坪井 翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)が今季2勝目。チャンピオン獲得に王手をかける
- 開催場所:モビリティリゾートもてぎ
- 開催日:2024年11月02日(土) 〜 2024年11月03日(日)
例年最終戦の舞台となるモビリティリゾートもてぎは、今年第5戦の鈴鹿大会が12月に延期されたことでサクセスウエイトが獲得ポイントX1kgとなった。ランキングトップで臨んだ坪井翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS)は、予選3番手から300Kmレースの序盤にトップに立ち、そのままトップゴール。開幕戦以来の2勝目をゲットしてチャンピオン獲得に王手をかけた。
<予選>三戦連続で雨に見舞われた土曜日の予選。雨量によっては変則的な予選方式が再び行われる可能性も示され、断続的に強弱を繰り返す雨だったが、スケジュール通りに、Q1とQ2のタイム合算によって決勝のグリッドを決することができた。第7戦を終えた時点でランキング上位をブリヂストンユーザーが占め、僅差のトップ3台はサクセスウエイトが半減しても燃料リストリクター1段階が装着されていて苦戦が予想された。まずQ1の10分間ではランキング3番手の山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS=51点)が6番手ながらランキングトップ坪井翔/山下健太(au TOM’S GR Supra/BS=53点)と山本/牧野組と同点ながら2勝している笹原右京/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra/BS=51点)に先行して順調な滑り出しを見せた。Q2では雨量が小雨のコンディションに変化。10分間のセッション中盤では今シーズンから参戦しているホンダのシビック勢が上位を占め野尻智紀/松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT/BS)が2番手でブリヂストン装着勢最上位。また最終盤に坪井/山下組が3番手に入り予選ポイント1点を加え、チャンピオン争をしているライバルに一歩先行した。ポールポジションは伊沢拓也/大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT/DL)。
<決勝>雨の予選から一転して快晴、雲ひとつない秋晴れの下でドライコンディションの決勝日となった。レース序盤にストップした車両があって6周目と8周目にフルコース・イエロー(FCY)となり、FCYの解除の際にトップグループの順位変動があった。2回目のFCY直後に坪井/山下組がトップに立つと一気に2位以下に差をつけてトップの座を確実にしていた。周を重ねるごとにブリヂストンタイヤユーザーが上位を占めていく。23周を終えて坪井から山下にドライバー交代。この時点で2位の石浦宏明/大湯都史樹(Keeper CERUMO GR Supra/BS)に約10秒のリードをつけていた。その後も坪井/山下組はリードを広げて終盤にはその差は約20秒へ広がった。背後では2位争いが繰り広げられ、残り周回数10周で野尻/松下組が石浦/大湯組をパスして2位へポジションアップした。今季2勝目の坪井/山下組は、21ポイントを獲得、トータル74点。ランキング2位は6位フィニッシュの山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)が56点。石浦/大湯組が52点。ランキング2位で第8戦を迎えた笹原右京/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra/BS)は、トラブルでリタイヤしてしまったが、51点でこのトップ4台がチャンピオンの可能性を持って最終戦の鈴鹿大会を迎える。
<優勝ドライバーのコメント>
坪井翔選手「こんなに上出来でいいのかと思うぐらいの結果を残せたのかなと思います。3番手からのスタートだったので、チャンスがあればやっぱりトップを狙いたいなとは思っていました。FCY(フルコースイエロー)のタイミングをうまく利用して、ブリヂストンタイヤのウォームアップ性のいいところもうまく使いながら、トップに立つことができました。自分のスティントとしてはトップに立てたし、10秒近くリードを広げた状態で山下選手に渡すことができたので、前半スティントでやれることはきっちりできたかなと思います」
山下健太選手「自分も、こんなにうまくいって大丈夫なのかなという思いが強いです。坪井選手がトップに立ってくれて、そこから10秒のギャップを築いてくれた状態で渡してくれたので、後半スティントはちょっと長かったですが、自分としては本当に余裕をもって走ることができて、タイヤもかなり労りながら走っていました。最終的に20秒差ぐらいまで広げることができたし、クルマも良かったし、ピット作業も速かったし、みんなに感謝です。18ポイント差。そんなに大量のリードをもって最終戦を迎えるっていうのはなかなかないことだと思うので、逆にちょっと何かが起きるんじゃないかという怖さもありますが、シーズン3勝目を目指しています。普通に優勝を目指し、最後を勝って終わるのがベストなので、チャンピオンはそんなに意識せず、優勝を狙いたいと思います」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「予選に関しては、ソフト、ミディアム、ハードのレインタイヤを持ち込み、ミディアムが合っている状況だったと思います。今回ポールを獲得したマシンはサクセスウエイトが軽いということもありますが、やられてしまったなという思いです。しかし、決勝が雨だったらわれわれの方がコンシスタントなラップを刻めたと思います。そして決勝は晴れて、ドライ。一気にブリヂストン装着車に上位を占めていただきました。それにしても36号車、坪井/山下組の速さは素晴らしかったですね。タイヤのパフォーマンスを全て引き出していただくとあれだけ速いことを示していただきました。最終戦はブリヂストン勢のチャンピオン争いを全力サポートします」
決勝
- 開催日:2024/11/03
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:31℃〜29℃
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (4.801km x 63laps = 302.463km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 36 | 坪井 翔 /山下 健太 | BS | au TOM'S GR Supra | 63 | 1:53'50.242 | ||||||
2 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 63 | 1:54'10.755 | ||||||
3 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 | BS | KeePer CERUMO GR Supra | 63 | 1:54'17.796 | ||||||
4 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 | BS | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 63 | 1:54'17.932 | ||||||
5 | 39 | 関口 雄飛 /中山 雄一 | BS | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 63 | 1:54'23.671 | ||||||
6 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 | BS | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 63 | 1:54'26.860 | ||||||
7 | 3 | 高星 明誠 /三宅 淳詞 | BS | Niterra MOTUL Z | 63 | 1:54'34.952 | ||||||
8 | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 63 | 1:54'35.552 | ||||||
9 | 23 | 千代 勝正 /R.クインタレッリ | BS | MOTUL AUTECH Z | 63 | 1:54'36.441 | ||||||
10 | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 63 | 1:54'49.321 | ||||||
11 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット | BS | MARELLI IMPUL Z | 63 | 1:55'05.835 | ||||||
12 | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 58 | 1:54'37.141 | ||||||
13 | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 | BS | ENEOS X PRIME GR Supra | 53 | 1:45'41.023 | ||||||
14 | 17 | 塚越 広大 /太田 格之進 | BS | Astemo CIVIC TYPE R-GT | 52 | 1:35'22.431 | ||||||
- | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ | BS | Deloitte TOM'S GR Supra | 16 | DNF |