坪井 翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)が予選ポールポジションを獲得してチャンピオンを決定。決勝も優勝して有終の美を飾る

  • 開催場所:鈴鹿サーキット
  • 開催日:2024年12月07日(土) 〜 2024年12月08日(日)
2024年オートバックスSUPER GT第5戦鈴鹿サーキット【GT500クラス】

8月31日-9月1日に開催を予定していた第5戦鈴鹿大会が台風10号の影響で延期されて、12月に行われることとなった。SUPER GTのレースが12月に行われるのは初めて。第8戦モビリティ・リゾート・もてぎ大会で今シーズン2勝目を記録した坪井 翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)は、予選でポールポジションを獲得し、チャンピオンを決定した。決勝ではポジションを堅持してポールtoウィンを達成。

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<予選>予選の結果次第でチャンピオン獲得の可能性がある坪井/山下組は、ランキング2位の山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)に18点の大差をつけて最終戦に臨んだ。Q1からコースレコードが更新されるコンディションの中でトップタイムを叩き出したのは、松田次生/名取鉄平(リアライズコーポレーションADVAN Z/YH)だった。坪井/山下組はトップから0.067秒差で3番手につけていた。そしてQ2でもコースレコードタイム更新のラッシュとなる中、大嶋和也/福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)がコースレコードを樹立しトップタイムをマーク、Q1との合算タイムで3番手となったが他車の走路を妨害したとして決勝では5グリッド降格のペナルティを受けた。坪井/山下組は、Q2でも3番手タイムをマーク、合算タイムでポールポジションを獲得して予選ポイント3点を加算。トータル77点。山本/牧野組が5番手となり予選ポイントを獲得できなかったため点差は21点となって、決勝で優勝し20点を得たとしても坪井/山下組に届かず、予選終了時点でチャンピオンが決定した。

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<決勝>気温13度、路面温度19度。モータースポーツファンで満席となったグランドスタンド前ホームストレッチは、強いフォローの寒風が吹いていた。三重県警の白バイとパトカーが先導するパレードラップの後にタイヤのウォームアップのため2周のフォーメーションラップが行われて、51周、300キロの今シーズン最終レースがスタートした。ポールスタートの坪井/山下組は、ポジションを守り、背後には2番手スタートの塚越広大/太田角之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT/BS)迫った。しかし、塚越/太田組は、9周目のデグナーカーブでGT300の車両と接触してしまって、順位を下げてしまった。このアクシデントで一回目のフルコースイエロー(FCY)が導入された。FCY解除後に高星明誠/三宅淳詞(Niterra MOTUL Z/BS)が2位まで順位を上げていた。トップグループは、レース周回数の3分の1を紹介した時点でピットイン、ドライバー交代とタイヤ交換を行った。トップは、変わらなかったが、高星/三宅組は、坪井/山下組を攻め立てて何度もオーバーテイクを仕掛けた。レース中盤を過ぎ2回目のFCYが導入され、それが解除された周に高星/三宅組がデグナーカーブでスピンそしてしまって順位を落としたしまった。代わって2位へ上がったのは、一時は5位まで順位を下げていた塚越/太田組。そして、グリッド最後尾から着実に順位を上げていた平峰一貴/ベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z/BS)が3位へ。坪井/山下組は、一度も首位を明け渡すことなく前戦から連勝。今シーズン3勝目を記録。TOM’Sチームは、チャンピオン連覇。

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<優勝&チャンピオンドライバーのコメント>


坪井翔選手「自身3回目のチャンピオンを獲得することができました。それぞれのチャンピオンに意味はもちろんあったのですが、1回目のチャンピオンは大逆転のチャンピオンで、2回目はしっかり最終戦まで戦ってチャンピオン。今年はなんですかね、最終戦を待たずしてチャンピオンみたいな形で、同じチャンピオンでも、そこまでのプロセスが1回目、2回目と全然違います。3回目のチャンピオンはやっぱり今シーズンランキングトップを1回も譲らずにチャンピオンを獲れましたし、そういった意味では、速さ、強さを一番発揮できた年だったと思うので、同じチャンピオンのなかでも今年のチャンピオンは、ライバル勢に『36号車には敵わないよね』と思わせるようなシーズンにできたと思うので、素晴らしい年だったと思います。ブリヂストンさんをはじめチーム、スタッフ、サポートしていただいた方々に感謝です」
山下健太選手「今年TGR TEAM au TOM'Sの36号車に移籍してきて、絶対チャンピオンを獲らなきゃいけない環境ではあったのですが、シーズンが始まる前は『まぁ大丈夫だろう』と思っていたものの、始まってみるとうまく乗れないときもあって、ちょっとそれがプレッシャーにもなり、最終戦に近づくにつれ、坪井選手はスーパーフォーミュラで勝っちゃうし、SUPER GTではダブルタイトルが懸かっていて、チームは2連覇がかかっている状況で、自分は今までそういうのはあんまりなかったのですけど、プレッシャーというか、なんか珍しく緊張を感じるレースが多かったです。そのなか、それなりにチャンピオンが獲れるぐらいのパフォーマンスを出せたのかなっていう風には思います。今日のレースもちょっと気を抜けば2、3番に落ちそうな展開ではあったのですが、なんとかそこを押さえ切れたので、ほんとに完璧な形でチャンピオンが獲れてうれしいですし、坪井選手とチームとスタッフ、そしてブリヂストンさんにほんとに感謝しています」

