千代勝正/高星明誠(MOTUL AUTECH Z/BS)がピットイン後にトップに立って優勝。 日産のエースナンバー【23】の勝利は2年4ヶ月ぶり
- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2025年08月23日(土) 〜 2025年08月24日(日)
昨シーズン台風の接近によって12月に延期された第5戦の鈴鹿が2年ぶりに夏に戻ってきた。前戦は、単独のドライバーによるふたつのスプリントレースが開催されるレースフォーマットでサクセスウエイト無しだったが、今回は、ドライバー交代ありの300キロレースで通常の獲得ポイントに則ったサクセスウエイトを搭載。セカンドポジションからスタートした千代勝正/高星明誠(MOTUL AUTECH Z/BS)は、ピットインのタイミングで首位に立ち、そのままトップでゴール。
<予選>シリーズの折り返し。ポイントランキング上位のブリヂストンタイヤ装着車は、坪井翔/山下健太 (au TOM’S GR Supra/BS)の100kgを筆頭に笹原右京/J.アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra/BS)の75kg、石浦宏明/大湯都史樹(KeePer CERMO GR Supra/BS)が74kgとかなりウエイトが嵩んでいる状況。サクセスウエイトの厳しさを裏付けるように比較にウエイトが軽いチームが練習走行の段階から好タイムを続出させていた。Q1でトップタイムを叩き出したのが平峰一貴/B.バゲット(TRS IMPUL with SDG Z/BS)49kgだった。これにウエイト無しの大津弘樹/佐藤 蓮(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16/BS)が続いた。そして、Q2において大津/佐藤組は、トップタイムをマークして初ポールポジションを獲得した。これに千代/高星組18kg、佐々木大樹/三宅淳詞(Niterra MOTUL Z/BS)12kgが続いた。
※GT500クラスのサクセスウエイト=最大100kg。実ウエイトは最大50kgまで、それ以上は、燃料リストリクターによって燃料供給量が規制される。
<決勝>気温35度、路面温度51度の猛暑の中で52周、300kmの決勝がスタートした。ポールスタートの大津/佐藤組が1周目から一気にリードを築いてグランドスタンド前に帰ってきた。しかし、そのリードも3周目に発生した塚越広大/小出峻(Astemo CIVIC TYPE R-GT/BS)のクラッシュによってセーフティカー(SC)が導入されたために無くなってしまった。9周目にSC走行が解除されてレース再開。2番手の千代/高星組が徐々にトップとの差を詰めて行き、上位陣が続々と18周を終えてピットイン。千代/高星組のピット作業が早く、トップでコースに復帰させることができた。大津/佐藤組は、4位に後退、代わって7番手からスタートし、SC導入時点で5位に上がっていた大嶋和也/福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra/BS)が2位へ。大嶋/福住組は、サクセスウエイトと燃料規制1段階の規制を受けている。終盤にはトップとの差を縮めて行ったが、千代/高星組が突き放した。3位には佐々木/三宅組が入った。そして、上位6位までをブリヂストンタイヤ装着車が占めた。
<優勝ドライバーのコメント>
千代勝正選手「23号車に乗ってから勝てるまで非常に長かったなと思います。今日のレースの決め手は予選でフロントロウに並べてこと。そして、前半の高星選手の走りが非常に良くて16号車と本当に僅差でピットに飛び込めたこともそうです。今回メカニックのひとりが病欠していて、大事な左側のタイヤマンがいなかったのですけど、それをベテランのチーフメカニックが急きょ現場で変わって担当してくれましたが、ニスモのお家芸のピットワークで同時に入った16号車の前に出て、ニスモらしいレースができたと思います」
高星明誠「チョイスしたタイヤは、ウォームアップ走行から速さがあるのは分かっていましたが、ウォームアップに少し時間がかかるのも分かっていました。温まれば16号車にどんどん追いつけていけるペースがあったので、焦らずに、「ここで無理をしてもいいことがないな」と冷静に考えられていました。もちろん、自分のスティントで抜けるなら抜きたかったですが、もし抜けなくてもピットインのタイミングや後半のスティントの千代さんに託していこうと考えていました」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「スタート直後の大津/佐藤組と千代/高星組の差は、温まりの良さの違いによるものです。佐々木/三宅組も優勝車と同じタイヤチョイスをしています。サクセスウエイトが軽いチームが上位に来ている中で大嶋/福住組もピットイン後に順位をアップしたのは素晴らしかったです。坪井/山下組は、最大ウエイトながら9位フィニッシュし、ランキングトップを堅持したままシリーズを折り返しました。今後各チームのポイントが僅差となっていく中で各チームを強力にサポートして参ります」
決勝
- 開催日:2025/08/24
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 路面温度:52°C〜43°C
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (5.807km x 52laps = 301.964km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 23 | 千代 勝正 /高星 明誠 |
BS
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MOTUL AUTECH Z | 52 | 1:47'10.646 | ||||||
2 | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 |
BS
![]() |
ENEOS X PRIME GR Supra | 52 | 1:47'16.414 | ||||||
3 | 3 | 佐々木 大樹 /三宅 淳詞 |
BS
![]() |
Niterra MOTUL Z | 52 | 1:47'27.215 | ||||||
4 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 |
BS
![]() |
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 52 | 1:47'28.490 | ||||||
5 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 |
BS
![]() |
KeePer CERUMO GR Supra | 52 | 1:47'32.100 | ||||||
6 | 39 | 関口 雄飛 /S.フェネストラズ |
BS
![]() |
DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 52 | 1:47'33.186 | ||||||
7 | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 52 | 1:47'34.211 | ||||||
8 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット |
BS
![]() |
TRS IMPUL with SDG Z | 52 | 1:47'35.843 | ||||||
9 | 1 | 坪井 翔 /山下 健太 |
BS
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au TOM'S GR Supra | 52 | 1:47'36.271 | ||||||
10 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 |
BS
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STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 52 | 1:47'44.375 | ||||||
11 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 |
BS
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ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 52 | 1:48'11.970 | ||||||
12 | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ |
BS
![]() |
Deloitte TOM'S GR Supra | 52 | 1:48'16.874 | ||||||
13 | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 52 | 1:48'26.969 | ||||||
14 | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 51 | 1:47'48.807 | ||||||
- | 17 | 塚越 広大 /小出 峻 |
BS
![]() |
Astemo CIVIC TYPE R-GT | 3 | DNF |