁嶺 | BS | ARTA NSX-GT | 63 | 2:05'39.224 | ||||||
9 | 36 | 坪井 翔/G.アレジ | BS | au TOM'S GR Supra | 63 | 2:05'44.194 | ||||||
10 | 38 | 立川 祐路/石浦 宏明 | BS | ZENT CERUMO GR Supra | 63 | 2:05'48.965 | ||||||
11 | 16 | 笹原 右京/大湯 都史樹 | DL | Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT | 63 | 2:06'10.130 | ||||||
12 | 64 | 伊沢 拓也/大津 弘樹 | DL | apr LC500h GT | 63 | 2:06'11.712 | ||||||
13 | 23 | 松田 次生/R.クインタレッリ | MI | MOTUL AUTECH Z | 60 | 2:05'02.268 | ||||||
- | 24 | 佐々木 大樹/平手 晃平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 8 | DNF | ||||||
- | 39 | 関口 雄飛/中山 雄一 | BS | PONOS GAINER GT-R | 8 | DNF |