<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「この時期、初めての12月レースに対して、予選/決勝で戦闘力が高いタイヤを選んで各チームに供給しました。しかし、予選では始まりから終わりで路面温度が8度も下がり、Q1の路面温度は、各チームがチョイスしたタイヤの温度上限。Q2では下限という状況でした。タイヤ的には特にこの時期、低温に対して攻めた設定ではなく手堅いもので各チームが頑張っていただけたと思います。決勝では、ウォームアップ性で苦しさがありましたが、チャンピオン、そして優勝の36号車、坪井/山下組は予選でチャンピオンを決めていますので、セカンドスティントのタイヤも安定したパフォーマンスを示すタイヤで走行していただいたので、他のチームに攻め立てられるシーンもありましたが、頑張って勝っていただき、素晴らしい締めくくりとなりました」




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レース結果

コース:鈴鹿サーキット

[GT500]

決勝

  • 開催日:2024/12/08
  • 天候:Fine-Cloudy-Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:19°C〜17°C
  • 決勝出走:15
  • 完走:15
  • (5.807km x 51laps = 296.157km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 36 坪井 翔 /山下 健太 BS Bridgestone au TOM'S GR Supra 51 1:44'15.090
2 17 塚越 広大 /太田 格之進 BS Bridgestone Astemo CIVIC TYPE R-GT 51 1:44'16.603
3 12 平峰 一貴 /B.バゲット BS Bridgestone MARELLI IMPUL Z 51 1:44'24.432
4 100 山本 尚貴 /牧野 任祐 BS Bridgestone STANLEY CIVIC TYPE R-GT 51 1:44'31.174
5 16 大津 弘樹 /佐藤 蓮 BS Bridgestone ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 51 1:44'31.788
6 14 大嶋 和也 /福住 仁嶺 BS Bridgestone ENEOS X PRIME GR Supra 51 1:44'32.290
7 3 高星 明誠 /三宅 淳詞 BS Bridgestone Niterra MOTUL Z 51 1:44'39.629
8 23 千代 勝正 /R.クインタレッリ BS Bridgestone MOTUL AUTECH Z 51 1:44'46.349
9 38 石浦 宏明 /大湯 都史樹 BS Bridgestone KeePer CERUMO GR Supra 51 1:44'49.082
10 39 関口 雄飛 /中山 雄一 BS Bridgestone DENSO KOBELCO SARD GR Supra 51 1:44'50.584
11 37 笹原 右京 /G.アレジ BS Bridgestone Deloitte TOM'S GR Supra 51 1:45'02.008
12 8 野尻 智紀 /松下 信治 BS Bridgestone ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 51 1:45'54.026
13 64 伊沢 拓也 /大草 りき DL Modulo CIVIC TYPE R-GT 50 1:44'27.424
14 19 国本 雄資 /阪口 晴南 YH WedsSport ADVAN GR Supra 50 1:44'27.517
15 24 松田 次生 /名取 鉄平 YH リアライズコーポレーションADVAN Z 50 1:45'35.633
[GT500]

予選

  • 開催日:2024/12/07
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:24°C〜16°C
  • 決勝出走:15
  • (5.807km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 36 坪井 翔 /山下 健太 BS Bridgestone au TOM'S GR Supra 3'27.008
2 17 塚越 広大 /太田 格之進 BS Bridgestone Astemo CIVIC TYPE R-GT 3'27.208
3 14 大嶋 和也 /福住 仁嶺 BS Bridgestone ENEOS X PRIME GR Supra 3'27.364
4 24 松田 次生 /名取 鉄平 YH リアライズコーポレーションADVAN Z 3'27.605
5 100 山本 尚貴 /牧野 任祐 BS Bridgestone STANLEY CIVIC TYPE R-GT 3'27.673
6 16 大津 弘樹 /佐藤 蓮 BS Bridgestone ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 3'28.313
7 19 国本 雄資 /阪口 晴南 YH WedsSport ADVAN GR Supra 3'28.414
8 3 高星 明誠 /三宅 淳詞 BS Bridgestone Niterra MOTUL Z 3'28.441
9 37 笹原 右京 /G.アレジ BS Bridgestone Deloitte TOM'S GR Supra 3'28.763
10 38 石浦 宏明 /大湯 都史樹 BS Bridgestone KeePer CERUMO GR Supra 3'28.894
11 23 千代 勝正 /R.クインタレッリ BS Bridgestone MOTUL AUTECH Z 3'28.985
12 8 野尻 智紀 /松下 信治 BS Bridgestone ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 3'29.046
13 39 関口 雄飛 /中山 雄一 BS Bridgestone DENSO KOBELCO SARD GR Supra 3'29.249
14 64 伊沢 拓也 /大草 りき DL Modulo CIVIC TYPE R-GT 3'29.257
15 12 平峰 一貴 /B.バゲット BS Bridgestone MARELLI IMPUL Z 3'29.908