劇的な幕切れで終わった真夏の鈴鹿8耐から約2か月。世界耐久選手権 EWCは2019-2020シーズンとして9/21-22に決勝が行われるボルドール24時間耐久から開幕します。 新しいシーズンは年間5戦でレース数に変更有りませんが、昨シーズンから一部開催地が変更になりました。
2019-2020シーズン FIM EWCスケジュール
2019/9/21-22 Rd.1 : ボルドール24時間 / フランス
2019/12/14 Rd.2 : セパン8時間 / マレーシア
2020/4/18-19 Rd.3 : ル・マン24時間 / フランス
2020/6/6 Rd.4 : オシャースレーベン8時間 / ドイツ
2020/7/19 Rd.5 : 鈴鹿8時間 / 日本
新シーズンは5月に開催されていたスロバキア8時間が無くなり、12月にマレーシア・セパン8時間が新たに加わりました。2016年から年を跨ぐスケジュールになって以降、例年9月の開幕戦ボルドール24時間の1戦のみ前年に開催され、残りの4レースは翌年開催でしたが、今シーズンは初めて前年2レース、翌年3レースのスケジュールとなります。
またこのセパン8時間は翌年の鈴鹿8耐の出場権を得る事が出来るトライアウトを兼ねたレースとなっており、来年2020年の鈴鹿8耐参戦を狙うチームにとっては重要なレースとなりそうです。
この辺りのレギュレーション変更等の情報は追って次回以降紹介させて頂きたいと思います。
ブリヂストンがサポートする2019-2020シーズンEWC参戦チーム紹介
新しく始まるシーズンでもブリヂストンはEWCに参戦する2チームにタイヤを供給していきます。
2017-2018シーズンにブリヂストンが初めて獲得したEWCシリーズチャンピオンを奪還する為に共に戦う強力な2チームを紹介します。
1.#5 F.C.C. TSR Honda France (Honda-CBR1000RR SP2)
ブリヂストンが2006年に鈴鹿8耐初優勝を挙げ、ヨーロッパで開催されるEWCのレース、しかも24時間耐久で初優勝、そしてEWCシリーズチャンピオンを初めて獲得と、ブリヂストンにとって多くの節目を共に獲得してきたもっとも強力なパートナーチーム。チャンピオンナンバーのゼッケン1を掲げて2年連続チャンピオンを狙った昨シーズンはボルドール24時間、オシャースレーベン8時間の2レースで優勝、スロバキア8時間で3位と表彰台の常連になりました。
残念ながら2年連続チャンピオンに届かずランキング2位となりましたが、昨シーズンと同じライダーラインナップで挑む今シーズン、間違いなく強力なチームの一つと言えます。
シーズンを跨いで2018年は2回の24時間レース、ル・マンとボルドールを制している同チーム、3度目の24時間レース優勝を目指し、チャンピオン獲得に向けて1戦目から勢いを付けていきたいところでしょう。
ライダー:マイク・ディメリオ(左)、ジョシュ・フック(中)、フレディ・フォレイ(右)
2.#7 YART - Yamaha (Yamaha-YZF-R1)
2007年よりEWCに参戦する、2009年のEWCチャンピオンチーム。
2016-2017シーズンの第2戦ル・マン24時間からブリヂストンタイヤを使用し、初戦で2位に入ると初シーズンからタイトル争いに加わりました。2017-2018シーズンはスロバキア8時間でYART+ブリヂストンでの初優勝。昨シーズンは開幕戦ボルドール24時間で序盤転倒するも、粘り強く走り続け2位を獲得。優勝したF.C.C. TSR Honda Franceと共にブリヂストン初のヨーロッパでのEWC1-2位を達成。また第3戦スロバキア8時間では2年連続優勝を果たしました。
ライダーラインナップは昨シーズンと変更ありませんが、ボルドール24時間ではエースライダーのブロック・パークスが他のレースとスケジュールが重なってしまい、今回は欠場。代役としてWSBK(スーパーバイク世界選手権)で活躍するロリス・バズを招集。事前テストではマービン・フリッツ、ニッコロ・カネパと共に好調な走りを見せてトップタイムをマークしています。レースでも好調を維持した状態で開幕戦優勝を狙っているでしょう。
ライダー:マービン・フリッツ(左)、ロリス・バズ(中)、ニッコロ・カネパ(右)
EWC 第1戦ボルドール24時間が開催されるポールリカールサーキット
シーズン開幕戦のボルドール24時間耐久レースは初開催が1922年と耐久レースでは最も歴史があり、今回で83回目の開催となります。
舞台となるポールリカールサーキットは南フランスの都市、マルセイユから東へ約40kmほどにあるLe Castellet(ル・キャステレ)という小さな町の近くで山の上に位置します。
このサーキットの特徴はミストラルと呼ばれる1.8kmのバックストレート。追い風が吹く時にはEWCで340km/hを超える速度が記録されます。
2018年にコースが全面改修され、若干コースレイアウトが変更された影響で、ラップタイムが従来レイアウト時より2秒以上速くなりました。
今年は再び路面が改修され、9/3-4に行われた事前テストではYARTが前年の予選ベストタイムを上回るラップタイムを出しています。
しかしラップタイムが速いだけでは勝てないのが24時間耐久レースの難しいところ。ラップタイムのアドバンテージを生かし、様々なトラブルを最小限に抑える事で最高の結果が見えてくるかもしれません。
長いバックストレート「ミストラル」が特徴のポールリカールサーキット
(出典:Wikimedia Commons URL:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Circuit_Paul_Ricard,_April_22,_2018_SkySat_(cropped).jpg?uselang=ja)
2019-2020 EWC Race Preview Rd.1ボルドール24時間 Vol.2では新シーズンのEWCレギュレーション変更やボルドール24時間でのレースタイヤ戦略についてお伝えしたいと思います。