混乱した展開と変化するコースコンディションの中で蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)が開幕戦を制す

  • 開催場所:岡山国際サーキット
  • 開催日:2025年04月12日(土) 〜 2025年04月13日(日)
2025年オートバックスSUPER GT第1戦 岡山国際サーキット【GT300クラス】

決勝日は、予選日とは異なるウエットコンディションとなり、いきなりのアクシデントで混乱。レース再開後も小雨が降り続け、タイヤ選択が難しいコンディションとなった。やがて雨は止みウエットからドライに変化。一旦は、勝機に見放された蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)だったが、セーフティカー(SC)の導入でチャンスが訪れた。接触によるタイムペナルティを科せられたがそれ以上の差をつけ、今季初優勝を得ることができた。

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<予選>予選方式が昨年の合算方式から2023年まで行われていたノックアウト方式へ変更された。GT300クラスは、昨年のランキングによってA、Bの2グループに分けられ、Q1各グループ上位9台がQ2に進出できる。Q1のAグループで出走した小山美姫/根本悠生(apr LC500h GT/BS)が8番手でQ2進出を果たすことができたが、昨シーズンにチャンピオン争いを演じた堤優威/平良響(HYAPER WATER INGING GR86 GT/BS)は、11番手でQ1敗退となってしまった。Bグループではブリヂストンタイヤ装着車がグループ1-2ポジションを獲得。蒲生尚弥/菅波(LEON PYRAMID AMG/BS)がトップ。2番手に吉田広樹/野中誠太(Green Brave GR Spra GT/BS)が続いた。トータル18台で決勝のスターティンググリッドを競ったQ2では、藤井誠暢/チャーリー・ファグ(D’station Vantage GT3/DL)がセッション終盤で叩き出したトップタイムをアタック最終ラップに谷口信輝/片岡龍也(グッドスマイル初音ミク AMG/YH)が逆転してポールポジションを奪取。蒲生/菅波組は4番手2列目、吉田/野中組は7番手4列目。小山/根本組は18番手、堤/平良組は、22番手のグリッドから決勝のスタートを切ることとなった。

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<決勝>ウエットコンディションのスタートは、セーフティカーラン後から競技が開始された直後にGT500クラスで起きたマルチクラッシュによって赤旗中断。GT300クラスのマシンは巻き込まれることはなかった。約30分後に再びセーフティカースタートで再開。序盤の上位陣は、予選順位がキープされて周回が重ねられていた。雨は、レースの中盤以降まで降り続いていた。ドライバー交代のピットストップウインドウ(レースの3分の1)が開き始めるとドライバー交代と共にレインタイヤからレインタイヤへ交換するチームが出てきた。苦しい展開を強いられていた蒲生/菅波組だが、ルーティンのピットインまでに順位をアップを果たしてトップに浮上していた。そしてドライバー交代時にタイヤ交換をせずピットアウトしてトップに躍り出て後続に大きなリードを保つことができた。しかし、コースがハーフウエットからドライへ変化してスリックタイヤへの交換を行ったアウトラップで先にスリックタイヤに変更していた車両にぱすされ2位へ順位ダウン、トップから25秒以上の差をつけられてしまった。その後に4度目のSC導入によってトップとのギャップが一気に縮まり、SC明けにトップ争いの際に接触。接触した車両がコースオフしたために、5秒のタイムペナルティを科せられた。しかし、その時点で2位以下に大量リードを保っていたので結果にタイム加算されてもトップを守り優勝した。

