12番手グリッドから追い上げて山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)が今季初優勝
- 開催場所:オートポリス
- 開催日:2025年10月18日(土) 〜 2025年10月19日(日)
予選で不振だったホンダ勢は、一台を除いて予選Q1敗退。その中で後方の12番手グリッドからスタートした山本尚貴/牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT/BS)は、上位陣と異なる作戦で着実に順位を上げて、3時間レースの残り3分の1の段階でトップに立つと終盤に2位以下大差をつけてゴール。チームにとって、ホンダにとっても今季初優勝を記録した。
<予選>第7戦のサクセスウエイトは、獲得ポイントと同じだけのウエイトが搭載される。午前中の練習走行の段階から不安定な天候が心配な予選日となった。暗い灰色の雲に覆われた空の下で開始されたGT500クラスのQ1。GT300クラスのQ1が終わった時にはコースの一部で雨が降っていたが、500クラスの予選が開始された時点では断続的に極弱い雨が降っていて各車が装着したのはスリック。佐々木大樹/三宅淳詞(Niterra MOTUL Z/BS)SW17kgが2番手つけて好調なところをみせ、同じNISMOチームの千代勝正/高星明誠(MOTUL AUTECH Z/BS)SW29kgも4番手と日産勢が好発進。そしてランキングトップの坪井 翔/山下健太 (au TOM’S GR Supra/BS)がSW61kgそして燃料リストリクター1段階ながら5番手でQ2へ駒を進めた。そして、迎えたQ2はセッション開始の段階からどんどんと雨足が強くなり、各車レインタイヤでコースイン。時間経過とともにより雨が豪雨となった。そのヘビーウエットで佐々木/三宅組がトップタイムをマークして3年ぶりのポールポジションを獲得。2番手に千代/高星組とNISMOがフロントローを占めた。
<決勝>シリーズ第7戦は、3時間の時間レース中に給油を伴う2回のピットストップ義務があった。予選の不安定な天候が再び決勝でも心配された。ほんの一時、小雨が降ることはあったが、直ぐに止みコースコンディションはドライのまま進行した。レースの序盤は予選でフロントローを得たNISMOの2台がリードしていたが、11周目にコースオフ、クラッシュした車両があって、フルコースイエロー(FCY)から、その後セイフティカー(SC)が導入されて、そのリードは無くなってしまった。1時間を経過して各車がピットインする中で山本/牧野組は、引っ張って、できるだけ長くコースに留まる作戦で順位アップ。レースが3分の1を残す段階ではトップに立ち終わってみれば、2位に約26秒の大差をつけて優勝した。結果次第ではチャンピオンを獲得が可能だったポイントリーダーの坪井翔/山下健太 (au TOM’S GR Supra/BS)は、ポイント獲得圏内でレースの終盤に突入したが失速、ピットインを繰り返して、ガレージに入ってしまい、ポイント獲得はできなかった。
<優勝ドライバーのコメント>
山本尚貴選手「僕が最初のスティントで、残りのふたつを牧野選手が担当することを決めました。戦略としては、最初と2回目のスティントを最大でなるべく引っ張って2回目のピットストップを短くする。燃費とタイヤの空気圧を意識しながら走行しました。今日の結果は、牧野選手のスピードと強さとすべてが出たレースだったかなと思います。STANLEY TEAM KUNIMITSUとして、戦略、セットアップ含めて、ブリヂストンさんもこの勝利に値する仕事をしっかりとみんながこなしてくれたので、みんなに勝たせてもらったなっていう感じが強いです。最終戦はチャンピオンの権利を得ているので、HRCとSTANLEY TEAM KUNIMITSU、牧野選手と一丸となって最終戦を戦いたいなと思います」
牧野任祐選手「ほっとしたっていう気持ちが強いです。今シーズンでCIVIC TYPE R-GTがラストイヤーということですが1勝しかしてなくて、僕たちも優勝できてない状況だったので、本当に勝ててよかったと思いますし、チャンピオン争いも最終戦で権利を残しているということで、結果的に完璧なレースウィークだったかなと思います。チームとしても、TEAM KUNIMITSUらしいレースが久々にできたと思います。昨日の公式練習時のFCYとかサファリとかでのロングランのペースや燃費走がめちゃくちゃ燃費悪かったので改善してセカンドスティントでは追い上げながらかなり燃費も稼げ、ピット作業も短くできました。そこでギャップをかなり築いて、上手くはまったレースになったと思います。一時はどうなるかと思いましたけど、山本選手とまた優勝できてうれしいですね」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「まず、予選のウエットコンディションでは、完全に優位性を示すことができました。かなりの雨量でしたが、そこでタイムゲインすることができていました。まあ、雨量があれ以上あったら無理だったでしょうが、リミットギリギリの状況でした。決勝では、タイヤの性能云々以上に山本/牧野組の作戦が成し遂げた勝利だったと思いますが、安定したタイヤパフォーマンスで作戦を支えることができました、最終戦、チャンピオン決定戦では、可能性を有するブリヂストンタイヤ装着車チームをしっかりとサポートしてまいります」
決勝
- 開催日:2025/10/19
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 路面温度:29°C〜25°C
- 決勝出走:15
- 完走:13
- (4.674km x 102laps = 476.748km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 100 | 山本 尚貴 /牧野 任祐 |
BS
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STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 102 | 3:01'16.996 | ||||||
2 | 64 | 伊沢 拓也 /大草 りき | DL | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 102 | 3:01'42.940 | ||||||
3 | 16 | 大津 弘樹 /佐藤 蓮 |
BS
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ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 102 | 3:01'47.649 | ||||||
4 | 38 | 石浦 宏明 /大湯 都史樹 |
BS
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KeePer CERUMO GR Supra | 102 | 3:02'11.986 | ||||||
5 | 19 | 国本 雄資 /阪口 晴南 | YH | WedsSport ADVAN GR Supra | 102 | 3:02'13.888 | ||||||
6 | 23 | 千代 勝正 /高星 明誠 |
BS
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MOTUL AUTECH Z | 102 | 3:02'14.519 | ||||||
7 | 3 | 佐々木 大樹 /三宅 淳詞 |
BS
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Niterra MOTUL Z | 102 | 3:02'15.721 | ||||||
8 | 17 | 塚越 広大 /小出 峻 |
BS
![]() |
Astemo CIVIC TYPE R-GT | 102 | 3:02'16.583 | ||||||
9 | 14 | 大嶋 和也 /福住 仁嶺 |
BS
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ENEOS X PRIME GR Supra | 102 | 3:02'17.942 | ||||||
10 | 8 | 野尻 智紀 /松下 信治 |
BS
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ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 102 | 3:02'20.348 | ||||||
11 | 12 | 平峰 一貴 /B.バゲット |
BS
![]() |
TRS IMPUL with SDG Z | 102 | 3:02'21.510 | ||||||
12 | 39 | 関口 雄飛 /S.フェネストラズ |
BS
![]() |
DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 102 | 3:02'35.753 | ||||||
13 | 1 | 坪井 翔 /山下 健太 |
BS
![]() |
au TOM'S GR Supra | 76 | 2:18'36.546 | ||||||
- | 37 | 笹原 右京 /G.アレジ |
BS
![]() |
Deloitte TOM'S GR Supra | 70 | DNF | ||||||
- | 24 | 松田 次生 /名取 鉄平 | YH | リアライズコーポレーションADVAN Z | 11 | DNF |