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<優勝ドライバーのコメント>
蒲生尚弥手「天候がとても荒れて難しいレースでしたが、チームの力と菅波選手の力で優勝することができて、まずはホッとしています。レインタイヤで引っ張れるだけ引っ張り切って、スリックタイヤに替えられれば良かったと思うのですけが、路面の乾きが意外と早くて、スリックタイヤ勢がだんだんタイムを上げてきたので、2回目のピットに入ってスリックタイヤに替えました。最後に18号車(UPGARAGE AMG GT3)と当たってしまったのですけが、そこから先のペースも非常に良くて、今まで準備してきたものがすべてうまくまとまった週末だったかなと思います」
菅波冬悟選手「以前所属していたチームに呼び戻していただいた初戦でしたので、優勝という結果は本当に心からうれしく思っています。天候が読めない中でスタートでしたので、どの種類のレインタイヤを使用するかすごく迷った末に蒲生選手に経験から選んでもらって、序盤は少し苦しかったのですけれども、そこからペースを落とすことなく、自分のスティントをしっかり走り切れました」

<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「ピットストップウインドウが開いた時点では、レインからレインへのタイヤ交換が正しかったのですが、その後にコースコンディションがドライへ変化して一度のピットインでは済まない状況となってしまいました。優勝の蒲生/菅波組は、最後のSC導入でラッキーだったということもありましたが、レイン、スリック共に安定したパフォーマンスが発揮できたと思います。他のブリヂストンユーザーさんがペナルティや接触などのダメージで戦列を去ってしまったことが残念でした」
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レース結果

コース:岡山国際サーキット

[GT300]

決勝

  • 開催日:2025/04/13
  • 天候:Rain-Cloudy
  • 路面:Wet-Dry
  • 路面温度:15°C〜15°C
  • 決勝出走:28
  • 完走:25
  • (3.703km x 79laps = 292.537km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 65 蒲生 尚弥 /菅波 冬悟 BS Bridgestone LEON PYRAMID AMG 79 2:56'29.657
2 26 I.O.フラガ /安田 裕信 YH ANEST IWATA RC F GT3 79 2:56'39.375
3 56 J.P.デ・オリベイラ /平手 晃平 YH リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R 79 2:56'45.218
4 4 谷口 信輝 /片岡 龍也 YH グッドスマイル 初音ミク AMG 78 2:55'28.086
5 9 阪口 良平 /冨林 勇佑 YH PACIFIC アイドルマスター NAC AMG 78 2:55'29.788
6 96 新田 守男 /高木 真一 DL K-tunes RC F GT3 78 2:55'30.549
7 87 松浦 孝亮 /坂口 夏月 YH METALIVE S Lamborghini GT3 78 2:55'37.320
8 666 藤波 清斗 /近藤 翼 YH seven × seven PORSCHE GT3R 78 2:55'41.810
9 0 小暮 卓史 /元嶋 佑弥 YH VENTENY Lamborghini GT3 78 2:55'42.303
10 2 堤 優威 /平良 響 BS Bridgestone HYPER WATER INGING GR86 GT 78 2:55'45.446
11 11 富田 竜一郎 /大木 一輝 DL GAINER TANAX Z 78 2:55'46.757
12 45 K.コッツォリーノ /篠原 拓朗 DL PONOS FERRARI 296 78 2:56'22.923
13 61 井口 卓人 /山内 英輝 DL SUBARU BRZ R&D SPORT 78 2:56'57.900
14 60 吉本 大樹 /河野 駿佑 DL Syntium LMcorsa LC500 GT 77 2:55'31.059
15 25 松井 孝允 /佐藤 公哉 YH HOPPY Schatz GR Supra GT 77 2:55'31.474
16 5 塩津 佑介 /木村 偉織 YH マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号 77 2:55'40.065
17 7 Z.オサリバン /小林 利徠斗 YH CARGUY Ferrari 296 GT3 77 2:55'40.234
18 360 青木 孝行 /荒川 麟 YH RUNUP RIVAUX GT-R 77 2:55'45.615
19 62 平木 湧也 /平木 玲次 YH HELM MOTORSPORTS GT-R 77 2:55'45.818
20 30 永井 宏明 /織戸 学 MI apr GR86 GT 77 2:55'51.546
21 18 小林 崇志 /野村 勇斗 YH UPGARAGE AMG GT3 76 2:52'27.250
22 31 小山 美姫 /根本 悠生 BS Bridgestone apr LC500h GT 76 2:55'33.519
23 48 井田 太陽 /柴田 優作 YH 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R 76 2:55'50.480
24 777 藤井 誠暢 /C.ファグ DL D'station Vantage GT3 75 2:55'23.476
25 22 加納 政樹 /庄司 雄磨 YH アールキューズ AMG GT3 75 2:55'53.299
- 52 吉田 広樹 /野中 誠太 BS Bridgestone Green Brave GR Supra GT 37 DNF
- 20 平中 克幸 /清水 英志郎 MI シェイドレーシング GR86 GT 35 DNF
- 6 片山 義章 /R.M.ムンタン YH UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI DQ
[GT300]

予選

  • 開催日:2025/04/12
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:31°C〜27°C
  • 決勝出走:28
  • (3.703km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 4 谷口 信輝 /片岡 龍也 YH グッドスマイル 初音ミク AMG 6 1'24.420
2 777 藤井 誠暢 /C.ファグ DL D'station Vantage GT3 4 1'24.536
3 61 井口 卓人 /山内 英輝 DL SUBARU BRZ R&D SPORT 3 1'24.579
4 65 蒲生 尚弥 /菅波 冬悟 BS Bridgestone LEON PYRAMID AMG 5 1'24.712
5 6 片山 義章 /R.M.ムンタン YH UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 3 1'24.764
6 9 阪口 良平 /冨林 勇佑 YH PACIFIC アイドルマスター NAC AMG 5 1'24.815
7 52 吉田 広樹 /野中 誠太 BS Bridgestone Green Brave GR Supra GT 5 1'25.090
8 45 K.コッツォリーノ /篠原 拓朗 DL PONOS FERRARI 296 5 1'25.148
9 56 J.P.デ・オリベイラ /平手 晃平 YH リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R 4 1'25.152
10 5 塩津 佑介 /木村 偉織 YH マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号 6 1'25.179
11 7 Z.オサリバン /小林 利徠斗 YH CARGUY Ferrari 296 GT3 5 1'25.233
12 18 小林 崇志 /野村 勇斗 YH UPGARAGE AMG GT3 5 1'25.251
13 666 藤波 清斗 /近藤 翼 YH seven × seven PORSCHE GT3R 5 1'25.382
14 11 富田 竜一郎 /大木 一輝 DL GAINER TANAX Z 4 1'25.486
15 0 小暮 卓史 /元嶋 佑弥 YH VENTENY Lamborghini GT3 5 1'25.618
16 20 平中 克幸 /清水 英志郎 MI シェイドレーシング GR86 GT 4 1'25.633
17 60 吉本 大樹 /河野 駿佑 DL Syntium LMcorsa LC500 GT 6 1'25.661
18 31 小山 美姫 /根本 悠生 BS Bridgestone apr LC500h GT 6 1'25.981
19 96 新田 守男 /高木 真一 DL K-tunes RC F GT3 5 1'26.114
20 48 井田 太陽 /柴田 優作 YH 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R 5 1'26.651
21 26 I.O.フラガ /安田 裕信 YH ANEST IWATA RC F GT3 6 1'26.115
22 2 堤 優威 /平良 響 BS Bridgestone HYPER WATER INGING GR86 GT 6 1'26.677
23 360 青木 孝行 /荒川 麟 YH RUNUP RIVAUX GT-R 4 1'26.755
24 62 平木 湧也 /平木 玲次 YH HELM MOTORSPORTS GT-R 6 1'26.785
25 22 加納 政樹 /庄司 雄磨 YH アールキューズ AMG GT3 6 1'26.776
26 87 松浦 孝亮 /坂口 夏月 YH METALIVE S Lamborghini GT3 4 1'27.032
27 25 松井 孝允 /佐藤 公哉 YH HOPPY Schatz GR Supra GT 5 1'27.237
28 30 永井 宏明 /織戸 学 MI apr GR86 GT 4 1'27.339